土壌教育委員会がかかわる活動を紹介

土壌教育活動だより 84-4

2013年8月 5日 Posted in お知らせ Posted in 土壌教育活動だより

 土壌教育委員会の活動を紹介します.平成25年5月21日に埼玉県立川の博物館において土壌研修会を実施しました(参加者は小学校教諭6名,中学校教諭1名,高校実習助手3名,一般大人6名).講師は平山良治氏(埼玉県立川の博物館),福田直氏(土壌教育委員長)でした.内容は、野外の断面およびモノリスを使った土壌断面の解説,土壌の吸着能・保水能の実験,土壌動物の観察でした.

 次に,会員による活動を紹介します.平成25年6月1日に宇都宮大学農学部附属農場において,栃木県立博物館と共同で実施している「生きている土~その世界を探る」(講師:宇都宮大学農学部 平井英明氏)が実施されました(参加者は小学生3名,幼児1名,大人3名,大学生3名,博物館担当者4名).その内容は,1)土壌の断面に直接触れて,の手触り・土色・硬さを観察し,鉛筆で土壌断面を模写する,2)落葉をめくりながら,分解程度の異なる落葉を白いバットに並べ、発見した小動物をポータブルの顕微鏡で観察する,3)森林表層土を100 mLの円筒管に採取し,ラップで包んで透明な水槽に入れた後,針でラップに小さな穴をあけ,その穴から出てくる泡を観察し,土壌中に含まれている空気を実感する,4)水田で水稲の苗を植え,素足で水田の土壌の感触を実感する,でした.その様子は,博物館ブログ(http://www.muse.pref.tochigi.lg.jp/news/2013/06/post_171.html)に掲載されています.また,平成24年6月15日に作新学院高等学校のスーパーサイエンスハイスクール(SSH)が実施され,その中の一つの講座として「土と肥料とイネの生育の微妙な関係を調べてみる」が宇都宮大学農学部附属農場において実施されました(講師:平井英明氏.参加者は,高校1年生16名,教諭2名).実施内容は以下のとおりでした.1)試験田において観察を希望する肥培管理が施されている水田を自ら選定し,その水田の土壌の観察や生育しているイネの茎数や草丈を測定する,2)日本人が1年間に消費している精米の平均値を基にして,1年間に日本人が食べているお米の面積を実測データから推測し,それを地面に描く.参加者が水田に素足で入り,稲の茎の数や草丈を実測することにより,土の感触や水稲生育に肥料がどのように貢献しているかを身体で実感し,数値データより推測することによって,実感を伴いながら理解が進み,土壌や肥料の果たす役割への関心が高まったようでした.

 土壌教育委員会では,平成25年度の事業として,日本土壌肥料学会名古屋大会において「海外の土壌教育の報告から日本の土壌教育を考える。」と題したミニシンポを開催いたします.日時は9月11日10時30分から11時45分まで,発表者は,藤間充氏(山口大),矢内純太氏(京都府立大),大倉利明氏(農環研),福田委員を予定しています.会員の皆様方の多数の参加をお待ちしております.また、同大会において,高校生ポスター発表を企画いたします.日時は,9月11日16時30分~17時30分です.遠方など事情により会場まで来られない場合は,掲示のみの発表でも結構です.会員の皆様方からのご案内を是非お願いいたします(詳細は土壌教育委員会のウェブサイトhttp://jssspn.jp/edu/「高校生ポスター発表会のお知らせ」をご覧ください.).

 土壌教育にかかわる活動をされた会員の方は,支部選出の土壌教育委員までお知らせ下さい.委員の連絡先は,土壌教育委員会のウェブサイトhttp://jssspn.jp/edu/の「委員のページ」をご覧ください.

(日本土壌肥料学雑誌 第84巻第4号 掲載)