土壌教育委員会がかかわる活動を紹介

土壌教育活動だより 94-6

2023年12月 5日 Posted in お知らせ Posted in 土壌教育活動だより

 日本土壌肥料学会2023年度愛媛大会では1日目の2023年9月12日(火)に,恒例の「高校生による研究発表会」を愛媛大学城北キャンパス共通講義棟A 4階のポスター発表会場にて開催しました.当日は全国から9校12課題の発表がありました.約20名の高校生はポスターの前で研究内容を説明し,大会参加者からの専門的な質問やコメントを受けて,熱心な議論を行いました.90分のコアタイムを越えても活発な質疑応答が続いていました.藤原土壌肥料学会長(東京大学),上野大会運営委員長(愛媛大学),および土壌教育委員による審査の結果,最優秀ポスター賞1課題(発表番号H-S02 広島県立西条農業高等学校),および優秀ポスター賞2課題(発表番号H-S05 愛媛県立伊予農業高等学校,発表番号H-S08 山形県立村山産業高等学校)が選ばれました.当日午後に行われた表彰式では,土壌肥料学会長と大会運営委員長,森土壌教育委員長(埼玉県立川の博物館)より講評があり,森土壌教育委員長より全発表課題に対して発表証明書と参加賞が手渡されました.次いで,藤原会長より最優秀ポスター賞および優秀ポスター賞の表彰状,副賞が授与されました.発表会・表彰式などの写真は後日掲載いたします.一方,オンライン発表は,やはり全国から10校18課題が参加し,9月7日から9月18日までLINC Biz内で発表が行われ,期間中にチャット形式で質疑応答が行われました.オンライン発表に対しても審査を行い,最優秀オンラインポスター賞1課題(発表番号H-L17長野県松本深志高等学校),および優秀オンラインポスター賞2課題(発表番号H-L04青森県立名久井農業高等学校,H-L12愛知県立佐屋高等学校)が選ばれました.

 委員による活動を報告します.福田顧問(武蔵野学院大学)は,7月25日~27日に開催された「子どもゆめ基金助成活動―人々の生活と川の環境との関係を調べよう」(狭山市教育委員会後援)において,7月27日(木)の「河川植物と土壌」(狭山市立水富公民館)の講師を務めました.出席者は小学校4年生~6年生19名で,河川敷植物の在来種・外来種の種別及び被度調査と人為攪乱との関わりを調べ、土壌攪乱と植生を取り上げました.なお,「子どもゆめ基金ガイド2023」(国立行政法人国立青少年教育振興機構)に令和4年度助成活動事例「科学体験」として,「土の教室」が掲載されました.平井顧問(宇都宮大学)は9月27日(水)に行われた宇都宮市立石井小学校における総合的な学習「米作り体験」のゲストティーチャーを務めました.出席者は,5年生115名でした.この体験学習の目的は、(1)日本人の主食である米の生産を直接体験することによって,日本における米作りの歴史や文化についての関心や理解を深める,(2)日本の米作りの現状やそれに携わる人々の苦労や工夫について理解を深める,でした.5月の「田植え体験」で手植えしたイネ株の周囲をスコップで掘る体験を児童が行い,その作土付きのイネ株をポリ製のバケツに移して教室に持ち帰り,次の実験を行いました.(1)土のついたイネ株の重さの測定,(2)イネ一株の籾数の計測,(3)お茶碗一杯のご飯150グラム(約3750粒)を食べるためのイネの株数の計算,(4)春に田植えした3粒の籾が収穫時に何倍になったのかを計算しました.

 本欄では会員の皆様の土壌教育活動も紹介します.情報をお持ちの方は支部選出の土壌教育委員までお知らせください.なお,土壌教育委員会の現在の構成は公式ウェブサイト http://jssspn.jp/edu/ の「委員」をご確認ください.

(日本土壌肥料学雑誌 第94巻第6号 掲載)