土壌教育活動だより 96-2
日本土壌肥料学会2025年度新潟大会において,高校生による研究発表会を開催いたします.対面によるポスター発表とオンライン発表のハイブリッド形式での開催を予定しています.対面によるポスター発表は,大会の初日(9月17日)に行う予定です.詳細は決まり次第,土壌教育委員会公式Webサイトに掲載いたします.
委員による土壌教育活動を報告します.森委員(埼玉県立川の博物館)は,同博物館において11月14日の埼玉県民の日に合わせた秋まつりイベントの中で,「かわはく周辺の土」をテーマにモノリス5本を展示し,12月8日まで展示を行いました.同委員は同博物館において12月7日には世界土壌デー記念として「土でアート作品づくり」を開催しました.異なる4色の土を使って和紙に絵を描き,パネルに貼って作品として仕上げました.参加者は27名でした.また同委員は出前授業として県立伊奈学園中学校3年生の「自然の中の生物・環境の調査と保全」の授業の一環として、12月18日に,砂と土の試料やモノリスを使って,実際に触る・実物を見る体験を含む土壌の講義を行いました.同委員は同博物館において,春期企画展「麦の国さいたま」を企画し(開催期間:2月8日~5月6日),その中で,埼玉県の大宮台地西縁で行われていた伝統客土農法「ドロツケ」をモノリスとともに紹介しています
会員による土壌教育活動を報告します.谷昌幸氏(帯広畜産大学)が11月26日に帯広畜産大学とよつば乳業との共同リカレント教育「デイリースクールベーシック」において,「土壌と草地の関係~土壌診断に基づく科学的な草地土壌管理」を題した講演を行いました.北海道の草地に分布する土壌の成り立ちや特徴について説明するとともに,とくに草地における生草収量と土壌の養分状態の関係について解説しました.参加者は若手生産者6名,大学・農協職員3名,よつば乳業社員6名でした.また、同氏は1月23日に北海道中小企業家同友会十勝支部で開催された,同友会主催の第3期十勝経営者大学経営学コースにおいて「北海道と十勝の土を知る-土の成り立ちと素性を理解する-」を題した講演を行いました.北海道と十勝地域の土壌の特性や肥沃度の重要性について説明するとともに,十勝地域に分布する黒ボク土の肥沃度と生産性の関係,リン資源の有効利用と十勝農業の持続性などについて解説しました.参加者は同友会会員8名(オンライン5名)でした.石倉究氏(道総研十勝農業試験場)が帯広市農政部主催の十勝地域農業者合同研修会で講演を行いました.1月23日と2月6日に対面・オンラインのハイブリッド形式で開催され,第1回は10名が対面で参加し,オンラインでは64名が参加しました.堆肥による「土づくり」の効果,堆肥や緑肥,作物残渣,スラリー等の有機物の肥料効果について解説しました.また,各種有機物の施用に伴う適正施肥の求め方を講義しました.第2回は11名が対面で参加し,オンラインでは63名が参加しました.有機物施用と土壌微生物の関係,代表的な土壌微生物である硝酸化成菌,根粒菌,アーバスキュラー菌根菌の役割を解説しました.また,土壌微生物活性の指標の一つであるグルコシダーゼ活性について解説し,十勝管内の傾向と有機物施用との関係を講義しました.
本欄では会員の皆様の土壌教育活動も紹介します.情報をお持ちの方は支部選出の土壌教育委員までお知らせください.なお,土壌教育委員会の現在の構成は公式ウェブサイト https://jssspn.jp/edu/ の「委員」をご確認ください.
(日本土壌肥料学雑誌 第96巻第2号 掲載)