土壌教育活動だより 95-5
日本土壌肥料学会福岡大会では「高校生による研究発表会」をハイブリッド形式で開催いたしました.対面での発表は大会初日の9月3日(火)12:00~13:30にC会場で行いました.当日は全国から12校13課題の発表がありました.約30名の高校生はポスターの前で研究内容を説明し,大会参加者からの専門的な質問やコメントを受けて,熱心な議論を行いました.藤原土壌肥料学会長(東京大学),および土壌教育委員による審査の結果,最優秀ポスター賞1課題(発表番号H-S09広島県立西条農業高等学校 自然科学部),および優秀ポスター賞2課題(発表番号H-S02浅野中学・高等学校 浅野学園生物部,発表番号H-S08福岡県立糸島農業高等学校 地域イノベーション同好会)が選ばれました.発表会後に行われた表彰式では,藤原土壌肥料学会長と藤間土壌教育副委員長(山口大学)より講評があり,藤間土壌教育副委員長より全発表課題に対して発表証明書と参加賞が手渡されました.次いで,藤原会長より最優秀ポスター賞および優秀ポスター賞の表彰状,副賞が授与されました.発表会・表彰式などの写真は後日土壌教育委員会のHPに掲載いたします.また, Slackを用いたオンライン発表は9月3日(火)~8日(日)に行い,期間中にチャット形式で質疑応答が行われました.3校4課題の発表がありました.発表期間終了後に土壌教育委員会で優秀ポスター賞の審査を行いました.受賞課題は土壌教育委員会のHPに掲載いたします.
土壌教育委員会の活動を報告します.土壌教育委員会は,2024年9月5日(木)に2024年度第2回土壌教育委員会を開催しました.議事の内容は,高校生による発表会オンライン開催の表彰について、出版企画について、高校生による研究発表会フォローアップ企画について等でした.
委員による土壌教育活動を報告します.福田顧問(武蔵野学院大学)は,7月23日(火)に飯能市市民会館にて子どもゆめ基金助成を受けて開催された「科学体験活動―ナラ枯れ現象から考える里山のあり方」において講師を務めました.出席者は小学生11名と保護者3名でした.概要は(1)ナラ枯れの実態観察・調査(穿入孔・フラス・感染木幹横断面等の確認、健全木・感染木の胸高直径計測),(2)人々の生活と里山との関わりの歴史的変遷(講義,スライド・DVD視聴),(3)カエンタケ・カシナガキクイムシ成虫の観察・スケッチ,(4)木材自給率・化石燃料依存率の推移(グラフ作成)に伴う林業衰退,(5)放置林増加による樹木高齢化と土壌疲弊による土砂災害危険性の拡大との関係,(6)里山の保全でできること(話し合い)などでした.赤木委員(鹿児島大学)は8月3日(土)に開催された,鹿児島大学農学部オープンキャンパスにおいて体験講義(実験)を担当しました.参加者は高校生6名でした.ここでは二つの実験を体験してもらいました。「土壌に生息する微小な生物の観察」では、はじめに土壌に生息する植物寄生性線虫が農作物の栽培に大きなダメージを与えていることを解説した後,ベルマン法によって鹿児島大学附属農場のトマト栽培跡地から抽出した土壌線虫を光学顕微鏡で観察しました.口針の形状などから植物寄生性線虫であるネコブセンチュウを見分ける方法を解説し,それぞれネコブセンチュウの判別に挑戦してもらいました.「土壌のイオン交換現象を調べる実験」では,はじめに土壌のイオン交換現象のメカニズムについて解説した後,土壌カラムを用いた実験を通じて,その現象を体験してもらいました.南九州に分布する4つの土壌,黒ボク土,低地土,赤黄色土,未熟土を充填した土壌カラムに硫酸アンモニウム溶液を流下させ,集めた浸透液に含まれるアンモニウムイオン濃度を,ヒドロキシビフェニルナトリウム塩を用いたインドフェノール法によって検出しました.土壌カラムを通すことで,アンモニウムイオン濃度が低下していることを目で見て実感してもらいました.藤間委員(山口大学)は8月10日(土)に開催された,山口大学農学部オープンキャンパスにおいて,「土壌の機能を調べてみよう」と題して模擬講義・模擬実験を担当しました.参加者は高校生約40名でした.講義の部では様々な土壌があることや,土壌の持つ機能について解説しました.実験の部では,山口県萩市で採取した黒ボク土の表層および下層,山口大学内の畑土壌、川砂を用いて,土壌の緩衝能,吸着能,土壌呼吸の簡単な実験を行い,土壌により違いがあることを調べました.浅野陽樹委員(鹿児島大学)は8月21日(水)に鹿児島大学教育学部で開催された,夏休みものづくり教室小学生コースA「光る泥ダンゴをつくろう」(主催:鹿児島大学教育学部技術科)に講師として参加しました.参加者は小学生5名でした.赤玉土、黒土、鹿沼土を原材料として3種類の光る泥団子作りをしました.作る工程は,土の粒をつぶし,ふるいで細かい土を集め,濡れた土で芯となる団子を作り,乾いた土をかけて瓶の口で球形に整形し,微細な土を表面に塗りこんで,布で磨くという流れです.子どもたちは,落としたり,爪で傷つけたりと何度も失敗を繰り返しながらも最後まで飽くことなく取り組みました.福田顧問は8月22日(木)に富士山御中道で開催された狭山市学童保育室の活動に講師として参加しました.参加者は小学生41名・保護者9名・学童保育指導員など10名でした.講師は往復のバス内での富士山の自然に関する概説・質疑、5合目駐車場からの登山道沿いの動植物・菌類・地質・気候などの解説を行いました.児童からは、土壌に関わる質疑で「スコリアは土か」,「森林限界は土と関係するか」,「富士山の土の特徴」など,興味深い質問や疑問が出されました.
会員による土壌教育活動を報告します.谷昌幸氏(帯広畜産大学)は,7月10日(水)にスガノ農機主催の「第47回土を考える会」において,受講生110名を対象に,「土壌断面から空気と水の動きを観る」というタイトルで土壌断面の形態から通気性や排水性をどのように評価し改善につなげるかについて講義を行いました.7月29日(月)から8月2日(金)に帯広畜産大学において、全国の中学校・高等学校教諭17名を対象に農業実験実習講習会(主催:北海道総合農学研究会、全国高等学校農場協会、北海道教育委員会)が「土壌診断と作物生育の改善」をテーマとして行われました.そのうち、7月30日(火)には谷昌幸氏(帯広畜産大学)が「土壌診断の基礎」というタイトルで土壌診断の活用,とくに塩基飽和度と陽イオンバランスの改善について講義を行いました.7月31日(水)には石倉究し(十勝農業試験場)が「肥料・土壌改良資材・堆肥の種類と特徴」というタイトルで,肥料の種類や施肥法,土壌診断結果や作物生育に合わせた施肥対応,排水性不良や保水性不良に対する基盤整備,酸性矯正,「土づくり」に向けた堆肥等の有機物の種類や効果,施用量に合わせた施肥対応などについて講義を行いました.
支部における土壌教育活動を報告します.中部支部では,7月21(日)に豊田市自然観察の森において「土壌観察会-土の不思議にせまる!-」を開催しました(参加者は親子を中心に7名).講師は,礒井俊行氏(名城大学),岡村穣氏(元名古屋市立大学),沢田こずえ氏,林亮太氏(名古屋大学),瀧勝俊氏(JAあいち経済連),堂本晶子氏(三重県農業研究所)の6名でした.内容は、土の話,森の中での植物と土の観察,室内実験(吸着・土壌動物),ミニモノリス作りでした.この事業は,今回が18回目です.また,同場所において,8月21日(水)に岡崎北高等学校理数科1年生(40名)を対象とした「理数探究基礎」を岡崎北高校と共催、名古屋大学大学院生命農学研究科協賛で開催しました。内容は,講義,フィールドでの植生・土壌断面観察と室内実験(緩衝能・呼吸・土壌動物),総合討論と発表でした.講師は,浅川晋氏,渡邉彰氏,村瀬潤氏,渡邉健史氏,沢田こずえ氏,柴原藤善氏,林亮太氏(名古屋大学),岡村穣氏(元名古屋市立大学),瀧勝俊氏(JAあいち経済連)の計9名でした.この事業は,今回が16回目です.
本欄では会員の皆様の土壌教育活動も紹介します.情報をお持ちの方は支部選出の土壌教育委員までお知らせください.なお,土壌教育委員会の現在の構成は公式ウェブサイト http://jssspn.jp/edu/ の「委員」をご確認ください.
