土壌教育委員会がかかわる活動を紹介

土壌教育活動だより 92-6

2021年12月 5日 Posted in お知らせ Posted in 土壌教育活動だより

 日本土壌肥料学会2021年度北海道大会では1日目の2021年9月14日(火)に北海道教育委員会の後援を受け,恒例の「高校生による研究発表会」を開催しました.開催方法は昨年度に引き続きLINK Bizを用いたオンライン発表となりました.コロナウイルスの影響により課外活動が制限を受ける中ですが,昨年度の12課題を上回る18課題(10校)の発表申込が全国からありました.発表会当日のコアタイム,そしてコアタイム以外の時間にも,北海道大会一般参加者延べ99名から,各発表課題のポスターや発表動画に対してコメントが寄せられ,チャット機能を活用した熱心な質疑応答が行われました.会長,大会運営委員長および土壌教育委員による審査の結果,最優秀賞として「トマトの水耕栽培により排出される根の残渣活用に関する研究―シマミミズによるリンの循環-(愛知県立安城農林高等学校 園芸科 施設野菜研修班 ),優秀賞として「ドローンを利用した土壌の乾燥過程マップの作成」(北海道士幌高等学校 アグリビジネス科),「エコロジカルサニテーショントイレによる糞便の堆肥化」(宮城県仙台二華高等学校 グローバルスタディ課題研究Ⅲ),「キシャヤスデの物理運動について」(山梨英和高等学校 自然科学部)が選ばれました.また,全課題に発表証明書を授与しました.全体の発表に関する講評および一部の受賞者の写真を土壌教育委員会のHPに掲載しています.

 委員による活動を報告します.10月26日(火)に,狭山市内小学校の招聘講師(狭山市教育委員会)として福田顧問が出前授業を担当しました.第4学年3クラス(各クラス27名の合計81名)の「総合的な学習の時間」の授業を担当し、「土砂災害の起こるしくみから防災を考える」を実践しました.土壌モノリスによる断面観察及び表土・下層土・砂の違い(五感),土壌中の水移動観察,土砂崩れモデル実験(傾斜角と水量)などを行った後,児童らは観察・実験のまとめ,ハザードマップや土砂災害の前兆現象,雨量と災害発生状況などを参考にしながら防災についてのグループ討論,質疑,まとめ,発表を行いました.授業後の自由記載文から,多くの児童らは土砂災害発生のしくみを科学的に捉えて,防災の意義を深く学んでいたことが伺えました.

 本欄では会員の皆様の土壌教育活動も紹介します.情報をお持ちの方は支部選出の土壌教育委員までお知らせください.なお,土壌教育委員会の現在の構成は公式ウェブサイト http://jssspn.jp/edu/ の「委員」をご確認ください.

(日本土壌肥料学雑誌 第92巻第6号 掲載)