土壌教育委員会がかかわる活動を紹介

土壌教育活動だより 93-1

2022年2月 5日 Posted in お知らせ Posted in 土壌教育活動だより

 委員による活動を報告します.豊田委員(香川大学)は,11月7日に香川県公渕森林公園において開催された,香川の森づくり活動レベルアップ講座(主催:香川県みどり整備課)森林環境教育コース「森林生態系と土壌動物の観察」の講師をつとめました.午前は日本の森林,土壌と森のつながりに関する講義後,野外実習として森林土壌の観察,落ち葉と土壌,土壌動物の採集を行いました.午後は野外実習で持ち帰った土壌から土壌動物をみつけ,森林学習展示館において,講師から土壌動物について体節の数,脚や眼の退化,脚の数など同定に関する簡単な説明があり,各自、簡易実体顕微鏡を用いた観察と同定を行いました.4グループに分かれ,土壌動物のハンドソーティングを体験し,同時に土壌動物の標本解説をグループごとに実施しました.主催者の香川県みどり整備課から参加対象者は香川県内在住の森林に関心のある18才以上,募集人数15名程度(先着順)として募集があり,当日の参加者は20代〜70代の16名でした。福田顧問(武蔵野学院大学)は,12月17日(金)に狭山市内認定こども園にて講話を行いました.この講話は,市内園長会からの依頼を受けたもので,講話の対象は園児(年長児)29名,出席者は園長,主任,担任であった.概要は主題「つちってなあに」であり,①つちってなんだろう,②つちのできかた,③つちのはたらき,④つちのけんこう,について園児による観察・実験を交えつつ,パワーポイント,土壌モノリスを使って講話し,活発な質疑応答が行われました.最後に,地球上の土の健康状況について講話した後,身近にできるSDGsへの取組について園児から様々な実践案を発表してもらいました.

 最後に会員による活動を報告します.中尾淳氏(京都府立大学)は,11月21日に京都府立植物園において開催されたサイエンスツアー「落ち葉観察 〜落ちてから土になるまで〜」(主催:京都府立大学新自然史科学創成センター)の講師をつとめました(サポートスタッフ:中井貞氏,平塚健一氏(京都府立植物園)).対象は親子連れ7組(計18名)でした.植物園会館で簡単な内容紹介の後,園内を散策し,クヌギやピンオークの雑木林で落ち葉が土の成分に変わるしくみを説明し,子供たちに落ち葉を手に取ってもらいました.その後室内に戻り,ツルグレン装置と顕微鏡を使って土壌動物(落ち葉の分解者)を探してもらいました.しばらく探索を楽しんでもらい,最後は自分で発見した生き物のイラストで缶バッジを作ってもらいました.

 本欄では会員の皆様の土壌教育活動も紹介します.情報をお持ちの方は支部選出の土壌教育委員までお知らせください.なお,土壌教育委員会の現在の構成は公式ウェブサイト http://jssspn.jp/edu/ の「委員」をご確認ください.

(日本土壌肥料学雑誌 第93巻第1号 掲載)