(日本土壌肥料学雑誌 第95巻第5号 掲載)
土壌教育活動だより 95-4
日本土壌肥料学会福岡大会では「高校生による研究発表会」をハイブリッド形式で開催いたします.対面での発表のコアタイムは初日の9月3日(火)12:00~13:30にC会場で実施します.また, Slackを用いて9月3日(火)~8日(日)にオンライン発表を実施します.対面での発表は14課題,オンラインの発表は3課題です.多くの方の参加と,活発な議論をお願い致します.
土壌教育委員会の活動を報告します.土壌教育委員会は,2024年6月11日(火)に2024年度第1回土壌教育委員会をオンラインで開催しました.議事の内容は,昨年度の事業報告および今年度の事業と予算の確認,福岡大会における「高校生による研究発表会」の準備状況の確認と会誌におけるフォローアップ企画,動画制作をはじめとする土壌教育の教材開発,土壌教育活動等でした.
土壌教育委員会の事業で行った観察会の報告をいたします.6月1日に,宇都宮大学農学部附属農場において,栃木県立博物館の観察会「田んぼ物語①~土の観察と田植え」を開催いたしました.本観察会は,日本土壌肥料学会の後援を受け、土壌教育委員会の普及事業として開催しています.講師として平井英明顧問,会員の早川智恵氏(両氏とも宇都宮大学)が参加しました.内容は,日本土壌肥料学会のHPに掲載され,学会員のご家族の参加も誘う形となっています.土壌教育の国際ガイドライン(https://doi.org/10.20710/dojo.93.5_321)に則ると,地域固有の文化環境に身を置いて土壌に触れ感受することが,土壌の深い理解の第一歩であるとされたので,地域固有の文化環境の中に身を置き,土壌に触れ感受するという観点から本観察会を企画しました.その内容の概要は,①宇都宮大学農学部附属農場内の落葉広葉樹林下の土壌に素手で触れ、②その表土を活用して育成した苗を素手で苗箱より採取し,③それを素足で水田に入って素手で田植えをするという土壌教育実践法です.これまで実施してきた博物館主催の観察会の内容を,素手や素足で土壌を感受するという観点から,より充実させた内容となっています.参加者は,大人18名,中学生2名,小学生15名,幼児5名,博物館スタッフ4名,大学教員3名,学生アルバイト3名で,合計50名でした。森林表土のみで育成した苗,そこに菜種油粕・魚粉を添加して育成した苗,市販の化学肥料ベースの粒状培土の3種類の苗の生育の様子を観察した後,有機栽培水田圃場に,1株3本植で6条分を田植え紐に沿って有機質肥料で育成した苗を素手で植えました.この様子は,栃木県立博物館のHP(http://www.muse.pref.tochigi.lg.jp/news/2024/06/61.html)に掲載されています.次回は,8月24日です.3本植した水稲株を圃場で掘り取りを行い草丈や籾数の増加を調べることで,土壌の重要性や肥料の効果を感受する体験的土壌教育プログラムとなっています.
委員および会員による土壌教育活動を報告します.森圭子委員(埼玉県立川の博物館)は,同博物館において5月3~4日に,同博物館の「ゴールデンウィークまつり」の中で「土の足ざわりを楽しもう」を開催しました.田んぼの土(沖積土)と畑(黒ボク土)を入れたコンテナの土を裸足でふみ,その足ざわりを楽しんでどちらが好きかを投票してもらいました.保護者を含む参加者は274名でした.また併せて「かわはく周辺の土!」と題して土壌モノリス5本の展示を5月12日まで行いました.同委員は6月15日に同博物館において体験教室「泥だんごづくり」を催しました.赤い土をこねるところから仕上げに磨くところまでを行いました.参加者は19名でした.丹羽勝久委員(株式会社ズコーシャ)は,6月1日に「千曲川ワインアカデミー(千曲川ワインアカデミー | アルカンヴィーニュ 日本ワイン農業研究所 (jw-arc.co.jp)」に出講しました.本アカデミーも10周年であり,受講生はこれからワイン用ぶどうの栽培を目指す方や,ワインに関係する仕事を行っている方がほとんどです.参加者は対面で36名,WEB参加で15名でした.まずは座学にて一般的な土壌診断の話に加え,ワイン用ぶどうの話として,果実のアントシアニン含量,糖分,酸度,ポリフェノール含量等と土壌水分の関係について話題提供を行いました.その後,対面の受講生に対して傾斜地と平坦地の土壌断面を見せ,地形による土壌断面形態の違いを学習しました.会員の石倉究氏(道総研十勝農業試験場)は,6月11日に北海道帯広農業高等学校 農業科学科第2学年38名を対象に出前授業を行いました.はじめに教室内で麦の一生と秋まき小麦の肥培管理法について講義を行いました.次に圃場に出て,秋まき小麦の開花期の様子を観察し,穂数の多少を確認しました.上位葉だけではなく下位葉にも光があたっているかどうかを生徒たちに確認してもらい,光合成効率を最大限発揮するために必要な群落の姿を考察しました.最後に微地形によって茎数および穂数がどの程度変動してしまうかを確認してもらい,深さ50 cm程度の簡易的な断面調査から腐植含量や作土の厚さの違いが秋まき小麦の生育に影響を及ぼしている可能性について考察しました.次回は成熟期の収量調査の学習を予定しています.平井英明顧問(宇都宮大学)は,6月13日,20日に,2020年に群馬大学・宇都宮大学に設置された共同教育学部の必修科目「Forefront科目群(時代を先取りした先端課題解決科⽬群)」にある「環境教育」の中で「土と食」と題して理論編と実践編の2回の講義を担当しました.受講者は,群馬大学211名,宇都宮大学191名で、両大学の教育人間科学系,人文社会系,自然科学系,芸術・生活・健康系に属するすべての学生がこの授業を受講しています.学系を超えてすべての学生に,「環境教育」の中で次のような項目について,第9部門でのシンポジウムや土壌教育委員での活動を基にして積み上げてきました内容を伝えるようにと努めました.その内容の概要は,土壌の生成による形態と機能,土壌教育の国際ガイドラインの紹介,体験型土壌教育,土壌の語源からみた土や壌の意味,地名やアニメや音楽の中で取り上げられている土壌等について紹介をしました.
本欄では会員の皆様の土壌教育活動も紹介します.情報をお持ちの方は支部選出の土壌教育委員までお知らせください.なお,土壌教育委員会の現在の構成は公式ウェブサイト http://jssspn.jp/edu/ の「委員」をご確認ください.
(日本土壌肥料学雑誌 第95巻第4号 掲載)
土壌教育活動だより 95-3
2024年4月より,土壌教育委員会委員1名が交代しました.新しい委員は,九州支部:赤木功氏(鹿児島大学)です.
日本土壌肥料学会2024年度福岡大会において,高校生による研究発表会を開催いたします.対面によるポスター発表とオンライン発表のハイブリッド形式での開催を予定しています.対面によるポスター発表は,大会の初日(9月3日)に行う予定です.詳細は決まり次第,土壌教育委員会公式Webサイトに掲載いたします.
委員および会員による土壌教育活動を報告します. 4月11日に石倉究氏(道総研十勝農業試験場)が北海道帯広農業高等学校農業科学科第2学年38名を対象に出前授業を行いました.はじめに秋まき小麦の起生期の様子を全体的に俯瞰し,黄化した葉先とタイヤ跡で根が浮いた様子を観察しました.これらの症状が発生する原因について生徒たちに考察してもらい,タイヤ跡で葉を傷つけたり播種に失敗したりしたわけではなく,冬枯れと凍上断根であることを説明しました.次に秋まき小麦の起生期茎数を把握する意義を解説し,茎数の数え方を説明しました.まずは1名ずつ株を抜き取ってもらい,葉と茎の区別を練習しました.その後,班に別れて1条1 m長で茎数を数えてもらい,面積あたりの茎数に換算してもらいました.昨年秋は気温が高く,全般的に茎数が多いこと,播種量が7 kg/10aの区よりも11 kg/10aの区で茎数が多いことを確認し,今後の窒素施肥管理の重要性を確認しました.次回は幼穂形成期頃の学習を予定しています.4月22日に丹羽委員と石倉究氏(道総研十勝農業試験場),北海道士幌高等学校アグリビジネス科2年生の13名を対象に土壌断面研修を実施しました.具体的には高校近傍の畑地において隣接防風林(未耕地)と耕地の土壌断面形態を比較しました.生産者からは圃場端(相対的な地形的底部)の排水が悪くて播種すらできないという話を聞いています.まずは未耕地を掘りましたが,非常に膨軟な黒ボク土が出現し,断面中に斑紋は確認されませんでした.それに対して防風林そばの耕地では作土直下から非常に堅密で,穴を掘るのに一苦労しました.耕地側の土壌断面も未耕地と同様,斑紋がなく,元々は排水の良い土壌であることが伺えました.しかし,深さ約20〜50cmの間の土壌硬度が非常に高く,場所によっては30mm以上の数値を示しました.生産者さんの方で,対策として心土破砕が行われていますが,破砕跡が深さ30cm程度に留まり,堅密土層の破砕に至っていないことも確認できました.以上のことから,圃場端の排水不良は人為的な要因による土壌のコンパクションと判断しました.生産者からは隣接防風林に白樺を植林した後に,排水が悪化したという話を聞いています.もしかしたら,白樺植林時の工事作業時に,圃場端で何等かの踏圧を受けるようなことが発生していたのかもしれせん.私自身(丹羽)も排水良好な黒ボク土がコンパクションを受け,播種ができないほど排水不良になると思っていませんでしたので,大変興味深い1日となりました.
