土壌教育委員会がかかわる活動を紹介

土壌教育活動だより 94-4

2023年8月 5日 Posted in お知らせ Posted in 土壌教育活動だより

 日本土壌肥料学会愛媛大会では「高校生による研究発表会」をハイブリッド形式で開催いたします.対面での発表のコアタイムは初日の9月12日(火)12:00~13:30にJ会場(共通講義棟A 4階 アクティブラーニングルーム)で実施します.また, LINC Biz内において一般公演のポスター発表と同期間にオンライン発表を実施します.対面での発表は12課題,オンラインの発表は18課題です.多くの方の参加と,活発な議論をお願い致します.

 土壌教育委員会の活動を報告します.土壌教育委員会は,2023年6月24日(土)に2023年度第1回土壌教育委員会をオンラインで開催しました.議事の内容は,昨年度の事業報告および今年度の事業と予算の確認,愛媛大会における「高校生による研究発表会」の準備状況の確認,動画制作をはじめとする土壌教育の教材開発,土壌教育委員会のHPの更新等でした.

 委員および会員による土壌教育活動を報告します.森圭子委員(埼玉県立川の博物館)は,3月4日に同博物館において企画展関連イベントとして「土は生きている?」を開催しました.大型土壌動物と中型土壌動物の調べ方を紹介し,肉眼や顕微鏡を使って観察しました.参加者は28名でした.3月22日~5月23日まで,埼玉県比企郡ときがわ町の文化センターロビー展示場において,埼玉県立川の博物館企画展「土ウォッチング」の巡回展示として「土ウォッチングinときがわ町」を開催しました.モノリスを中心に,土のなりたちや,地形との関連などを紹介しました.同委員は,4月22日に埼玉県立川の博物館において「泥染めに挑戦」を行いました.タマネギの皮を煮出し、2種類の土(田んぼの土と畑の土)を媒染剤にする方法、また赤黄色土を用いて揉み込む方法で,土の成り立ちや違いについて話しながら布を染めました.参加者は10名でした.同委員は5月3~4日に,同博物館のゴールデンウィークまつりの中で「土の足ざわりを楽しもう」を開催しました.田んぼの土(沖積土)と畑(黒ボク土)を入れたコンテナの土を裸足でふみ,その足ざわりを楽しんでどちらが好きかを投票してもらいました.保護者を含む参加者は159名でした.また併せて「森の土」と題して土壌モノリス5本の展示を5月8日まで行いました.同委員は5月20日に同博物館において体験教室「泥だんごづくり」を催しました.荒木田土をこねるところから仕上げに磨くところまでを行いました.参加者は22名でした.福田直顧問(武蔵野学院大学)は5月20日にNPO法人けやの森自然塾主催の「識る学ぶ楽しむ 自然の講座(指導者養成講座)」(埼玉県教育委員会後援)において講師を務め,「ナラ枯れから考える環境教育」の講義を行い,ナラ枯れ現象を取り上げる中で,里山の人々の関わりの変遷と自然・土壌への影響について講義しました.参加者は小・中学校教師,指導主事,出版社,放送関係者など35名でした.谷昌幸氏(帯広畜産大学)が,JICA「持続的農業生産のための土壌診断と土壌改良技術(5月18日〜7月24日)」において,コースリーダーを務め研修を実施しています.土壌肥料学会会員関連分の内容(6月末まで)は以下の通りです.5月26日:石黒究氏(道総研十勝農試)「北海道における農業技術の開発と普及」,5月30日:谷昌幸氏(帯広畜産大学)「土壌診断における物理性評価と改良対策」,「土壌診断における養分含量評価と施肥改善」,5月31〜6月1日:小崎隆氏(愛知大学)「熱帯土壌の特性と問題点・熱帯地域における土壌診断環境保全」,6月5日:谷昌幸氏,島田絋明氏(帯広畜産大学)「土壌調査の方法」,6月6日〜6月8日:谷昌幸氏,島田絋明氏(帯広畜産大学),丹羽勝久委員((株)ズコーシャ)「土壌断面調査」,6月12日〜6月15日,6月22〜23日:谷昌幸氏,島田絋明氏(帯広畜産大学)「土壌化学性分析」,6月29日:丹羽勝久委員((株)ズコーシャ)「土壌の物理性分析(応用研修)」.丹羽勝久委員((株)ズコーシャ)は6月24日に「千曲川ワインアカデミー(千曲川ワインアカデミー | アルカンヴィーニュ 日本ワイン農業研究所 (jw-arc.co.jp)」に出講し,37名のワイナリー開設等を検討している受講生を対象とし,土壌診断について説明しました.また,アカデミー周辺の土壌断面を2箇所観察しました.石黒究氏(道総研十勝農試)は,北海道帯広農業高等学校で出前講義を行いました.ホクレン帯広支所と十勝農業試験場では秋まき小麦の安定生産に向けた可変播種技術の開発を行っており,その一環で、試験区を帯広農業高校に設置し,帯広農業高校の生徒と一緒に起生期~止葉期の生育調査を行っています. 6月23日にはこれまでの生育調査の振り返りと,麦の安定生産に向けた栽培法について講義を行い,圃場観察から麦の適正な播種量および微地形が麦の生育に与える影響について一緒に議論しました.なお,この活動は,十勝毎日新聞の取材を受け,記事にしていただきました.

 本欄では会員の皆様の土壌教育活動も紹介します.情報をお持ちの方は支部選出の土壌教育委員までお知らせください.なお,土壌教育委員会の現在の構成は公式ウェブサイト http://jssspn.jp/edu/ の「委員」をご確認ください.

(日本土壌肥料学雑誌 第94巻第4号 掲載)