土壌教育活動だより 81-6
日本土壌肥料学会2010年度北海道大会に関連した土壌教育委員会の活動として「出前授業」と「高校生ポスター発表会」を実施した.出前授業は7月24日に長沼町こども理科教室「土をしらべよう!」として長沼町教育委員会との共催で開催した(参加者は小学校高学年12名).講師は福田直委員長(武蔵野学院大学),田中治夫委員(東京農工大学),橋本均委員(道総研中央農業試験場)の3名.中央農業試験場の日笠裕治,濱村美由紀両氏の協力を得て,昨年の京都大会に準じた①土を当ててみよう,②土壌動物の観察と土壌呼吸,③土の粒子の違い,④土の吸着・保水性の実験の4課題を行った.
高校生ポスター発表会は北海道大会運営委員会の協力を得て大会1日目の9月7日に開催した.橋本均委員を中心とした全道約320校への呼びかけにより,道内5校から計6点のポスター出展があった.発表会のあと別室で表彰式を行い,各発表に表彰状と記念品を贈呈した.参加校と課題名は次の通り(発表番号順):遺愛女子中学・高等学校「大森浜の黒砂のなぞをさぐる4−ガーネットの故郷を求めて−」,北海道有朋高等学校「稲による土壌浄化の研究(Cd, Srの吸収について)」,北海道札幌藻岩高等学校「エコトレイから香水へ〜学校廃棄物の堆肥化と利用」,北海道厚真高等学校「最終氷期ローム層の帯磁率による分帯と対比」,北海道帯広農業高等学校「積雪寒冷地における葉菜類の周年栽培を実現する省力的な管理技術,同「土壌管理法『省耕起』の導入による農地の物理的構造の変化」.
次に会員の土壌教育活動を紹介する.中部支部では7月24日に豊田市自然観察の森「土壌観察会」を主催した(参加者は大人5名,子供4名).講師は岡村穣氏(名古屋市立大学),渡辺彰氏(名古屋大学),礒井俊行氏,村野宏達氏(名城大学),橋本洋平(三重大学),中村嘉孝氏(愛知県尾張農林水産事務所),池田彰弘氏,瀧勝俊委員(愛知県農業総合試験場)の8名.同じく中部支部は岡崎北高校平成22年度コスモサイエンスコース2年生「総合的な学習の時間」の環境科学講座に講師を派遣し,土壌に関する特別講義2回とフィールドでの実験・観察を実施した(対象は2年生40名).講師は7月16日が村瀬潤氏(名古屋大学),8月20日は岡村穣氏(名古屋市立大学),浅川晋氏,村瀬潤氏,渡邊健史氏(名古屋大学),橋本洋平氏(三重大学),加藤雅彦氏(岐阜大学),日置雅之氏,瀧勝俊委員(愛知県農業総合試験場),9月28日が木村眞人氏(名古屋大学)の計9名.
土壌教育にかかわる活動をされた会員の方は支部選出の土壌教育委員までお知らせ下さい.
(日本土壌肥料学雑誌 第81巻第6号 掲載)