学会創立100周年関連情報
2025年7月26日 に本学会と日本学術会議との共催で公開シンポジウム「Soil Health とは? 土壌の健康の理解・維持向上・共有」が日本学術会議講堂およびZoom ウェビナーでのハイブリッド形式で開催されました。参加者は、会場への参加者が95 名、Zoom ウェビナーでの参加者が最大383 名(同時接続の画面確認値)の、合計478 名でした。また、アンケートは、Google フォームでは71 件、ウェビナーでは194 件の、合計265 件の回答がありました。
シンポジウムでは、近年、世界中で顕在化している様々な土壌劣化により日本を含む世界中のさまざまな地域で「土壌の健康」が損なわれており、この事実を認識し、将来の土壌の健康の維持向上のための道筋について下記13の講演と議論が行われ、大きなトラブルや妨害も無く無事終了しました。講演の概要は、日本土壌肥料学雑誌の資料として掲載される予定です。また、各講演のプレゼンテーション動画を学会YouTubeチャンネルにて公開する予定です。
本シンポジウムを無事に終えることができましたことについて、関係者各位と講演者の皆様、参加者の皆様のご協力に心から感謝いたします。
第1部 「土壌の健康とは?」
・藤井一至(福島国際研究教育機構 土壌ホメオスタシス研究ユニット長)『今なぜ土壌の健康なのか? 期待と課題』
・小松﨑将一(茨城大学農学部附属国際フィールド農学センター 教授)『土壌健康の向上と気候変動緩和が連携する持続可能な土壌管理 ―大学農場における長期畑輪作栽培が示す知見―』
・犬伏和之(東京農業大学 教授・千葉大学 名誉教授)『水田微生物がもたらす土壌の健康』
・北島薫(京都大学大学院農学研究科 教授)『生態学からソイルヘルスへの期待』
第2部 「土壌の健康を向上させるイノベーション」
・金子信博(横浜国立大学 名誉教授・福島大学 名誉教授)『不耕起草生栽培の科学』
・中塚博子(東京農業大学農学部 准教授)『土壌の健康を支える土壌の構造』
・矢内純太(京都府立大学大学院生命環境科学研究科 教授)『日本や東南アジアの水田土壌の肥沃度変化と土壌の健康』
・渡辺京子(玉川大学農学部 教授)『バナナプランテーションにおける土壌病害』
・竹山春子(早稲田大学理工学術院 教授)『農業土壌微生物アトラスの構築と生物因子から見た農業土壌健康度』
第3部 「土壌の健康を共有するために」
・水田勝利(ケンタッキー大学土壌植物学科 助教)『米国における Soil Health の取り組み』
・Bellingrath 木村園子 Dorothea(ZALF土地利用およびガバナンス領域長・フンボルト大学ベルリン生命科学学部農学園芸科 教授)『EUにおけるSoil Healthの取り組み』
・森 圭子(埼玉県立川の博物館学芸 グループマネージャー)『小学校教育における「土」の認識』
・太田和彦(南山大学総合政策学部 准教授・総合地球環境学研究所客員 准教授)『Soil Healthに向けた社会的合意のための土壌倫理』