土壌教育活動だより 93-4
日本土壌肥料学会東京大会初日の9月13日(火)に「高校生による研究発表会」を開催します.一般発表と同様に対面でのポスター発表形式で行い,コアタイムは13:00〜14:30です.全国の高校から20課題(16校)の発表が行われます.多くの方の参加と,活発な議論をお願い致します.
土壌教育委員会の活動を報告します.土壌教育委員会は,2022年6月25日(土)に2022年度第1回土壌教育委員会をオンラインで開催しました.議事の内容は,昨年度の事業報告および2022年度の事業と予算の確認,東京大会における「高校生による研究発表会」の準備状況の確認,動画制作をはじめとする土壌教育の教材開発、土壌教育の国際ガイドラインに関する検討、土壌教育委員会のHPの更新等でした.
委員による活動を報告します.森圭子委員(埼玉県立川の博物館)は,2022年4月16日に,同博物館において体験教室「泥だんごづくり」を催しました.荒木田土をこねるところから仕上げに磨くところまでを行いました.参加者は15名でした.同委員は5月3~4日に,同博物館において,ゴールデンウィークまつりの中で「土の足ざわりを楽しもう」を開催しました.田んぼの土(沖積土)と畑(黒ボク土)を入れたコンテナの土を裸足でふみ、その足ざわりを楽しんでどちらが好きかを投票してもらいました.保護者を含む参加者は160名でした.また併せて「九州~沖縄の土」と題して土壌モノリス6本の展示を5月8日まで行いました.同委員は6月18日に同博物館において体験教室「泥染めに挑戦」を行いました.タマネギの皮を煮出し、2種類の土(田んぼの土と畑の土)を媒染剤にする方法、また赤黄色土を用いて揉み込む方法で、土の成り立ちや違いについて話しながら布を染めました.参加者は13名でした.平井顧問(宇都宮大学)は,5月10日に宇都宮市石井小学校で行われた田植え体験学習の指導を行いました.この体験授業は5年生の総合学習の時間に行われ,4クラス123名が参加しました.授業のねらいは,(1)日本人の主食である米の生産を直接体験することによって,日本における米作りの歴史や文化についての関心や理解を深める,(2)日本の米作りの現状やそれに携わる人々の苦労や工夫について理解を深める,でした.田植え作業田植え紐に添って,列を作って手植えしました.素足で代掻きをした水田に入りますので、その瞬間に歓声が上がりました.慣れてくると,スピードアップしたり,教室内では見られない子供たちの生き生きした顔と姿がみられたりしたのは,担任の先生方には新鮮であるようでした.同顧問は,6月6日,13日に,2020年に群馬大学・宇都宮大学に設置された共同教育学部の必修科目「先端課題解決科目群」にある「環境教育」の中で「土と食」と題して理論編と実践編を担当しました.受講者は群馬大学202名,宇都宮大学180名で、両大学の教育人間科学系,人文社会系,自然科学系,芸術・生活・健康系に属するすべての学生がこの授業を受講し,学系を超えてすべての学生に,環境教育の中で土壌教育を実践しました.福田顧問(武蔵野学院大学)は、5月21日に狭山市産業労働センター・雑木林で開催された,保育士・幼稚園教諭・学童支援員・小学校教諭のための養成講座「主体的な子どもの育成を目指す」(NPO法人けやの森自然塾主催、埼玉県教育委員会後援)で講師を担当しました.出席者は県内外の保育士・幼稚園教諭・小学校教諭等28名でした.概要は全体説明後,参加者の林内散策による課題発見,観察実験,ディスカッション,発表であり,「落ち葉のゆくえ」,「土壌腐植」,「菌類・カビ」,「物質循環」などの課題探究を「主体的,対話的,深い学び」の視点で実践しました.
本欄では会員の皆様の土壌教育活動も紹介します.情報をお持ちの方は支部選出の土壌教育委員までお知らせください.なお,土壌教育委員会の現在の構成は公式ウェブサイト http://jssspn.jp/edu/ の「委員」をご確認ください.
(日本土壌肥料学雑誌 第93巻第4号 掲載)