土壌教育委員会がかかわる活動を紹介

土壌教育活動だより 85-5

2014年10月 5日 Posted in お知らせ Posted in 土壌教育活動だより

 土壌教育委員会では,2014年2月に発行した新版「土壌の観察・実験テキスト-土壌を調べよう!-」を8月に1000部,増刷した.増刷にあたり,表紙および裏表紙に「2015国際土壌年(International Year of Soils 2015)」の解説を記載した.9月9~11日に開催された日本土壌肥料学会2014年東京大会において,約450部が配布された.今後,各地の観察会やイベントで活用することを目的に,希望する会員への配布も行う.

 日本土壌肥料学会2014年度東京大会開催期間中の9月9日(大会1日目)に,「高校生ポスター発表会」を東京農工大学小金井キャンパス科学博物館3Fで開催した,全国の高等学校から9課題(5校)が発表された.発表コアタイムを1時間設け,高校生と会員との活発な議論が交わされた.コアタイム終了後,小﨑隆会長(首都大学)より賞状および記念品の授与が行われた.最後に,平井英明委員長(宇都宮大学)より講評があった.土壌教育委員会では,来年9月に京都での高校生ポスター発表会開催を予定している.

 委員による活動を紹介する.平井英明委員長(宇都宮大学)・赤羽幾子委員(農環研)は,9月6日に宇都宮大学農学部附属農場(栃木県真岡市)において,「土と肥料の微妙な関係」を開催した(栃木県立博物館と共催).参加者は4家族(大人6名,子ども6名)であった.また,栃木県教育委員会の指導主事の参加もいただいた.実施内容は,1)肥培管理の異なる試験田からコシヒカリとゆうだい21を掘り取り,1株あたりの籾数を数える,2)1株(3粒のお米)の籾数から,1粒のお米が何倍に増えるかを計算する,3)1年間に消費しているお米の量を計算する,4)1年間に食べているお米の面積を地面に描く,5)掘り出した稲株についている土のにおいを嗅いだり,色を観察する,6)掘り出した稲株の根元を洗い,根を観察する,であった.参加者は稲の穂数を実測することで,年間にどのくらいお米を消費するか,またお米を栽培するためにはどのくらいの面積が必要かを体感していた.また,異なる肥培管理で栽培された稲や土を観察することで,土作りと農作物の生育との関係について理解が深まったようだった.平井英明委員長(宇都宮大学)は,日本土壌肥料学会2014年東京大会におけるシンポジウム「『新たな土壌-社会関係を探して』-国際土壌年(IYS)2015に向けて-」において,「土を教える活動からわかったこと」を講演し,小学校低学年における土壌教育の重要性を小・中・高・大学生に実施した土に関するアンケート調査結果を用いて報告した.

 土壌教育にかかわる活動をされた会員の方は,支部選出の土壌教育委員までお知らせ下さい.委員の連絡先は,土壌教育委員会のウェブサイトhttp://jssspn.jp/edu/の「委員のページ」をご覧ください.

(日本土壌肥料学雑誌 第85巻第5号 掲載)