土壌教育委員会がかかわる活動を紹介

土壌教育活動だより 93-2

2022年4月 5日 Posted in お知らせ Posted in 土壌教育活動だより

 委員による活動を報告します.森圭子委員(埼玉県立川の博物館)は,2021年10月16日に,同博物館において体験教室「土の中の生き物を探せ!」を催しました.参加者は7名でした.土の採取,ハンドソーティングによる大型土壌動物の観察,ツルグレン装置による中型土壌動物の観察を行いました. 2021年11月1日に,埼玉県深谷市の小学校において,同委員が出前授業「地面をつくる土の粒と雨水の行方」を行いました.校内の土を用いて水の浸み込み方を調べました.同博物館において, 2021年11月14日~2022年1月4日まで,同委員は,「カラフルで模様つきの土?!」と題してモノリス展示を行いました.この展示の解説動画を世界土壌デー記念として作成し,同館ウェブサイトから閲覧できます.2021年11月28日に,同博物館において,同委員はワークショップ「土のすきまを調べよう」を催しました.参加者は24名でした.水槽と土壌コアを用いて,土のすきまを調べる実験のデモンストレーションをおいおないました.森圭子委員(同),浅野眞希委員(筑波大学),藤井一至氏(森林総合研究所),平山良治氏(埼玉県立川の博物館),加藤拓氏(東京農業大学)は,世界土壌デーを記念して,国立科学博物館の日本館に常設展示されているモノリスについて解説した動画「国立科学博物館の土壌モノリス標本で土について学ぼう!2021版」を作成しました.動画は,国立科学博物館公式のかはくチャンネル,日本土壌肥料学会公式ウェブサイト(http://jssspn.jp/info/notice/notice/post-4.html)から閲覧できます.森圭子委員(同)は,12月5日(日)13:30~15:30に「世界土壌デー記念・土でアート作品づくり」を行いました.4種類の土を使い,パネルに貼った小川和紙に絵を描き,土の色のちがいについて楽しみながら学んでいただきました.付き添いを含む参加者は17名でした.埼玉県内の中学校において,2022年2月8日に,同委員は「土」をテーマに出前授業を行いました.土の成り立ちや役割などについて,モノリスの観察と併せて講義しました.丹羽勝久委員((株)ズコーシャ)は,2022年2月19日にオンラインで開催された「地球温暖化防止セミナー」(十勝総合振興局主催)において,「土づくりが温室効果ガスを削減??〜作物生産と環境の調査を目指して〜」のテーマで講演を行いました.このセミナーは,地球温暖化やSDGsのことを知ることを目的に行われ,同委員は、農業分野の中でも特に畑地土壌からN2Oが温室効果ガスとして発生しているが,土づくりにより作物が元気になれば窒素吸収効率が上がりN2Oの発生量が少なくなること,作物生産向上のための排水改良がN2O削減に貢献すること等を報告しました.また、土壌に関連するSDGsの目標を紹介しました.

 最後に会員による活動を報告します.松中照夫氏(酪農学園大学名誉教授)は2021年度いしかり市民カレッジにおいて,令和3年度まちの先生企画講座「家庭菜園の土の健康診断をしてみよう」の講師をつとめました.講座は4回シリーズで,第1回「良い土とはどんな土?−家庭菜園の土のチェックポイント4つ」(10月8日:受講者16名),第2回 土の厚みと硬さ、排水と水持ちの良否を調べる(10月15日:受講者18名),第3回「土の酸性度(pH)と作物の栄養分の良否を調べる」(10月22日:受講者18名),第4回「家庭菜園の土を良い土にするための対策」(10月29日:受講者19名)が,石狩市公民館で行われました.受講者は熟年の家庭菜園愛好家の方々で,毎回宿題を出し、その宿題をやって次回の講座へ来るというしくみで,単純な座学ではないことから,受講生の方々も満足されていたようでした.講座の内容は「いしかり市民カレッジ」のウェブサイトで見ることが出来ます.(リンク先:第1回第2回第3回第4回

(日本土壌肥料学雑誌 第93巻第2号 掲載)