土壌教育委員会がかかわる活動を紹介

土壌教育活動だより 88-2

2017年4月 5日 Posted in お知らせ Posted in 土壌教育活動だより

 土壌教育委員会の教員研修・普及事業を紹介する.平成28年11月4日,埼玉県日高市中沢の雑木林において,自然体験活動指導者養成講座を保育士,幼稚園・小学校教諭の計35名を対象に実施した.福田直委員(武蔵野学院大学)が講師として参加した.講座では,「自然における土壌の役割」を講演し,森林階層構造と土壌構造,土壌断面などの観察を行った.平成28年11月26日,武蔵野学院大学・武蔵野短期大学において,「土のふしぎを考えよう」という題目で「子ども大学」を開催した.「子ども大学」は,地域の子どもを育てる仕組みを創るため,埼玉県が推進している事業である.小学校4年生~6年生(計47名)を対象に,「地球は土のわく星」,「土って何」,「土のはたらき」,「土の生きもの」,「土のしん食」,「土と食りょう」の講義と, 「いろいろな土の観察」,「土の粒子」,「土の吸着」の観察・実験を行った.参加した子どもたちからは,「土のふしぎをたくさん知り,地球の大切なものであることを学べてよかった.これから土に関心を持っていきたい」,「吸着実験で土と砂の違いがよくわかった」,「土にはまだわからない生きものがたくさん住んでいることを聞いて,土がしん食でなくなってしまうことは絶対にさけたい」といった感想が寄せられた.

 次に委員による土壌教育活動を紹介する.平成29年2月15日,那須烏山市立境小学校(栃木県那須烏山市上境)において小学4年生15名,小学5年生11名を対象に里山体験学習を実施した.講師・スタッフは,平井英明委員長(宇都宮大学),宇都宮大学農学部の大学生4名であった.人々の命を支えている土の面積を実感するために,各家庭で食べている年間のお米の重さを調べ,それを,お米の収量(精米で400 kg/10a/年)を基に面積に換算する演習を行った.その後,「なすひかり」,「こしひかり」,「ゆうだい21」について,お米の試食を行った.最後に,児童に里山と都市の写真を見せて,里山と都市の違いについて自由に感じた事柄を発表した.里山には自然が多いことがよく理解できたという声が寄せられた.

 土壌教育にかかわる活動をされた会員の方は,支部選出の土壌教育委員までお知らせ下さい.委員の連絡先は,土壌教育委員会のウェブサイトhttp://jssspn.jp/edu/の「委員のページ」をご覧ください.

(日本土壌肥料学雑誌 第88巻第2号 掲載)