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事務局より

2024年度「土と肥料」の講演会 開催概要(2024.5.18)

 2024年5月18日(土)に東京大学山上会館にて開催された通常総会後に、「土と肥料」の講演会が同会場で行われ、44名の参加者がありました。また、会員および賛助会員所属者限定対象のオンライン配信の試行に26名(事前申込47名)が参加しました。

 近年、社会全体でデジタル化に向けた取り組みが行われていますが、農業も例外ではなく生産から流通・販売までの様々な場面でデジタル化の実現が検討されています。立地条件や栽培履歴などが多様な圃場で展開される農業において、デジタル化によって適切な土壌管理や施肥の効率化を図るためには気象や養分状態など多様な情報が不可欠です。そのため、圃場や土壌情報の収集や提供手法、モデルによる有機物分解や養分の動態予測などが重要なツールとなります。そこで本年度「土と肥料」の講演会では、「土壌管理のデジタル化を目指して」をテーマとして、農業のデジタル化実現を目指して取り組まれている事例について、2名の方々にご講演頂きました。

 丹羽 勝久 氏(株式会社ズコーシャ)には「リモートセンシング技術を活用した土壌情報の面的評価」についてご講演頂きました。丹羽氏は、土壌腐植含量と熱水抽出性窒素との間に見られる正の相関関係に基づき、ドローンを用いた表層土壌のセンシングから圃場内の窒素肥沃度のばらつきを把握し、窒素可変施肥マップを作成し、可変施肥機につなげるシステムについて紹介されました。また多時期衛星画像を用いた作物生育阻害要因の推定についてもご説明されました。


20240610_f01.jpg 丹羽 勝久 氏


 朝田 景 氏(農研機構農業環境研究部門 土壌環境管理研究領域)には「土壌の窒素見える化ツールの開発と適切な窒素施肥に向けた活用」についてご講演頂きました。土壌の種類によらず広くモデルを使用するため、既存モデルの改良や検証をされていること、また広域の窒素動態をモデル予測する際の負担を減らすために各種データベースの作成をされていることについてご説明されました。また、ユーザビリティを向上させるために開発されたツールのご紹介もされました。


20240610_f02.jpg 朝田 景 氏


 本講演会は、土壌管理のデジタル化を考える貴重な機会となりました。講演者と参加者の皆様に感謝申し上げます。

 なお、講演要旨およびスライドは、後日学会ホームページに掲載予定です。


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