土壌教育委員会がかかわる活動を紹介

土壌教育活動だより 86-2

2015年4月 5日 Posted in お知らせ Posted in 土壌教育活動だより

 土壌教育委員会の事業および委員による土壌教育活動を紹介する.

 平成27年1月29日,小崎隆会長(首都大学東京),平井英明委員長(宇都宮大学)が文部科学省初等中等教育局を訪問し,学習指導要領の次期改訂に向けた「土壌教育に関する要望書」を提出した.要望内容は,学習指導要領の中に,土壌に関する指導項目を盛り込むこととした.指導項目の詳細は以下に示す.①小学校においては,第3学年の理科で1998年に削除された「石と土」の項目を学習指導要領に復活すること,②中学校においては,理科第2分野の中で土壌動物に触れる際に,「土壌呼吸」を関連する項目として取り上げること,③高等学校においては,「土壌断面」を生物基礎,あるいは生物において取り上げること.

 平成27年2月18日,栃木県那須烏山市境小学校において,里山授業を平井英明委員長(宇都宮大学)が行った.参加者は小学校4年生10名,教員2名,宇都宮大農学部土壌学研究室の3年生2名がボランティア参加した.授業内容は,次のとおりであった.一年間に家族で食べているお米の重さと,そのお米を生産している水田の面積を計算した.次に体育館に移動して,水田の面積(4 a)を実感するために,一辺20 mの正方形を10 mの位置にカラーコーンを置きながら描いた.描いたカラーコーンを目印として,20メートル競走をしたり,鬼ごっこをしたりしてお米を生産している水田の面積を実感した.その後,里山で栽培した3種類のお米(コシヒカリ,なすひかり,ゆうだい21)の食味検査を行った.最後に,里山と都市の違いを自由に発言してもらい,里山には自然がいっぱいであるとともにエネルギーにあふれていることとそれらを支えている土の重要性を伝達した.

 土壌教育にかかわる活動をされた会員の方は,支部選出の土壌教育委員までお知らせ下さい.委員の連絡先は,土壌教育委員会のウェブサイトhttp://jssspn.jp/edu/の「委員のページ」をご覧ください.

(日本土壌肥料学雑誌 第86巻第2号 掲載)