土壌教育活動だより 90-6
委員による活動を紹介する.平井英明顧問(宇都宮大学)は,2019年9月7日(土)に栃木県立博物館が主催した観察会「カレーに変身!米物語~土ってすごイネ~」(宇都宮大学農学部附属農場)に企画立案者として協力し,当日は講師として参加した.観察会には,4家族13名(大人6名と子ども7名)と大学生4名の参加があり,5 gの白米の粒の数から,カレーライス1杯(白米70 gで炊飯米150 g)に含まれる「お米の粒」の数を計算した.水田圃場では,70 gの「お米の粒」に相当するイネの株を計測し,その株数を生産するために必要な面積を実際の水田で観察した.2019年10月18日(金),埼玉県高等学校生物研究会主催の教員研修会が埼玉県立春日部高等学校で開催され,福田直顧問(武蔵野学院大学)が講師として参加した.研修では,「土壌保全と地球の未来-SDGsと土壌教育」の題目で講習を行い,講習後は土壌実験を行った.参加者は,高校教員,博物館職員,実習助手,等,53名であった.講習後のアンケート調査では,「授業に活かせる内容であった」が9割近くに達しており,講習内容や実験内容に対する反響の大きさが伺えた.
次に,支部の活動を紹介する.中部支部では2019年7月21日(日)に豊田市自然観察の森において「土壌観察会-土の不思議にせまる!-」を開催した.講師として,礒井俊行氏(名城大学),岡村穣氏(元名古屋市立大学),瀧勝俊氏(愛知県農業総合試験場),堂本晶子氏(三重県農業研究所),大門奈那子氏(同),山崎真嗣氏(岐阜県環境管理技術センター)が参加した.参加者は親子を中心に25名であった.観察会の内容は,森の中での植物と土の観察,室内実験(吸着・土壌動物),ミニモノリス作りであった.本事業は,今回で14回目の開催である.2019年8月23日(金),中部支部は同場所において,愛知県立岡崎北高等学校コスモサイエンスコース1年生(38名)を対象とした「総合的な学習の時間」を岡崎北高校と共催,名古屋大学大学院生命農学研究科協賛で開催した.内容は,フィールドでの植生・土壌断面観察と室内実験(緩衝能・呼吸・土壌動物)であった.講師は,浅川晋委員(名古屋大学),渡邉彰氏(同),村瀬潤氏(同),渡邉健史氏(同),柴原藤善氏(同),岡村穣氏(元名古屋市立大学),瀧勝俊氏(愛知県農業総合試験場)の7名が担当した.本事業の開催は,今回で10回目である.
本欄では会員の皆様の土壌教育活動も紹介します.情報をお持ちの方は支部選出の土壌教育委員までお知らせください.なお,土壌教育委員会の現在の構成は公式ウェブサイトhttp://jssspn.jp/edu/の「委員」をご確認ください.
(日本土壌肥料学雑誌 第90巻第6号 掲載)