本欄では会員の皆様の土壌教育活動も紹介します.情報をお持ちの方は支部選出の土壌教育委員までお知らせください.なお,土壌教育委員会の現在の構成は公式ウェブサイト http://jssspn.jp/edu/ の「委員」をご確認ください.
(日本土壌肥料学雑誌 第95巻第3号 掲載)
土壌教育活動だより 95-2
日本土壌肥料学会2024年度福岡大会において,高校生による研究発表会を開催いたします.対面によるポスター発表とオンライン発表のハイブリッド形式での開催を予定しています.対面によるポスター発表は,大会の初日(9月3日)に行う予定です.詳細は決まり次第,土壌教育委員会公式Webサイトに掲載いたします.
本欄では会員の皆様の土壌教育活動も紹介します.情報をお持ちの方は支部選出の土壌教育委員までお知らせください.なお,土壌教育委員会の現在の構成は公式ウェブサイト http://jssspn.jp/edu/ の「委員」をご確認ください.
(日本土壌肥料学雑誌 第95巻第2号 掲載)
土壌教育活動だより 95-1
委員および会員による土壌教育活動を報告します.森圭子委員(埼玉県立川の博物館)は,同博物館において,7月16日に「土の特徴を調べよう」を開催しました.沖積土と黒ボク土の畑の土を用い,主に粒の大きさの調べ方について,簡単なものや時間をかけて行う方法を解説しました.参加者は55名でした.7月23日には,特別展関連イベントとして「みみずのうんちストラップづくり」を開催しました.屋外でミミズの糞を観察・採取し,屋内でレジンを用いて固めてストラップにしました.午前・午後の2回の開催で参加者の合計は35名でした.9月23日には,「土の中の生きものを観察しよう」を開催しました.屋外で土や落ち葉を採取し,ハンドソーティング法で生きものを探し,観察しました.ツルグレン法も紹介し,必要に応じて実体顕微鏡で観察しました.参加者は17名でした.10月15日には,「土の断面に洪水の痕跡を見る」を開催しました.現場観察を予定していたものの雨天のため,同博物館敷地内で令和元年東日本台風の際の堆積物が見られる断面のモノリスおよび博物館周辺の他の場所のモノリスを用いて,"水によって運ばれた土砂からできる土"について解説しました.参加者は33名でした.11月18日には,体験教室「クマムシを探して観察しよう」を開催しました.屋外で土,落ち葉,コケなどを採取し,屋内でクマムシについて簡単なお話をしてから実体顕微鏡を用いて観察しました.参加者全員がクマムシを観察することができました.参加者は15名でした.12月2日には,世界土壌デー記念として「土でアート作品づくり」を開催しました.異なる4色の土を使って和紙に絵を描き,パネルに貼って作品として仕上げました.参加者は26名でした.また同委員は同博物館において,11月14日から12月28日まで,秋のモノリス展示および世界土壌デー企画として,赤い色のものを中心にモノリスの展示を行いました.丹羽委員((株)ズコーシャ)と石倉会員(道総研十勝農業試験場)は,11月7日に北海道士幌高等学校アグリビジネス科の2年生18名を対象に出前授業を行いました.当初は一筆圃場内の地形の高低に伴う土壌断面形態の変化を見ることにしていましたが,あいにくの雨模様だったので座学を行いました.途中,天候が回復してきたので,座学終了後近隣の農家圃場に赴き,検土杖を用いて簡易に土層構成を把握すると共に,活性アルミニウムテストにより母材の確認を行いました.座学では丹羽委員が北海道を中心とした土壌分布の話をしました.特に士幌高校周辺の農地では,下層に然別降下軽石堆積物が堆積している黒ボク土であることを説明しました.次に石倉氏より,コムギの一生と適正収量を得るための穂数管理,追肥時期,土層改良技術について説明がありました.その後,圃場の4箇所(相対的な高部1箇所、底部2箇所、最底部1箇所)で検土杖による土層確認を行いました.高部では厚さ25cmの有機物層の下に褐色の火山砂が見られ,深さ30cm以深は人力で検土杖調査を行うことが困難になりました.恐らく軽石層が出現したと考えられます.それに対して,底部では2箇所とも,厚さ25cmの有機物層の下に壌質の褐色土層が25cmほど見られ,その下は10cm程度の火山砂で,深さ60cm以上は人力で検土杖調査を行うことが困難になりました.このように調査圃場では地形の高低により,有効土層の厚さが異なることが明らかになりました.さらに、底部の各土層で活性アルミニウムテストを実施しましたが,いずれの土層も即時鮮明に赤変することが分かり,改めて調査圃場が黒ボク土であることを確認しました.最底部においては、それまでの降雨の影響もあり,深さ60cmまで水分で飽和した土層が確認され,排水の重要性を確認しました.今回は残念ながら断面調査まで出来ませんでしたが,次年度,作付前の時期にリベンジを予定しています.
本欄では会員の皆様の土壌教育活動も紹介します.情報をお持ちの方は支部選出の土壌教育委員までお知らせください.なお,土壌教育委員会の現在の構成は公式ウェブサイト http://jssspn.jp/edu/ の「委員」をご確認ください.
(日本土壌肥料学雑誌 第95巻第1号 掲載)
土壌教育活動だより 94-6
日本土壌肥料学会2023年度愛媛大会では1日目の2023年9月12日(火)に,恒例の「高校生による研究発表会」を愛媛大学城北キャンパス共通講義棟A 4階のポスター発表会場にて開催しました.当日は全国から9校12課題の発表がありました.約20名の高校生はポスターの前で研究内容を説明し,大会参加者からの専門的な質問やコメントを受けて,熱心な議論を行いました.90分のコアタイムを越えても活発な質疑応答が続いていました.藤原土壌肥料学会長(東京大学),上野大会運営委員長(愛媛大学),および土壌教育委員による審査の結果,最優秀ポスター賞1課題(発表番号H-S02 広島県立西条農業高等学校),および優秀ポスター賞2課題(発表番号H-S05 愛媛県立伊予農業高等学校,発表番号H-S08 山形県立村山産業高等学校)が選ばれました.当日午後に行われた表彰式では,土壌肥料学会長と大会運営委員長,森土壌教育委員長(埼玉県立川の博物館)より講評があり,森土壌教育委員長より全発表課題に対して発表証明書と参加賞が手渡されました.次いで,藤原会長より最優秀ポスター賞および優秀ポスター賞の表彰状,副賞が授与されました.発表会・表彰式などの写真は後日掲載いたします.一方,オンライン発表は,やはり全国から10校18課題が参加し,9月7日から9月18日までLINC Biz内で発表が行われ,期間中にチャット形式で質疑応答が行われました.オンライン発表に対しても審査を行い,最優秀オンラインポスター賞1課題(発表番号H-L17長野県松本深志高等学校),および優秀オンラインポスター賞2課題(発表番号H-L04青森県立名久井農業高等学校,H-L12愛知県立佐屋高等学校)が選ばれました.
