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年次大会のお知らせ

高校生による研究発表会の審査結果および講評

日本土壌肥料学会岡山大会では98日(火)に「高校生による研究発表会」を岡山県教育委員会の後援で開催しました.全国の高校から12課題(8校)のエントリーがあり,LINC Bizシステムを用いて活発な議論と質疑応答が行われました.審査の結果および,学会長,大会運営委員長,土壌教育委員長による講評は以下の通りです.

 

 

【審査結果】

審査委員(学会長および大会運営委員長,土壌教育委員)による審査の結果,最優秀賞1課題,優秀賞3課題が選出されました.

 

最優秀賞                                                                         

H-08 

サトイモの苗生産から栽培,加工品開発に関する研究-サトイモを逆さに植えたら,収量がアップ?-

海老原湧心・古瀬真咲・髙橋勇人・早坂七斗・有路夕真・佐藤幸亮・柴田梨奈・大津遥愛・中山由佳(山形県立村山産業高等学校 農業部バイオテクノロジー班)

 

優秀賞                                                                           

H-05

ため池の「池干し」がリン循環に与える影響

 井上絢音・竹山悠斗・真野航輔・山野莉緒(加古川東高校 自然科学部地学班)

 

H-07

香川中央高校における緑のカーテン(ゴーヤ,パッションフルーツ等)栽培の取り組み

香西真杜・中井千尋・恵比須朝(香川県立香川中央高等学校 自然科学部)

 

H-10

腐植含量の異なる有機質肥料の施用がタマネギの収量に与える影響

三浦風香・佐々木光翔(北海道岩見沢農業高等学校 農業科学科 SS専攻)

                                                                                 



【講評】

日本土壌肥料学会会長の北海道大学の波多野です.

皆さんには,高校生による研究発表会にご発表いただき大変ありがとうございました.皆さんの発表は土壌肥料学会の9つの部門(1土壌物理,2土壌化学・土壌鉱物,3土壌生物,4植物栄養,5土壌生成・分類・調査,6土壌肥沃度,7肥料・土壌改良資材,8環境,9社会・文化土壌学)すべてに関わる内容でした.いずれの研究内容もオリジナリティに溢れ,皆さんが一生懸命研究されたことが伝わりました.参加された皆様は今回研究してみて土壌肥料学が地域に密着した研究を行っていることをお感じになられたと思います.自分の目でみて面白いと思ったことや,なんとかしなければいけないと思うことが土壌肥料学の研究の動機になります.皆さんには大学に進まれたらさらに土壌肥料学の研究手法を学んで実際に研究をしていただけるようになると良いなあと思います.

せっかくの機会ですので,もう一つお伝えしておきたいと思います.研究の最終産物は論文だということです.学会発表は時間の都合で論文のハイライトだけを示しています.原著論文は研究の背景,目的,方法,結果,考察,結論,参考文献の7項目で構成されています.ですから,今後はこの7項目を意識して研究を深めて欲しいと思います.今回の研究発表で皆さんはすでに目的,方法,結果をお持ちですので,先行研究と比較することができます.是非,参考文献を探して読んでみてください.言い伝えを記した古文書でも構いません.先行研究に述べられている背景や目的は必ずしも皆さんの動機と同じではないかもしれませんが,そのことにより知識が増えて幅が広くなりましょう.どうぞ是非勉強してみて下さい.今後の皆さんの益々のご発展を願っております.(学会長 波多野 隆介)

 

コロナの影響で高校生の皆さんと倉敷でお会いできず,大変残念ですが,例年よりもたくさんの発表をしていただき,ありがとうございます.身近のものを研究の対象にして,深く掘り下げて研究されたことは大変素晴らしいです.今回の発表は土壌調査,肥料施与効果,微生物の接種効果など,研究内容が幅広く,それぞれ面白い成果が得られています.皆さんの成果が今後農業現場に役立つことを期待しています.ぜひ今のような探求心を持ち続けて,今後の勉強・研究に生かしてください.(大会運営委員長 馬 建鋒)

 

今回の高校生による発表会では,オンライン開催となり従来とは発表形式が異なったにもかかわらず,2019年度静岡大会に比べ6課題少ない全国から12課題の発表がありました.今回の発表の特徴として全発表課題について質疑・応答はチャットを利用して文章で行った点でした.従来であれば,発表終了後に個々の質問を忘れてしまうこともあったかと思いますが,今回は質疑・応答を保存すれば,発表終了後に再検討または次年度の研究遂行に生かせると思います.今回の研究発表会より,高校生による発表課題の増加には環境が許せば,オンライン開催も一つの方法であると考えられました.12課題の発表は校舎内,演習林の問題解決,農業生産,環境に関する課題,土壌教育に関する提案など広範囲にわたり,それぞれの発表はよく整理されたスライドを利用して行われました.身近に存在する土壌,肥料,植物栄養,食糧生産,環境に関する課題を取り上げ,その真理を探る過程は高校生活で貴重な経験であると思われます.今後も課題に取り組むこの姿勢を継続していただきたいと思います.(土壌教育委員長 隅田 裕明)


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