本サイトは,初等中等教育現場における土壌の理解と知恵を育てる教育のあり方について検討し,土壌教育活動を実施することを目的に日本土壌肥料学会に設置された委員会の情報を掲載しております

ようこそ土壌教育委員会のサイトへ!

 土壌は生命と環境を育み,自然や社会環境の中で多面的な役割と機能を果たしています。土壌教育委員会は1982年以来初等中等教育現場における土壌の理解と知恵を育てる教育のあり方について検討してきました。
 本サイトでは土壌教育委員会のこれまでの活動および今後の予定などを紹介します。このページを読んでいただいた皆さんは勿論のこと,もっともっと沢山の子供たちや人々が土壌に興味を持つようになることが,私たちの切なる願いです。

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土壌教育活動だより 93-6

2022年12月 5日 Posted in 土壌教育活動だより Posted in お知らせ

 日本土壌肥料学会2022年度東京大会では1日目の2022年9月13日(火)に,恒例の「高校生による研究発表会」を東京農業大学世田谷キャンパス1号館3Fのポスター発表会場にて開催しました.当日は全国から20課題(17校、ポスター掲示のみの発表6校7課題を含む)の発表がありました.約40名の高校生はポスターの前で研究内容を説明し,大会参加者からの専門的な質問やコメントを受けて,熱心な議論を行いました.90分のコアタイムを終えても活発な質疑応答が続いていました.学会会長,大会運営委員長および土壌教育委員による審査の結果、最優秀ポスター賞2課題(発表番号9 青森県立三本木農業恵拓高等学校,発表番号12 広島県立西条農業高等学校)および優秀ポスター賞3課題(発表番号3 山形県立村山産業高等学校,発表番号5 北海道岩見沢農業高等学校,発表番号6 東京農業大学第三高等学校)が選ばれました.当日夕方に行われた表彰式では、妹尾土壌肥料学会長(東京大学)と藤原大会運営委員長(東京大学)より講評があり、森土壌教育委員長(埼玉県立川の博物館)より全発表課題に対して発表証明書と参加賞が手渡されました。次いで、妹尾会長より最優秀ポスター賞および優秀ポスター賞の表彰状,副賞が授与されました.全体の発表に関する講評および一部の受賞者の写真を土壌教育委員会のHPに掲載しています.

 委員による活動を報告します.福田顧問(武蔵野学院大学)は,7月25日(月)~7月29日(金)の5日間(9時30分~12時30分),国からの助成を受けて「土の教室」を狭山市立水富公民館で開催・実施しました.参加者は狭山市内の公立小学校15校(4年生~6年生対象)から募集し,申し込まれた17名でした.内容は,「地球温暖化と土の呼吸」,「土の生きものの多様性」など5つのテーマからなり,講義,観察・実験,ディスカッション,発表を行いました.連続5回の「土の教室」を通して,児童らは「温暖化の影響が土にも及んでいる」,「森林伐採が土の生きものの多様性の喪失に関係している」ことなどに関心を持ち,地球環境問題の解決に向けて何ができるかを話し合いました.27日には助成担当者2名が視察に訪れ,土の教育に強い関心を持っていただきました.森委員(埼玉県立川の博物館)は,2022年10月15日に,同博物館において体験教室「落ち葉めくり」を催しました.博物館内の林の下で落ち葉をめくりながら採取し,生き物が落ち葉を分解する様子や菌糸などを観察しました.さらに試料を室内に持ち帰り,実体顕微鏡を用いて土の中の生き物を観察しました.保護者を含む参加者は15名でした.

 北海道支部委員会の活動を報告します.10月25日に北海道立士幌高等学校内において土壌断面研修を十勝農業試験場の櫻井氏,石倉氏の協力を得て実施しました.対象は2年生の生徒15名,教員2名です.具体的には高校内の未耕地と隣接耕地の土壌断面を観察しました.未耕地は傾斜を持ち,地形的上部に位置する区域の土壌断面は然別由来と考えられる軽石層が深部に出現する黒ボク土でした.それに対して隣接圃場は平坦であり,畑地化に向けて地形修正が行われたと考えられました.実際、耕地の土壌断面ではA層の腐植層が未耕地よりも淡く,軽石層が未耕地よりもかなり浅い位置に出現する等,土層が攪乱されたような痕跡が見られました.なかなか高校においても,土壌断面を見せる機会がないようです.北海道支部土壌教育委員会として今回のような活動を継続していきたいと考えています.引き続き皆さんの協力をお願いします.

高校生による研究発表会(東京)2022-09-13(詳報)

2022年11月 1日 Posted in 主催行事 Posted in 高校生による研究発表会

 日本土壌肥料学会2022年度東京大会では1日目の2022年9月13日(火)に,恒例の「高校生による研究発表会」を東京農業大学世田谷キャンパス1号館3Fのポスター発表会場にて開催しました.