委員による活動を報告します.福田顧問(武蔵野学院大学)は,7月25日~27日に開催された「子どもゆめ基金助成活動―人々の生活と川の環境との関係を調べよう」(狭山市教育委員会後援)において,7月27日(木)の「河川植物と土壌」(狭山市立水富公民館)の講師を務めました.出席者は小学校4年生~6年生19名で,河川敷植物の在来種・外来種の種別及び被度調査と人為攪乱との関わりを調べ、土壌攪乱と植生を取り上げました.なお,「子どもゆめ基金ガイド2023」(国立行政法人国立青少年教育振興機構)に令和4年度助成活動事例「科学体験」として,「土の教室」が掲載されました.平井顧問(宇都宮大学)は9月27日(水)に行われた宇都宮市立石井小学校における総合的な学習「米作り体験」のゲストティーチャーを務めました.出席者は,5年生115名でした.この体験学習の目的は、(1)日本人の主食である米の生産を直接体験することによって,日本における米作りの歴史や文化についての関心や理解を深める,(2)日本の米作りの現状やそれに携わる人々の苦労や工夫について理解を深める,でした.5月の「田植え体験」で手植えしたイネ株の周囲をスコップで掘る体験を児童が行い,その作土付きのイネ株をポリ製のバケツに移して教室に持ち帰り,次の実験を行いました.(1)土のついたイネ株の重さの測定,(2)イネ一株の籾数の計測,(3)お茶碗一杯のご飯150グラム(約3750粒)を食べるためのイネの株数の計算,(4)春に田植えした3粒の籾が収穫時に何倍になったのかを計算しました.
本欄では会員の皆様の土壌教育活動も紹介します.情報をお持ちの方は支部選出の土壌教育委員までお知らせください.なお,土壌教育委員会の現在の構成は公式ウェブサイト http://jssspn.jp/edu/ の「委員」をご確認ください.
(日本土壌肥料学雑誌 第94巻第6号 掲載)
土壌教育活動だより 94-5
委員および会員による土壌教育活動を報告します.谷昌幸氏(帯広畜産大学)が,JICA「持続的農業生産のための土壌診断と土壌改良技術(5月18日〜7月24日)」において,コースリーダーを務めエチオピア、ジョージア、パフアニューギニア、フィリピン、スリランカ、タンザニア、ザンビアからの8名の研修生を対象に研修を実施しています.土壌肥料学会会員関連分の内容(7月分)は以下の通りです(5〜6月分は前号に掲載). 7月6日〜7日:横井義雄氏(元道総研),島田紘明氏(帯広畜産大学),丹羽勝久委員((株)ズコーシャ)「美瑛町における灰色台地土,褐色森林土の土壌断面調査」.平井顧問は,8月26日(土)10時~12時に宇都宮大学農学部附属農場において開催された,栃木県立博物館主催の観察会「土ってすごイネ」に講師として参加しました.参加者は大人4名,子供3名でした.森林土壌と水田土壌の観察のポイントやその方法に関して,事前に平井顧問が説明を行いました.実施の担当者は博物館の職員で,森林下の土壌の説明は土壌動物の研究者が担当しました.参加者は森林土壌を観察し,その手触りを体感しました.その後,水田の土壌に素足で入って,水稲株を抜き取ることで体験的に土壌の形態と機能を学びました.堆肥連用水田,無肥料水田,化学肥料連用水田の土壌の形態を,参加者の素足で感じる方法をとりましたが,感触の違いを大人も子供も感じていたようでした.イネ株を土とともに抜き取る活動を行うことで参加者の表情がとても明るくなったと,博物館職員の方は感銘を受けられていました.
支部における土壌教育活動を報告します.中部支部では,7月23(日)に豊田市自然観察の森において「土壌観察会-土の不思議にせまる!-」を開催しました(参加者は親子を中心に12名).講師は,礒井俊行氏・村野宏達氏(名城大学),岡村穣氏(元名古屋市立大学),瀧勝俊氏(JAあいち経済連),堂本晶子氏(三重県農業研究所)の5名でした.内容は、森の中での植物と土の観察,室内実験(吸着・土壌動物),ミニモノリス作りでした.この事業は今回が17回目です.
また,同場所において,8月25日(金)に岡崎北高等学校コスモサイエンスコース1年生(36名)を対象とした「理数探究基礎」を岡崎北高校と共催、名古屋大学大学院生命農学研究科協賛で開催しました.内容は,フィールドでの植生・土壌断面観察と室内実験(緩衝能・呼吸・土壌動物)でした.講師は,浅川晋氏,渡邉彰氏,村瀬潤氏,渡邉健史氏,沢田こずえ氏,柴原藤善氏(名古屋大学),岡村穣氏(元名古屋市立大学),瀧勝俊氏(JAあいち経済連)の計7名でした.この事業は今回が15回目です.
本欄では会員の皆様の土壌教育活動も紹介します.情報をお持ちの方は支部選出の土壌教育委員までお知らせください.なお,土壌教育委員会の現在の構成は公式ウェブサイト http://jssspn.jp/edu/ の「委員」をご確認ください.
(日本土壌肥料学雑誌 第94巻第5号 掲載)
土壌教育活動だより 94-4
日本土壌肥料学会愛媛大会では「高校生による研究発表会」をハイブリッド形式で開催いたします.対面での発表のコアタイムは初日の9月12日(火)12:00~13:30にJ会場(共通講義棟A 4階 アクティブラーニングルーム)で実施します.また, LINC Biz内において一般公演のポスター発表と同期間にオンライン発表を実施します.対面での発表は12課題,オンラインの発表は18課題です.多くの方の参加と,活発な議論をお願い致します.
土壌教育委員会の活動を報告します.土壌教育委員会は,2023年6月24日(土)に2023年度第1回土壌教育委員会をオンラインで開催しました.議事の内容は,昨年度の事業報告および今年度の事業と予算の確認,愛媛大会における「高校生による研究発表会」の準備状況の確認,動画制作をはじめとする土壌教育の教材開発,土壌教育委員会のHPの更新等でした.
土壌教育活動だより 94-3
2023年5月より,土壌教育委員会委員1名が交代しました.新しい委員は,中部支部:切岩祥和(静岡大学)です.その他の委員は2023年度も留任です.
日本土壌肥料学会2023年度愛媛大会において,「高校生による研究発表会」を対面によるポスター発表とLINC Bizによるオンライン発表のハイブリッド形式で開催をいたします.対面によるポスター発表は,大会の1日目(9月12日)午前11時から行う予定です.詳細は土壌教育委員会公式Webサイトに掲載いたします.
本欄では会員の皆様の土壌教育活動も紹介します.情報をお持ちの方は支部選出の土壌教育委員までお知らせください.なお,土壌教育委員会の現在の構成は公式ウェブサイト http://jssspn.jp/edu/ の「委員」をご確認ください.
(日本土壌肥料学雑誌 第94巻第3号 掲載)
土壌教育活動だより 94-2
日本土壌肥料学会2023年度愛媛大会において,高校生による研究発表会を開催いたします.対面によるポスター発表とLINC Bizによるオンライン発表のハイブリッド形式での開催を予定しています.対面によるポスター発表は,大会の現地開催期間中に行います.詳細は決まり次第,土壌教育委員会公式Webサイトに掲載いたします.
委員による活動を報告します.森圭子委員(埼玉県立川の博物館)は,2023年1月25日(土)から3月5日(日)まで,同館令和4年度企画展「土ウォッチング」を開催しました.展示の一部として,土壌教育委員会の協力で作成した東京農工大学における土壌断面調査実習の動画を上映しました.同展示関連イベントとして森圭子委員(同)は2月4日(土)10:00~11:30および14:00~15:30に同博物館において体験講座「土ミニモノリスづくり」を催しました.令和元年度東日本台風による堆積物がわかる荒川近くの河畔林の土壌を観察し,その10分の1の縮尺でミニモノリスを作りました.参加者は合計21名でした.また2月19日(日)13:30~15:30にワークショップ「土のはたらき」を開催しました.砂と畑の土を用いて,透水性と保水性についてデモンストレーション実験を行い,薄片を用いて土壌団粒とその内外のすき間について解説しました.また,同じ試料に色水を流して,吸着の実験を行い,土が養分を保持することについて解説しました.参加者は26名でした.
本欄では会員の皆様の土壌教育活動も紹介します.情報をお持ちの方は支部選出の土壌教育委員までお知らせください.なお,土壌教育委員会の現在の構成は公式ウェブサイト http://jssspn.jp/edu/ の「委員」をご確認ください.
(日本土壌肥料学雑誌 第94巻第2号 掲載)
土壌教育活動だより 94-1
委員による活動を報告します.森圭子委員(埼玉県立川の博物館)は,2022年11月14日(月・埼玉県民の日)から2023年1月8日(日)まで,「気候変われば土変わる」と題して同館において5本のモノリスを展示しました.森圭子委員(同)は2022年12月3日に,同博物館において世界土壌デー記念のワークショップ「土でアート作品づくり」を催しました.4種類の土を使って小川和紙に絵を描き,パネルに貼って記念作品に仕上げ,土の色のちがいについて楽しみながら学んでいただきました.付き添いを含む参加者は24名でした.森圭子委員(同),浅野眞希委員(筑波大学)は平山良治氏(埼玉県立川の博物館)とともに国立科学博物館の日本館に常設展示されているモノリスについて解説し,世界土壌デーを記念して,国立科学博物館公式のかはくチャンネルに動画として掲載しています.同じ動画が日本土壌肥料学会・埼玉県立川の博物館・日本ペドロジー学会のホームページからも閲覧できます.動画の作成にあたっては,撮影者に加え,井上弦氏(長崎総合科学大学),柳由貴子氏(山口大学),中尾淳氏(京都府立大学)に解説者として加わっていただきました.
