土壌教育活動だより 94-1
委員による活動を報告します.森圭子委員(埼玉県立川の博物館)は,2022年11月14日(月・埼玉県民の日)から2023年1月8日(日)まで,「気候変われば土変わる」と題して同館において5本のモノリスを展示しました.森圭子委員(同)は2022年12月3日に,同博物館において世界土壌デー記念のワークショップ「土でアート作品づくり」を催しました.4種類の土を使って小川和紙に絵を描き,パネルに貼って記念作品に仕上げ,土の色のちがいについて楽しみながら学んでいただきました.付き添いを含む参加者は24名でした.森圭子委員(同),浅野眞希委員(筑波大学)は平山良治氏(埼玉県立川の博物館)とともに国立科学博物館の日本館に常設展示されているモノリスについて解説し,世界土壌デーを記念して,国立科学博物館公式のかはくチャンネルに動画として掲載しています.同じ動画が日本土壌肥料学会・埼玉県立川の博物館・日本ペドロジー学会のホームページからも閲覧できます.動画の作成にあたっては,撮影者に加え,井上弦氏(長崎総合科学大学),柳由貴子氏(山口大学),中尾淳氏(京都府立大学)に解説者として加わっていただきました.
会員による活動を報告します.陽捷行氏(北里大学)は,「18cmの軌跡:三五館、2015」を読んだ石川県教員総合研修センター基本研修課基本研修グループから依頼を受け,11月8日に石川県の中学と高校の理科教員に「土壌に関する講義」をオンデマンドにより行いました.テーマは,1)真善美と土壌 2)土壌と文化・文明・宗教・文芸など 3)土壌と腸と脳のかかわりで,30名強の参加が有りました.満田幸恵氏(福岡県)から土壌教育動画の利用について次のように報告を頂きました.福岡県では,農林事務所普及指導センターに配属となった1年目の職員を対象に,農業技術指導に必要な土壌肥料に関する研修を3日間の日程で実施しています.土壌断面の調査方法についての研修の際は,名城大学村野宏達先生よりお譲りいただいた「土壌教育動画06:土壌の断面調査」を活用し,研修生からは,動画により理解が深まったとの感想もいただきました.3日間の研修を通しては、受講生より「今後は土壌にも着目し技術支援に携わりたい」,「職場にある器具で今後は土壌調査を実施したい」コメントを頂戴し,研修によりレベルアップできたことが把握できました.今後,受講生が土壌肥料に着目し,農業普及現場での課題解決に取り組むことを期待いたします.
本欄では会員の皆様の土壌教育活動も紹介します.情報をお持ちの方は支部選出の土壌教育委員までお知らせください.なお,土壌教育委員会の現在の構成は公式ウェブサイト http://jssspn.jp/edu/ の「委員」をご確認ください.
(日本土壌肥料学雑誌 第94巻第1号 掲載)