土壌教育委員会がかかわる活動を紹介

観察会などで使用できるワークシートを公開します

2017年10月 6日 Posted in 出版物・教材

初等中等教育段階における土壌の教育の推進には,学校教育現場において「土」を教材として活用し,児童生徒に土の性質や機能を実感を伴いながら伝えることが必要です。

土壌教育に関する文献集にもある国際土壌年 2015にちなんだ土壌教育活動「土のひみつを探る」からみえた学会―民間企業連携の可能性(平井,2016)では,児童生徒を対象にワークシートを用いて土壌教育活動を実施した事例が紹介されておりますが,この活動で使用されたワークシートを学校教育現場などにおける土壌教育教材として活用していただくことを目的に公開いたしました。

今回公開するワークシートは次の5枚です。

これらのワークシートは「植物」とつながりが深い観察・実験を選定しています。それぞれのワークシートを使用する際の児童生徒への説明については,上記の文献および以下の説明文を参照くださいますようお願いいたします。

土の中の空気を調べる」では,一見しただけでは気づきくい「土の中の空気の存在」を実感を伴いながら理解させることにより,土には隙間があり,その隙間に植物の根が伸びてゆくようなイメージを児童生徒に抱かせる点がポイントです。また,その隙間は水の通り道(透水)であるとともに,水を保つ機能や養分を保持する機能にも関係するので植物の生育に直結します。そこで「土が水を保つ様子を調べる」ワークシートを準備しました。具体的には,一定量の水を土に流し込み,土が水を吸収する様子を観察する実験をおこないます。

土に触れて,土の手触りを実感することは,小学校低学年では特に重要であるとの考えから,土を掘り進んだ時の土の手触りの変化を調べる観察実験が「土壌断面の観察」です。掘り進んだ土の上の方の土を少しとって,ペットボトルに入れ,水を注いでよく振って,土の粒を調べる実験「土の粒子の観察」も「土壌断面の観察」の後に実施できます。

最後に,米のとぎ汁を,土と砂に注ぎ込んでその相違を観察する実験を「土の吸着能を調べる」ワークシートを用いて実施し,土が養分を保つ力や水を浄化する力のあることを説明します。

どうぞ,ご活用ください。

土壌教育委員会:平井英明