会員による活動を報告します.陽捷行氏(北里大学)は,「18cmの軌跡:三五館、2015」を読んだ石川県教員総合研修センター基本研修課基本研修グループから依頼を受け,11月8日に石川県の中学と高校の理科教員に「土壌に関する講義」をオンデマンドにより行いました.テーマは,1)真善美と土壌 2)土壌と文化・文明・宗教・文芸など 3)土壌と腸と脳のかかわりで,30名強の参加が有りました.満田幸恵氏(福岡県)から土壌教育動画の利用について次のように報告を頂きました.福岡県では,農林事務所普及指導センターに配属となった1年目の職員を対象に,農業技術指導に必要な土壌肥料に関する研修を3日間の日程で実施しています.土壌断面の調査方法についての研修の際は,名城大学村野宏達先生よりお譲りいただいた「土壌教育動画06:土壌の断面調査」を活用し,研修生からは,動画により理解が深まったとの感想もいただきました.3日間の研修を通しては、受講生より「今後は土壌にも着目し技術支援に携わりたい」,「職場にある器具で今後は土壌調査を実施したい」コメントを頂戴し,研修によりレベルアップできたことが把握できました.今後,受講生が土壌肥料に着目し,農業普及現場での課題解決に取り組むことを期待いたします.
本欄では会員の皆様の土壌教育活動も紹介します.情報をお持ちの方は支部選出の土壌教育委員までお知らせください.なお,土壌教育委員会の現在の構成は公式ウェブサイト http://jssspn.jp/edu/ の「委員」をご確認ください.
(日本土壌肥料学雑誌 第94巻第1号 掲載)
土壌教育活動だより 93-6
日本土壌肥料学会2022年度東京大会では1日目の2022年9月13日(火)に,恒例の「高校生による研究発表会」を東京農業大学世田谷キャンパス1号館3Fのポスター発表会場にて開催しました.当日は全国から20課題(17校、ポスター掲示のみの発表6校7課題を含む)の発表がありました.約40名の高校生はポスターの前で研究内容を説明し,大会参加者からの専門的な質問やコメントを受けて,熱心な議論を行いました.90分のコアタイムを終えても活発な質疑応答が続いていました.学会会長,大会運営委員長および土壌教育委員による審査の結果、最優秀ポスター賞2課題(発表番号9 青森県立三本木農業恵拓高等学校,発表番号12 広島県立西条農業高等学校)および優秀ポスター賞3課題(発表番号3 山形県立村山産業高等学校,発表番号5 北海道岩見沢農業高等学校,発表番号6 東京農業大学第三高等学校)が選ばれました.当日夕方に行われた表彰式では、妹尾土壌肥料学会長(東京大学)と藤原大会運営委員長(東京大学)より講評があり、森土壌教育委員長(埼玉県立川の博物館)より全発表課題に対して発表証明書と参加賞が手渡されました。次いで、妹尾会長より最優秀ポスター賞および優秀ポスター賞の表彰状,副賞が授与されました.全体の発表に関する講評および一部の受賞者の写真を土壌教育委員会のHPに掲載しています.
委員による活動を報告します.福田顧問(武蔵野学院大学)は,7月25日(月)~7月29日(金)の5日間(9時30分~12時30分),国からの助成を受けて「土の教室」を狭山市立水富公民館で開催・実施しました.参加者は狭山市内の公立小学校15校(4年生~6年生対象)から募集し,申し込まれた17名でした.内容は,「地球温暖化と土の呼吸」,「土の生きものの多様性」など5つのテーマからなり,講義,観察・実験,ディスカッション,発表を行いました.連続5回の「土の教室」を通して,児童らは「温暖化の影響が土にも及んでいる」,「森林伐採が土の生きものの多様性の喪失に関係している」ことなどに関心を持ち,地球環境問題の解決に向けて何ができるかを話し合いました.27日には助成担当者2名が視察に訪れ,土の教育に強い関心を持っていただきました.森委員(埼玉県立川の博物館)は,2022年10月15日に,同博物館において体験教室「落ち葉めくり」を催しました.博物館内の林の下で落ち葉をめくりながら採取し,生き物が落ち葉を分解する様子や菌糸などを観察しました.さらに試料を室内に持ち帰り,実体顕微鏡を用いて土の中の生き物を観察しました.保護者を含む参加者は15名でした.
北海道支部委員会の活動を報告します.10月25日に北海道立士幌高等学校内において土壌断面研修を十勝農業試験場の櫻井氏,石倉氏の協力を得て実施しました.対象は2年生の生徒15名,教員2名です.具体的には高校内の未耕地と隣接耕地の土壌断面を観察しました.未耕地は傾斜を持ち,地形的上部に位置する区域の土壌断面は然別由来と考えられる軽石層が深部に出現する黒ボク土でした.それに対して隣接圃場は平坦であり,畑地化に向けて地形修正が行われたと考えられました.実際、耕地の土壌断面ではA層の腐植層が未耕地よりも淡く,軽石層が未耕地よりもかなり浅い位置に出現する等,土層が攪乱されたような痕跡が見られました.なかなか高校においても,土壌断面を見せる機会がないようです.北海道支部土壌教育委員会として今回のような活動を継続していきたいと考えています.引き続き皆さんの協力をお願いします.
土壌教育活動だより 93-5
委員による活動を報告します.丹羽委員(株式会社ズコーシャ)は,7月9日に「千曲川ワインアカデミー」(主催者:日本ワイン農業研究所「アルカンヴィーニュ」)という日本で初めての民間ワインアカデミーの中で「日本の土壌とワインづくり」というタイトルで講義を実施しました.参加者は36名で、ワイン用ぶどうの栽培を検討している方やワインについて造詣を深めたい方が対象です.当日は座学で日本の土壌分布、土壌診断、有機農業等の説明を行いました.また、現地にて傾斜地の巨岩を含む土壌断面と平坦地の重粘土質の土壌断面を観察し,近接する区域でも立地条件によって土壌断面形態は大きく異なることを学習しました.森委員(埼玉県立川の博物館)は,7月17日に,同博物館において随時参加型のワークショップ「土の中の生きもの」を催しました.篩を用いた大型土壌動物を調べる方法と、ツルグレン装置を用いた中型土壌動物を調べる方法を紹介し,土壌動物を肉眼もしくは実体顕微鏡で観察してもらいました.保護者を含む参加者は193名でした.7月24日から8月30日まで、同博物館で開催の特別展「海なし雪なし火山なし-ないけどある!埼玉との深い関係」に合わせて「火山噴火でできた土と埼玉県の土」としてモノリス5本を展示しました.併せて7月24日には,随時参加型のワークショップ「火山噴火でできた土ってどんな土?」を催し,黒ボク土と沖積土の表層土について,色と手触りを感じてもらいながらモノリスと併せて火山噴火でできる土について解説しました.参加者は112名でした.福田顧問(武蔵野学院大学)は,8月26日に開催された狭山市学童保育会「富士山登山・自然観察会」において、「富士山の自然」の講師を担当し、植物、動物、地質の解説を行いました.ナラ枯れや標高と気象・土・植物分布の関係などを観察・解説しました.参加者は狭山市内小学生20名でした.土を自由研究テーマとして取り上げる児童らも見られ,森林限界と気象や土との関わり,スコリア,地衣・コケ群落の発達と土壌化などに興味・関心を持ち,解説に耳を傾けるとともに観察・記録していました.平井顧問(宇都宮大学)は,8月27日に宇都宮大学農学部附属農場で開催された栃木県立博物館の観察会「たんぼ物語~土ってすごイネ~」の講師をつとめました.参加者は17名(内訳:児童8名大人9名)でした.活動内容は、宇都宮大学農学部附属農場内の雑木林の森林土壌の断面(150cm深)を,土に触れながら観察しました.博物館の学芸員の方より,表土が植物の生育にはなくてはならない大切な層で多くの根があること,下層土には鹿沼軽石層や関東ローム層が観察できるけれども,根はあまり観察されない点などの説明があり,表土が命の源である点が参加者に紹介された点が印象的でした.次に,水田圃場において,無肥料の水田,化学肥料を連用している水田,堆肥を連用している水田の3種類の水田のイネ株を掘り取るために,子供たちに素足で水田に入り,イネの根系を手で感じながら表土と根系と共にイネ株を抜き取りました.さらにそのイネのもみ数や穂数を計測し,1株当たりのもみ数より,お茶碗一杯のご飯を食べるためには,何株のイネ株が必要かについて計算しました.最後に,一年間食べている白米の重さをイネ株とお茶碗一杯の白米の重さの関係性から,水田圃場にその面積を示すという説明が博物館の学芸員から参加者に行われました.児童は,水田で素足で入った感触が印象に残っていたようで、楽しかったとのことでした.
