土壌教育委員会がかかわる活動を紹介

観察会などで使用できるワークシート(その2)

2017年10月11日 Posted in 出版物・教材

初等中等教育段階における土壌の教育の推進には,学校教育現場において「土」を教材として活用し,児童生徒に土の性質や機能を実感を伴いながら伝えることが必要です。

すでに先行して5つのワークシートを掲載しておりますが,引き続いて,学校及び社会における土壌教育実践講座 : 2.土壌断面と農地の生産力から土壌の重要性を伝える野外観察の手引き(平井ら,2014)の中で使用された5枚のワークシートを公開いたします。

これらのワークシートは主食である「米」とつながりが深い観察・実験を選定しています。それぞれのワークシートを使用する際の児童生徒への説明については, 上記の文献および以下の説明文を参照くださいますようお願いいたします。

落ち葉の観察」では,一見しただけでは気づきにくい「落ち葉が土の中にいる生物によって分解されて土になっていく様子」を,実感をともないながら理解することを目的にしています。

土に含まれる空気を調べる」では,落ち葉を分解する生きものが住む場所が土の中にあることを,土の中の空気を調べることから理解することを目的としています。さらに,「土や砂に水を通す実験」では,土に水を通したときに,すべての水がしみだしてくるわけではなくて,水が土の中に保たれる様子を,実感を伴いながら観察します。これら「土に含まれる空気を調べる」と「土や砂に水を通す実験」から,土の中のすき間に水がしみ込んで保たれることを説明できます。そして「土壌断面の観察」では,水を保つ土がとても深くまで続いている様子を観察し,主食であるお米をもたらしてくれるイネを育てるために必要不可欠な水を森の土が与えてくれることを説明します。

必要な田んぼの面積を考える」では,実際にイネを生産している田んぼを目の前にしながら,一人が一年間に食べているお米の面積を計算して,命を支えてくれている田んぼの面積を方眼紙に描き,それを田んぼに描く観察実験を行います。この取り組みを通じて,一年間一人一人を支えてくれている田んぼの面積について,実感を伴いながら説明することができます。

どうぞ,ご活用ください(ファイルを微修正しました 2017/12/15)。

土壌教育委員会:平井英明