2025年3月アーカイブ

 第37回環境工学連合講演会が「先進サスティナブル社会における環境工学の役割」をテーマに下記の通り開催されます。参加申込、講演のタイムテーブルなどの詳細は、以下のURLからご確認ください。なお、当学会からは中村真人会員(農研機構)が「メタン発酵を中核とした資源循環システムの構築」を講演します。

 

   https://www.scj.go.jp/ja/event/2025/381-s-0527.html

 

主  催:日本学術会議環境学委員会環境科学・環境工学分科会

開催日時:令和7(2025)年5月27日(火)1000 1730

地:日本学術会議講堂(東京都港区六本木7-22-34)(オンライン併用)

対  象:どなたでもご参加いただけます。

費:無料 

 

 日本土壌肥料学会は2027年に創立100周年を迎える.これまでの土壌肥料学研究は,植物と土壌およびそれらを含む生態系を主な研究対象として,土壌生成・構造,養分循環,生物,養分・肥料,土壌肥沃度,環境等幅広い分野において科学および農業の発展に尽力してきた.この根本にあるのは,土壌が陸域のすべての生態系を支える基盤であり,食糧生産の場であるとともに,土地利用を支える植物栄養の供給と循環,生物多様性,水の浄化,気候制御など環境を調整し,地域の景観の基盤として文化を支えるサービスを提供していることがある.長い間,人類は土壌が供給するこれらのサービスを当たり前の存在として無意識に享受してきた.さらに,良質な作物を多量に安定に収穫するための農業生産技術を開発し,土壌が提供するサービスを過剰に搾取し続けてきた.しかし,食糧安定供給の代償として,生物多様性の喪失,土壌有機物の消耗,水質汚濁や富栄養化,温室効果ガスの排出,アンモニア揮散,NOxやSOxの排出,土壌侵食や土壌圧密や塩類化などの土壌劣化が世界中で顕在化し,日本を含む世界中のさまざまな地域で「土壌の健康」が損なわれている.

 本シンポジウムでは,この事実を認識し,将来の土壌の健康の維持向上のための道筋を次の3つのテーマについて議論する.

1.土壌の健康とは?

 FAOでは,2020年に土壌の健康を「土壌が陸上生態系の生産性,多様性,環境サービスを維持する能力」と定義している.生態系サービスは,環境条件や土地利用によって異なる.日本は,地形は急峻で火山があり,気候はモンスーンで亜寒帯から亜熱帯の範囲にあり,土壌は火山性を含む堆積性である他,水田という特徴的な土地利用がもたらす生態系サービスも重要である.日本の土壌が健康である状態や土地利用に応じた土壌の健康診断基準について検討する.

2.土壌の健康を向上させるイノベーション

 健康な土壌が最大限の生態系サービスを生み出す要は,有機物として存在する土壌炭素である.土壌炭素を消耗させない,土壌炭素の蓄積を促す技術開発は,土壌の健康回復のためだけでなく,地球温暖化対策としても重要と認識されている.適切に土壌炭素を維持した土壌は,様々な環境インパクトを柔軟に受け止め,生態系サービスを維持する回復力と持続性に優れた土壌となる.土壌の健康回復と健康維持のため,土地利用に応じた管理技術について検討する.

3.土壌の健康を共有するために

 地域レベルで土壌の健康を維持するためには,すべての市民が土壌からのサービスに恩恵に浴していることを認識し,その土壌の健康状態を知り,管理をサポートできることが望まれる.現在小学校の理科の教科書には土壌の文字そのものが無い状態となっている.このような事態において,土壌の健康に気付くことは非常に困難である.正当な知識,正確な情報,適正な管理技術を共有できる連携の構築について検討する.