本欄では会員の皆様の土壌教育活動も紹介します.情報をお持ちの方は支部選出の土壌教育委員までお知らせください.なお,土壌教育委員会の現在の構成は公式ウェブサイト http://jssspn.jp/edu/ の「委員」をご確認ください.
(日本土壌肥料学雑誌 第93巻第5号 掲載)
土壌教育活動だより 93-4
日本土壌肥料学会東京大会初日の9月13日(火)に「高校生による研究発表会」を開催します.一般発表と同様に対面でのポスター発表形式で行い,コアタイムは13:00〜14:30です.全国の高校から20課題(16校)の発表が行われます.多くの方の参加と,活発な議論をお願い致します.
土壌教育委員会の活動を報告します.土壌教育委員会は,2022年6月25日(土)に2022年度第1回土壌教育委員会をオンラインで開催しました.議事の内容は,昨年度の事業報告および2022年度の事業と予算の確認,東京大会における「高校生による研究発表会」の準備状況の確認,動画制作をはじめとする土壌教育の教材開発、土壌教育の国際ガイドラインに関する検討、土壌教育委員会のHPの更新等でした.
委員による活動を報告します.森圭子委員(埼玉県立川の博物館)は,2022年4月16日に,同博物館において体験教室「泥だんごづくり」を催しました.荒木田土をこねるところから仕上げに磨くところまでを行いました.参加者は15名でした.同委員は5月3~4日に,同博物館において,ゴールデンウィークまつりの中で「土の足ざわりを楽しもう」を開催しました.田んぼの土(沖積土)と畑(黒ボク土)を入れたコンテナの土を裸足でふみ、その足ざわりを楽しんでどちらが好きかを投票してもらいました.保護者を含む参加者は160名でした.また併せて「九州~沖縄の土」と題して土壌モノリス6本の展示を5月8日まで行いました.同委員は6月18日に同博物館において体験教室「泥染めに挑戦」を行いました.タマネギの皮を煮出し、2種類の土(田んぼの土と畑の土)を媒染剤にする方法、また赤黄色土を用いて揉み込む方法で、土の成り立ちや違いについて話しながら布を染めました.参加者は13名でした.平井顧問(宇都宮大学)は,5月10日に宇都宮市石井小学校で行われた田植え体験学習の指導を行いました.この体験授業は5年生の総合学習の時間に行われ,4クラス123名が参加しました.授業のねらいは,(1)日本人の主食である米の生産を直接体験することによって,日本における米作りの歴史や文化についての関心や理解を深める,(2)日本の米作りの現状やそれに携わる人々の苦労や工夫について理解を深める,でした.田植え作業田植え紐に添って,列を作って手植えしました.素足で代掻きをした水田に入りますので、その瞬間に歓声が上がりました.慣れてくると,スピードアップしたり,教室内では見られない子供たちの生き生きした顔と姿がみられたりしたのは,担任の先生方には新鮮であるようでした.同顧問は,6月6日,13日に,2020年に群馬大学・宇都宮大学に設置された共同教育学部の必修科目「先端課題解決科目群」にある「環境教育」の中で「土と食」と題して理論編と実践編を担当しました.受講者は群馬大学202名,宇都宮大学180名で、両大学の教育人間科学系,人文社会系,自然科学系,芸術・生活・健康系に属するすべての学生がこの授業を受講し,学系を超えてすべての学生に,環境教育の中で土壌教育を実践しました.福田顧問(武蔵野学院大学)は、5月21日に狭山市産業労働センター・雑木林で開催された,保育士・幼稚園教諭・学童支援員・小学校教諭のための養成講座「主体的な子どもの育成を目指す」(NPO法人けやの森自然塾主催、埼玉県教育委員会後援)で講師を担当しました.出席者は県内外の保育士・幼稚園教諭・小学校教諭等28名でした.概要は全体説明後,参加者の林内散策による課題発見,観察実験,ディスカッション,発表であり,「落ち葉のゆくえ」,「土壌腐植」,「菌類・カビ」,「物質循環」などの課題探究を「主体的,対話的,深い学び」の視点で実践しました.
本欄では会員の皆様の土壌教育活動も紹介します.情報をお持ちの方は支部選出の土壌教育委員までお知らせください.なお,土壌教育委員会の現在の構成は公式ウェブサイト http://jssspn.jp/edu/ の「委員」をご確認ください.
(日本土壌肥料学雑誌 第93巻第4号 掲載)
土壌教育活動だより 93-3
2022年4月より,土壌教育委員会委員が交代しました.新しい委員は以下の通りです.委員長:森圭子(埼玉県立川の博物館),副委員長:藤間充(山口大学,担当理事と兼任),事務局長:浅野陽樹(鹿児島大学,九州支部委員と兼任),東北支部:髙本慧(農研機構),関東支部:中塚博子(東京農業大学),関西支部:角野貴信(公立鳥取環境大学).また、委員会内規が改正され新たに委員長委嘱の事業協力委員が設置されました.委嘱された事業協力委員(教員研修およびその他の普及事業担当)は,村野宏達(名城大学),早川敦(秋田県立大学),豊田鮎(香川大学),赤羽幾子(農研機構),浅野眞希(筑波大学)です.さらに、新たに顧問に小﨑隆(愛知大学),隅田裕明(日本大学)が就任しました.
日本土壌肥料学会2022年度東京大会(2022年9月13日〜15日)の1日目に,「高校生による研究発表会」を開催します.発表形式は,対面でのポスター発表を予定しています.詳細は、土壌教育委員会ホームページの「高校生の方へ」(http://jssspn.jp/edu/activity/info/posterinfo/)をご覧ください.
委員の活動を報告します.角野委員(鳥取環境大学)は,2021年10月9日に鳥取環境大学で開催された第2回山陰海岸ジオパークサイエンスカフェ「土が息をしている!?おどろきの土の生きものたち」(主催:公立鳥取環境大学・鳥取県山陰海岸ジオパーク海と大地の自然館)の講師をつとめました.内容は,土壌動物や土壌呼吸の簡単な実験・観察と,スライドによる解説で,電子顕微鏡とスクリーンを繋げて,土壌動物を参加者全員で観察したり,赤外線ガス測定器で土壌からの二酸化炭素を検出する様子を解説しました.参加者は小中学生13名とその保護者でした.福田顧問(武蔵野学院大学)は,2月18日に,けやの森幼稚園(埼玉県狭山市)で「きん類」の講話を行いました.講話の対象は園児(年長児)31名,出席者は園長,主任,担任でした.概要は生態系の物質循環「落ち葉や動物の死がい・糞などの土中での分解」を画像によって説明しました.発酵、腐敗につても解説し,菌類の循環に果たす役割について解説しました.その後,園児全員が落ち葉や果物についたかびの胞子や菌糸を実際に双眼実体顕微鏡で観察しました.
本欄では会員の皆様の土壌教育活動も紹介します.情報をお持ちの方は支部選出の土壌教育委員までお知らせください.なお,土壌教育委員会の現在の構成は公式ウェブサイト http://jssspn.jp/edu/ の「委員」をご確認ください.
