土壌教育活動だより 90-5
本学会は,昨年度に引き続き,男女共同参画学協会連絡会のオブザーバー加入団体として,令和元年8月10日(土)に国立女性教育会館(埼玉県嵐山町)で開催された「女子中高生夏の学校2019」のポスター展示・キャリア相談に出展した.当日は,森圭子委員(埼玉県立川の博物館),相崎万裕美理事(JAくまがや),松浦里江理事(東京都農業振興事務所),沢田こずえ氏(東京農工大学)の4名が参加し,研究分野の紹介と土壌断面標本の展示を行うとともに,女子中高生のキャリア相談に対応した.
土壌教育委員会の活動を報告する.静岡大会1日目の9月3日(火)午後に「高校生による研究発表会」を静岡県教育委員会の後援で開催した.全国より18課題(14校)のポスター発表と多数の高校生の参加があった.学会長および大会運営委員,土壌教育委員の審査により,最優秀ポスター賞1課題(青森県立名久井農業高等学校)および優秀ポスター賞3課題(学校法人静岡理工科大学 静岡北高等学校,山形県立村山産業高等学校,大阪府立農芸高等学校)が選ばれ,当日16:30より講評ならびに表彰式が行われた.
静岡大会3日目の9月5日(木)に「土壌教育の世界標準を日本から発信する~国際土壌の10 年の取組~」と題したミニシンポジウムを開催し,9課題の発表があった.総合討論では,波多野隆介学会長(北海道大学)をはじめとする各演者から,人類共通で教えたい「土」の内容について提案いただき,土壌教育の世界標準化に向けた議論が交わされた.
次に,委員による活動を報告する。福田直顧問(武蔵野学院大学)は,7月30日(火)~31日(水)に荒川支流・入間川源流域のブナ林において,土体験・水源地観察会を開催した.簡易な土の実験を交えながら,水循環と土の保水,表土と下層土の水の浸透速度の相違,おいしい水の生成などの解説を行った.当日の参加者は,幼稚園児21名,小学生5名,高校生2名,保護者・教師9名であった.8月8日(月)~9日(火)に,狭山市学童38名,保護者3名,教師7名,看護師1名,登山ガイド2名が参加する富士山登山・自然観察会が行われた.福田顧問は,生物相の垂直分布,森林限界と気候・土との関わり,先駆植物と土壌生成などの講話を行った.
本欄では会員の皆様の土壌教育活動も紹介します.情報をお持ちの方は支部選出の土壌教育委員までお知らせください.なお,土壌教育委員会の現在の構成は公式ウェブサイトhttp://jssspn.jp/edu/の「委員」をご確認ください.
(日本土壌肥料学雑誌 第90巻第5号 掲載)