 当日は全国から20課題(17校,ポスター掲示のみの発表6校7課題を含む)の発表がありました.約40名の高校生はポスターの前で研究内容を説明し,大会参加者からの専門的な質問やコメントを受けて,熱心な議論を行いました.90分のコアタイムを終えても活発な質疑応答が続いていました.

 学会会長,大会運営委員長および土壌教育委員による審査の結果,最優秀ポスター賞2課題(発表番号9 青森県立三本木農業恵拓高等学校,発表番号12 広島県立西条農業高等学校)および優秀ポスター賞3課題(発表番号3 山形県立村山産業高等学校,発表番号5 北海道岩見沢農業高等学校,発表番号6 東京農業大学第三高等学校)が選ばれました.

 当日夕方に行われた表彰式では,妹尾土壌肥料学会長(東京大学)と藤原大会運営委員長(東京大学)より講評があり,森土壌教育委員長(埼玉県立川の博物館)より全発表課題に対して発表証明書と参加賞が手渡されました.次いで,妹尾会長より最優秀ポスター賞および優秀ポスター賞の表彰状,副賞が授与されました.

表彰式の様子
表彰式の様子

土壌教育活動だより 93-5

2022年10月 5日 Posted in お知らせ Posted in 土壌教育活動だより

 委員による活動を報告します.丹羽委員(株式会社ズコーシャ)は,7月9日に「千曲川ワインアカデミー」(主催者:日本ワイン農業研究所「アルカンヴィーニュ」)という日本で初めての民間ワインアカデミーの中で「日本の土壌とワインづくり」というタイトルで講義を実施しました.参加者は36名で、ワイン用ぶどうの栽培を検討している方やワインについて造詣を深めたい方が対象です.当日は座学で日本の土壌分布、土壌診断、有機農業等の説明を行いました.また、現地にて傾斜地の巨岩を含む土壌断面と平坦地の重粘土質の土壌断面を観察し,近接する区域でも立地条件によって土壌断面形態は大きく異なることを学習しました.森委員(埼玉県立川の博物館)は,7月17日に,同博物館において随時参加型のワークショップ「土の中の生きもの」を催しました.篩を用いた大型土壌動物を調べる方法と、ツルグレン装置を用いた中型土壌動物を調べる方法を紹介し,土壌動物を肉眼もしくは実体顕微鏡で観察してもらいました.保護者を含む参加者は193名でした.7月24日から8月30日まで、同博物館で開催の特別展「海なし雪なし火山なし-ないけどある!埼玉との深い関係」に合わせて「火山噴火でできた土と埼玉県の土」としてモノリス5本を展示しました.併せて7月24日には,随時参加型のワークショップ「火山噴火でできた土ってどんな土?」を催し,黒ボク土と沖積土の表層土について,色と手触りを感じてもらいながらモノリスと併せて火山噴火でできる土について解説しました.参加者は112名でした.福田顧問(武蔵野学院大学)は,8月26日に開催された狭山市学童保育会「富士山登山・自然観察会」において、「富士山の自然」の講師を担当し、植物、動物、地質の解説を行いました.ナラ枯れや標高と気象・土・植物分布の関係などを観察・解説しました.参加者は狭山市内小学生20名でした.土を自由研究テーマとして取り上げる児童らも見られ,森林限界と気象や土との関わり,スコリア,地衣・コケ群落の発達と土壌化などに興味・関心を持ち,解説に耳を傾けるとともに観察・記録していました.平井顧問(宇都宮大学)は,8月27日に宇都宮大学農学部附属農場で開催された栃木県立博物館の観察会「たんぼ物語~土ってすごイネ~」の講師をつとめました.参加者は17名(内訳:児童8名大人9名)でした.活動内容は、宇都宮大学農学部附属農場内の雑木林の森林土壌の断面(150cm深)を,土に触れながら観察しました.博物館の学芸員の方より,表土が植物の生育にはなくてはならない大切な層で多くの根があること,下層土には鹿沼軽石層や関東ローム層が観察できるけれども,根はあまり観察されない点などの説明があり,表土が命の源である点が参加者に紹介された点が印象的でした.次に,水田圃場において,無肥料の水田,化学肥料を連用している水田,堆肥を連用している水田の3種類の水田のイネ株を掘り取るために,子供たちに素足で水田に入り,イネの根系を手で感じながら表土と根系と共にイネ株を抜き取りました.さらにそのイネのもみ数や穂数を計測し,1株当たりのもみ数より,お茶碗一杯のご飯を食べるためには,何株のイネ株が必要かについて計算しました.最後に,一年間食べている白米の重さをイネ株とお茶碗一杯の白米の重さの関係性から,水田圃場にその面積を示すという説明が博物館の学芸員から参加者に行われました.児童は,水田で素足で入った感触が印象に残っていたようで、楽しかったとのことでした.

 本欄では会員の皆様の土壌教育活動も紹介します.情報をお持ちの方は支部選出の土壌教育委員までお知らせください.なお,土壌教育委員会の現在の構成は公式ウェブサイト http://jssspn.jp/edu/ の「委員」をご確認ください.

(日本土壌肥料学雑誌 第93巻第5号 掲載)