事務局より
2017年3月に小学校および中学校の新学習指導要領が公示されました。
本学会は,児童生徒の土の理解の増進には学習指導要領における「土」に関する内容の充実が不可欠と考え,関連19学会の賛同を得た「土壌教育に関する要望書」を2015年1月29日に文部科学大臣および中央教育審議会長に提出しました(会誌第86巻第6号「資料」参照)。
新しい学習指導要領では,小学校学習指導要領の理科[第4学年]の生命・地球における (3) 雨水の行方と地面の様子の項目で,「土の粒」という表現が新たに3回登場したことを確認できます(詳細は文部科学省ウェブサイトの「小学校学習指導要領」を参照してください)。現小学校学習指導要領の理科で「土」の登場回数はわずか1回でしたが,それが計4回になったことになります。
今回の「土の粒」の登場は先の要望書の内容を直接に反映したものではありませんが,学習指導要領における「土」に関する内容の充実が不可欠であるという私どもの主張が理解された結果であると考え,大変嬉しく,光栄に思っております。
本学会は,今回新しく加わった「土の粒」の指導内容に関して,さっそく教科書作成に資する教材の提案を行う準備に着手しました。新しい学習指導要領は,周知・徹底期間(2017年度)と移行期間(教科書検定,採択・供給)を経て,小学校においては2020年度(中学校は2021年度)に全面実施の予定です。教材の開発にかける時間的余裕はあまりございませんが,本学会のこれまでの土壌教育活動の成果を生かし,できるだけ良いものにしたいと考えております。ご意見やご要望をぜひ学会事務局までお知らせください。