(日本土壌肥料学雑誌 第93巻第3号 掲載)
土壌教育活動だより 93-2
委員による活動を報告します.森圭子委員(埼玉県立川の博物館)は,2021年10月16日に,同博物館において体験教室「土の中の生き物を探せ!」を催しました.参加者は7名でした.土の採取,ハンドソーティングによる大型土壌動物の観察,ツルグレン装置による中型土壌動物の観察を行いました. 2021年11月1日に,埼玉県深谷市の小学校において,同委員が出前授業「地面をつくる土の粒と雨水の行方」を行いました.校内の土を用いて水の浸み込み方を調べました.同博物館において, 2021年11月14日~2022年1月4日まで,同委員は,「カラフルで模様つきの土?!」と題してモノリス展示を行いました.この展示の解説動画を世界土壌デー記念として作成し,同館ウェブサイトから閲覧できます.2021年11月28日に,同博物館において,同委員はワークショップ「土のすきまを調べよう」を催しました.参加者は24名でした.水槽と土壌コアを用いて,土のすきまを調べる実験のデモンストレーションをおいおないました.森圭子委員(同),浅野眞希委員(筑波大学),藤井一至氏(森林総合研究所),平山良治氏(埼玉県立川の博物館),加藤拓氏(東京農業大学)は,世界土壌デーを記念して,国立科学博物館の日本館に常設展示されているモノリスについて解説した動画「国立科学博物館の土壌モノリス標本で土について学ぼう!2021版」を作成しました.動画は,国立科学博物館公式のかはくチャンネル,日本土壌肥料学会公式ウェブサイト(http://jssspn.jp/info/notice/notice/post-4.html)から閲覧できます.森圭子委員(同)は,12月5日(日)13:30~15:30に「世界土壌デー記念・土でアート作品づくり」を行いました.4種類の土を使い,パネルに貼った小川和紙に絵を描き,土の色のちがいについて楽しみながら学んでいただきました.付き添いを含む参加者は17名でした.埼玉県内の中学校において,2022年2月8日に,同委員は「土」をテーマに出前授業を行いました.土の成り立ちや役割などについて,モノリスの観察と併せて講義しました.丹羽勝久委員((株)ズコーシャ)は,2022年2月19日にオンラインで開催された「地球温暖化防止セミナー」(十勝総合振興局主催)において,「土づくりが温室効果ガスを削減??〜作物生産と環境の調査を目指して〜」のテーマで講演を行いました.このセミナーは,地球温暖化やSDGsのことを知ることを目的に行われ,同委員は、農業分野の中でも特に畑地土壌からN2Oが温室効果ガスとして発生しているが,土づくりにより作物が元気になれば窒素吸収効率が上がりN2Oの発生量が少なくなること,作物生産向上のための排水改良がN2O削減に貢献すること等を報告しました.また、土壌に関連するSDGsの目標を紹介しました.
最後に会員による活動を報告します.松中照夫氏(酪農学園大学名誉教授)は2021年度いしかり市民カレッジにおいて,令和3年度まちの先生企画講座「家庭菜園の土の健康診断をしてみよう」の講師をつとめました.講座は4回シリーズで,第1回「良い土とはどんな土?−家庭菜園の土のチェックポイント4つ」(10月8日:受講者16名),第2回 土の厚みと硬さ、排水と水持ちの良否を調べる(10月15日:受講者18名),第3回「土の酸性度(pH)と作物の栄養分の良否を調べる」(10月22日:受講者18名),第4回「家庭菜園の土を良い土にするための対策」(10月29日:受講者19名)が,石狩市公民館で行われました.受講者は熟年の家庭菜園愛好家の方々で,毎回宿題を出し、その宿題をやって次回の講座へ来るというしくみで,単純な座学ではないことから,受講生の方々も満足されていたようでした.講座の内容は「いしかり市民カレッジ」のウェブサイトで見ることが出来ます.(リンク先:第1回,第2回,第3回,第4回)
(日本土壌肥料学雑誌 第93巻第2号 掲載)
土壌教育活動だより 93-1
委員による活動を報告します.豊田委員(香川大学)は,11月7日に香川県公渕森林公園において開催された,香川の森づくり活動レベルアップ講座(主催:香川県みどり整備課)森林環境教育コース「森林生態系と土壌動物の観察」の講師をつとめました.午前は日本の森林,土壌と森のつながりに関する講義後,野外実習として森林土壌の観察,落ち葉と土壌,土壌動物の採集を行いました.午後は野外実習で持ち帰った土壌から土壌動物をみつけ,森林学習展示館において,講師から土壌動物について体節の数,脚や眼の退化,脚の数など同定に関する簡単な説明があり,各自、簡易実体顕微鏡を用いた観察と同定を行いました.4グループに分かれ,土壌動物のハンドソーティングを体験し,同時に土壌動物の標本解説をグループごとに実施しました.主催者の香川県みどり整備課から参加対象者は香川県内在住の森林に関心のある18才以上,募集人数15名程度(先着順)として募集があり,当日の参加者は20代〜70代の16名でした。福田顧問(武蔵野学院大学)は,12月17日(金)に狭山市内認定こども園にて講話を行いました.この講話は,市内園長会からの依頼を受けたもので,講話の対象は園児(年長児)29名,出席者は園長,主任,担任であった.概要は主題「つちってなあに」であり,①つちってなんだろう,②つちのできかた,③つちのはたらき,④つちのけんこう,について園児による観察・実験を交えつつ,パワーポイント,土壌モノリスを使って講話し,活発な質疑応答が行われました.最後に,地球上の土の健康状況について講話した後,身近にできるSDGsへの取組について園児から様々な実践案を発表してもらいました.
最後に会員による活動を報告します.中尾淳氏(京都府立大学)は,11月21日に京都府立植物園において開催されたサイエンスツアー「落ち葉観察 〜落ちてから土になるまで〜」(主催:京都府立大学新自然史科学創成センター)の講師をつとめました(サポートスタッフ:中井貞氏,平塚健一氏(京都府立植物園)).対象は親子連れ7組(計18名)でした.植物園会館で簡単な内容紹介の後,園内を散策し,クヌギやピンオークの雑木林で落ち葉が土の成分に変わるしくみを説明し,子供たちに落ち葉を手に取ってもらいました.その後室内に戻り,ツルグレン装置と顕微鏡を使って土壌動物(落ち葉の分解者)を探してもらいました.しばらく探索を楽しんでもらい,最後は自分で発見した生き物のイラストで缶バッジを作ってもらいました.
本欄では会員の皆様の土壌教育活動も紹介します.情報をお持ちの方は支部選出の土壌教育委員までお知らせください.なお,土壌教育委員会の現在の構成は公式ウェブサイト http://jssspn.jp/edu/ の「委員」をご確認ください.
(日本土壌肥料学雑誌 第93巻第1号 掲載)
土壌教育活動だより 92-6
日本土壌肥料学会2021年度北海道大会では1日目の2021年9月14日(火)に北海道教育委員会の後援を受け,恒例の「高校生による研究発表会」を開催しました.開催方法は昨年度に引き続きLINK Bizを用いたオンライン発表となりました.コロナウイルスの影響により課外活動が制限を受ける中ですが,昨年度の12課題を上回る18課題(10校)の発表申込が全国からありました.発表会当日のコアタイム,そしてコアタイム以外の時間にも,北海道大会一般参加者延べ99名から,各発表課題のポスターや発表動画に対してコメントが寄せられ,チャット機能を活用した熱心な質疑応答が行われました.会長,大会運営委員長および土壌教育委員による審査の結果,最優秀賞として「トマトの水耕栽培により排出される根の残渣活用に関する研究―シマミミズによるリンの循環-(愛知県立安城農林高等学校 園芸科 施設野菜研修班 ),優秀賞として「ドローンを利用した土壌の乾燥過程マップの作成」(北海道士幌高等学校 アグリビジネス科),「エコロジカルサニテーショントイレによる糞便の堆肥化」(宮城県仙台二華高等学校 グローバルスタディ課題研究Ⅲ),「キシャヤスデの物理運動について」(山梨英和高等学校 自然科学部)が選ばれました.また,全課題に発表証明書を授与しました.全体の発表に関する講評および一部の受賞者の写真を土壌教育委員会のHPに掲載しています.
委員による活動を報告します.10月26日(火)に,狭山市内小学校の招聘講師(狭山市教育委員会)として福田顧問が出前授業を担当しました.第4学年3クラス(各クラス27名の合計81名)の「総合的な学習の時間」の授業を担当し、「土砂災害の起こるしくみから防災を考える」を実践しました.土壌モノリスによる断面観察及び表土・下層土・砂の違い(五感),土壌中の水移動観察,土砂崩れモデル実験(傾斜角と水量)などを行った後,児童らは観察・実験のまとめ,ハザードマップや土砂災害の前兆現象,雨量と災害発生状況などを参考にしながら防災についてのグループ討論,質疑,まとめ,発表を行いました.授業後の自由記載文から,多くの児童らは土砂災害発生のしくみを科学的に捉えて,防災の意義を深く学んでいたことが伺えました.
本欄では会員の皆様の土壌教育活動も紹介します.情報をお持ちの方は支部選出の土壌教育委員までお知らせください.なお,土壌教育委員会の現在の構成は公式ウェブサイト http://jssspn.jp/edu/ の「委員」をご確認ください.