主  催:(一社)日本土壌肥料学会,日本学術会議(農学委員会土壌科学分科会,農学委員会・食料科学委員会合同IUSS分科会,Soil Health 小委員会)

後  援:日本土壌微生物学会,日本ペドロジー学会,日本土壌動物学会,農業農村工学会,日本第四紀学会,日本地理学会,日本森林学会,土壌物理学会,日本農作業学会,環境科学会,日本作物学会,根研究学会,森林立地学会,日本沙漠学会,日本腐植物質学会,日本熱帯生態学会,日本熱帯農業学会,日本生態学会,日本農学会,ムーンショット型農林水産研究開発事業 循環型協生農業プラットフォームコンソーシアム (※予定(調整中))

開催日時:2025年7月26日(土) 10:00~17:00

開催場所:日本学術会議講堂(東京都港区六本木7-22-34)およびZoomウェビナーによるハイブリッド開催

ZoomウェビナーURL:
https://us02web.zoom.us/j/82013092022?pwd=RrwSCHvYKaMzH3XQ6vi9qHuXCkQsid.1

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プログラム:

司会 川東 正幸(東京都立大学大学院都市環境科学研究科 教授)

挨拶・趣旨説明(10:00-10:15)

開会挨拶 犬伏 和之(東京農業大学応用生物科学部 教授・千葉大学 名誉教授)

主催者挨拶 藤原 徹(東京大学大学院農学生命科学研究科 教授)

趣旨説明 波多野 隆介(北海道大学 名誉教授)

第1部 「土壌の健康とは?」(10:15-11:45)

藤井 一至(福島国際研究教育機構 土壌ホメオスタシス研究ユニット長)
『今なぜ土壌の健康なのか? 期待と課題』

小松﨑 将一(茨城大学農学部附属国際フィールド農学センター 教授)
『土壌健康の向上と気候変動緩和が連携する持続可能な土壌管理 ―大学農場における長期畑輪作栽培が示す知見―』

犬伏 和之(東京農業大学 教授・千葉大学 名誉教授)
『水田微生物がもたらす土壌の健康』

北島 薫(京都大学大学院農学研究科 教授)
『生態学からソイルヘルスへの期待』

討 論 座長 山口 紀子(農研機構農業環境研究部門 グループ長補佐)

第2部 「土壌の健康を向上させるイノベーション」(13:20-15:05)

金子 信博(横浜国立大学 名誉教授・福島大学 名誉教授)
『不耕起草生栽培の科学』

中塚 博子(東京農業大学農学部 助教)
『土壌の健康を支える土壌の構造』

矢内 純太(京都府立大学大学院生命環境科学研究科 教授)
『日本や東南アジアの水田土壌の肥沃度変化と土壌の健康』

渡辺 京子(玉川大学農学部 教授)
『バナナプランテーションにおける土壌病害』

竹山 春子(早稲田大学理工学術院 教授)
『農業土壌微生物アトラスの構築と生物因子から見た農業土壌健康度』

討 論 座長 信濃 卓郎(北海道大学大学院農学研究院 教授)

第3部 「土壌の健康を共有するために」(15:20-16:50)

水田 勝利(ケンタッキー大学土壌植物学科 准教授)
『米国における Soil Health の取り組み』

Bellingrath 木村 園子 Dorothea(ZALF土地利用およびガバナンス領域長・フンボルト大学ベルリン生命科学学部農学園芸科 教授)
『EUにおけるSoil Healthの取り組み』

森 圭子(埼玉県立川の博物館学芸 グループマネージャー)
『小学校教育における「土」の認識』

太田 和彦(南山大学総合政策学部 准教授・総合地球環境学研究所客員 准教授)
『Soil Healthに向けた社会的合意のための土壌倫理』

討 論 座長 若林 正吉(農研機構農業環境研究部門 主任研究員)

閉会挨拶・閉会(16:50-17:00)

小﨑 隆(京都大学 名誉教授・愛知大学国際問題研究所 名誉教授)

第4回「NARO食と健康の国際シンポジウム」(2025.3.25)

 農研機構は食による健康や持続可能な食料生産のためのイノベーション創出を目指しており、持続的な食料生産に密接に関係する3つのSDGs目標(目標2, 12, 13)を取り上げて、第4回「NARO食と健康の国際シンポジウム」を開催いたします。

今年のテーマは「未来を支える食と農のイノベーション : SDGs達成に向けた研究展開-」です。

 

【日時】324日(月)11:0017:45

【開催方式】オンライン

【受講料】無料

【参加方法】特設サイト右上の登録フォームより視聴申込(321日正午まで)

【主催】農研機構(国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構)

 

▼詳細は下記URLから

https://www.naro.go.jp/event/naro-symposium/2025/ 

 

▼オンライン配信の視聴申込は、以下のURL右上の登録フォームにて受付けております(321日正午まで)。

https://www.naro.go.jp/event/naro-symposium/2025/ 

 

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