土壌教育委員会がかかわる活動を紹介

土壌教育活動だより 92-5

2021年10月 5日 Posted in お知らせ Posted in 土壌教育活動だより

 委員による活動を報告します.7月11日に、丹羽委員(株式会社ズコーシャ)が千曲川ワインアカデミー(主催者:日本ワイン農業研究所「アルカンヴィーニュ」)において,「日本の土壌とワインづくり」の講座の講師をつとめました.講座は、ワイナリー,ヴィンヤード開設を希望していたり,ワインに関する造詣を深めたい受講生(会場参加23名,オンライン参加28名)を対象とし,座学で日本の土壌の特徴,醸造用ぶどうに関連する施肥標準と土壌診断,土壌水分と醸造用ぶどうの糖度・酸度との関係,さらに有機農業を科学的視点で解説しました.現地実習(会場参加者のみ)として開催場所周辺区域の土壌断面(黒ボク土、灰色台地土)を観察しました.7月24日(土)~7月30日(金)の9:30~12:00の間,狭山市内15小学校の児童(第4学年~第6学年)を対象とした科学実験教室「土の教室−土のふしぎを解き明かそう!」(各20名募集)を開催し(子どもゆめ基金助成,狭山市教育委員会後援),福田顧問が講師をつとめました(指導協力者2名).総計66名の参加があり,新型コロナウィルスによる感染症や熱中症などの防止に万全を期して,狭山市立水富公民館で実践しました.内容は,土の保水能や浄化能,土壌動物,地面の傾き・土の粒の大きさと水の流れ方・しみ込み方などを探究する観察・実験,話し合い・発表などを行いました.アンケート調査から,「楽しかった」,「土の理解が進んだ」,「土の実験が面白く,わかりやすかった」などとした児童が多く,ほぼ全員から「土に興味を持った」との感想があり,大きな収穫となりました.森圭子委員(埼玉県立川の博物館)は埼玉県立川の博物館において2021年7月25日から8月30日まで,「日本を代表する土、ちょっと珍しい土」と題してモノリス5点の展示を行いました.

 支部における活動を報告します.中部支部では,7月18(日)に豊田市自然観察の森において「夏休みの自由研究に!土の不思議に迫る」を開催しました.参加者は,新型コロナ対応のため例年の半数程度に絞り,親子を中心に12名でした.講師は,礒井俊行氏・村野宏達氏(名城大学),岡村穣氏(元名古屋市立大学),小山博之氏(岐阜大学),瀧勝俊氏(愛知県農業総合試験場),山崎真嗣氏(岐阜県環境管理技術センター)の6名でした.内容は,森の中での植物と土の観察,室内実験(吸着・土壌動物),ミニモノリス作りでした.この事業は今回が15回目です.

 本欄では会員の皆様の土壌教育活動も紹介します.情報をお持ちの方は支部選出の土壌教育委員までお知らせください.なお,土壌教育委員会の現在の構成は公式ウェブサイト http://jssspn.jp/edu/ の「委員」をご確認ください.

(日本土壌肥料学雑誌 第92巻第5号 掲載)