(日本土壌肥料学雑誌 第92巻第6号 掲載)
土壌教育活動だより 92-5
委員による活動を報告します.7月11日に、丹羽委員(株式会社ズコーシャ)が千曲川ワインアカデミー(主催者:日本ワイン農業研究所「アルカンヴィーニュ」)において,「日本の土壌とワインづくり」の講座の講師をつとめました.講座は、ワイナリー,ヴィンヤード開設を希望していたり,ワインに関する造詣を深めたい受講生(会場参加23名,オンライン参加28名)を対象とし,座学で日本の土壌の特徴,醸造用ぶどうに関連する施肥標準と土壌診断,土壌水分と醸造用ぶどうの糖度・酸度との関係,さらに有機農業を科学的視点で解説しました.現地実習(会場参加者のみ)として開催場所周辺区域の土壌断面(黒ボク土、灰色台地土)を観察しました.7月24日(土)~7月30日(金)の9:30~12:00の間,狭山市内15小学校の児童(第4学年~第6学年)を対象とした科学実験教室「土の教室−土のふしぎを解き明かそう!」(各20名募集)を開催し(子どもゆめ基金助成,狭山市教育委員会後援),福田顧問が講師をつとめました(指導協力者2名).総計66名の参加があり,新型コロナウィルスによる感染症や熱中症などの防止に万全を期して,狭山市立水富公民館で実践しました.内容は,土の保水能や浄化能,土壌動物,地面の傾き・土の粒の大きさと水の流れ方・しみ込み方などを探究する観察・実験,話し合い・発表などを行いました.アンケート調査から,「楽しかった」,「土の理解が進んだ」,「土の実験が面白く,わかりやすかった」などとした児童が多く,ほぼ全員から「土に興味を持った」との感想があり,大きな収穫となりました.森圭子委員(埼玉県立川の博物館)は埼玉県立川の博物館において2021年7月25日から8月30日まで,「日本を代表する土、ちょっと珍しい土」と題してモノリス5点の展示を行いました.
支部における活動を報告します.中部支部では,7月18(日)に豊田市自然観察の森において「夏休みの自由研究に!土の不思議に迫る」を開催しました.参加者は,新型コロナ対応のため例年の半数程度に絞り,親子を中心に12名でした.講師は,礒井俊行氏・村野宏達氏(名城大学),岡村穣氏(元名古屋市立大学),小山博之氏(岐阜大学),瀧勝俊氏(愛知県農業総合試験場),山崎真嗣氏(岐阜県環境管理技術センター)の6名でした.内容は,森の中での植物と土の観察,室内実験(吸着・土壌動物),ミニモノリス作りでした.この事業は今回が15回目です.
本欄では会員の皆様の土壌教育活動も紹介します.情報をお持ちの方は支部選出の土壌教育委員までお知らせください.なお,土壌教育委員会の現在の構成は公式ウェブサイト http://jssspn.jp/edu/ の「委員」をご確認ください.
(日本土壌肥料学雑誌 第92巻第5号 掲載)
土壌教育活動だより 92-4
日本土壌肥料学会北海道大会初日の9月14日(火)に「高校生による研究発表会」を北海道教育委員会の後援で開催します.一般発表と同様にLINC Bizシステムを用いた発表形式で行い,コアタイムは16:30〜18:00です.全国の高校から18課題(10校)の発表が行われます.多くの方の参加と,活発な議論をお願い致します.
委員による活動を報告します.4月6日に,狭山市内学童クラブ主催の観察会が行われ,福田顧問(武蔵野学院大学)が講師をつとめました.小学生・保護者21名が参加し土掘り体験,断面観察,泥団子づくりなどを行いました.児童らは全員土掘りが初めての体験であり,泥団子づくりとともに親子で楽しんでいました.五感により,土の層位と土色・土性・硬度などを確認しました.5月6日(木)に狭山市立教育センターで狭山市内小中校長会(27校)が行われ,福田顧問が出前授業「土のふしぎを探る」の内容を紹介するプレゼンを行いました.小学校では「雨水の行方と地面の様子」など,中学校では「土壌断面観察」などの授業案を説明した.森圭子委員(埼玉県立川の博物館)は埼玉県立川の博物館において2021年5月2日から6月20日まで,「身近な土、世界の土」と題してモノリス10点の展示を行いました.また6月3日からは雲仙普賢岳の大規模火砕流発生から30年の節目に,当時発生した火砕流の堆積物を示すモノリスを併せて展示しました(6月末日まで).
本欄では会員の皆様の土壌教育活動も紹介します.情報をお持ちの方は支部選出の土壌教育委員までお知らせください.なお,土壌教育委員会の現在の構成は公式ウェブサイト http://jssspn.jp/edu/ の「委員」をご確認ください.
(日本土壌肥料学雑誌 第92巻第4号 掲載)
土壌教育活動だより 92-3
2021年5月より,土壌教育委員会委員3名と担当理事が交代しました.新しい委員および担当理事は以下の通りです.学会副会長:神山和則(農研機構),北海道支部:丹羽勝久((株)ズコーシャ),中部支部:小山博之(岐阜大学),担当理事:藤間充(山口大学,事務局長と兼任).日本土壌肥料学会2021年度北海道大会(2021年9月14日〜16日)の1日目に,北海道教育委員会の後援で「高校生による研究発表会」を開催します.発表形式は,LINC Bizによるオンライン発表です.詳細は、土壌教育委員会ホームページの「高校生の方へ」(http://jssspn.jp/edu/activity/info/posterinfo/)をご覧ください.
土壌教育委員会の活動を報告します.土壌教育委員会は,2021年5月15日(土)に2021年度第1回土壌教育委員会をオンライン(Zoom会議)で開催しました.議事の内容は,昨年度の事業報告および2021年度の事業と予算の確認,北海道大会における「高校生による研究発表会」の準備状況の確認,新学習指導要領の文言の精査と要望内容および土壌教育の国際ガイドラインに関する検討等でした.
次に,委員の活動を報告します.森圭子委員(埼玉県立川の博物館)は,2021年4月17日(土)に,埼玉県立川の博物館において2時間の体験教室「光る泥だんごづくり」を開催しました.荒木田土を用い,土を量りとってこねるところから仕上げの磨きの作業までを行いました.作業中は,粘土や土について解説しました.付き添いを含む参加者は18名でした.
本欄では会員の皆様の土壌教育活動も紹介します.情報をお持ちの方は支部選出の土壌教育委員までお知らせください.なお,土壌教育委員会の現在の構成は公式ウェブサイト http://jssspn.jp/edu/ の「委員」をご確認ください.
(日本土壌肥料学雑誌 第92巻第3号 掲載)
土壌教育活動だより 92-2
日本土壌肥料学会2021年度北海道大会(2021年9月14日~16日,北海道大学高等教育推進機構ならびにオンライン開催)において,「高校生による研究発表会」を開催します.開催日は,大会初日の2021年9月14日(火)です.発表形式は,LINK Bizによるオンライン発表です.参加申込の期日は2021年4月23日(金),講演要旨提出の期日は2021年5月28日(金)です.詳細は土壌教育委員会の公式ウェブサイトhttp://jssspn.jp/edu/をご覧ください.
本欄では会員の皆様の土壌教育活動も紹介します.情報をお持ちの方は支部選出の土壌教育委員までお知らせください.なお,土壌教育委員会の現在の構成は公式ウェブサイト(同上)の「委員」をご確認ください.
(日本土壌肥料学雑誌 第92巻第2号 掲載)
土壌教育活動だより 92-1
委員会の活動を報告します.土壌教育委員会は,ESD(Education for Sustainable Development)活動支援センターおよび文部科学省,環境省が主催する「ESD推進ネットワーク全国フォーラム2020」のバーチャルポスターセッションに出展しました.土壌教育委員会の公式ウェブサイトがバーチャルポスターセッションのウェブページにリンクされ,2020年12月19日(土)~2021年1月29日(金)まで公開されました.
次に委員による活動を報告します.森圭子委員(埼玉県立川の博物館),浅野眞希委員(筑波大学),藤井一至氏(森林総合研究所),平山良治氏(埼玉県立川の博物館),加藤拓氏(東京農業大学)は,世界土壌デーを記念して,国立科学博物館の日本館に常設展示されているモノリスについて解説した動画,「世界土壌デー2020応援動画~国立科学博物館 土壌標本解説~」を作成しました.動画は,国立科学博物館公式のかはくチャンネル,日本土壌肥料学会の公式ウェブサイト(http://jssspn.jp/info/notice/notice/post-4.html)から閲覧できます.
土壌教育活動だより 91-6
土壌教育委員会は,2020年10月11日(土)に2020年度第2回土壌教育委員会をオンラインで開催しました.委員会には,委員11名,顧問1名および担当理事の計13名が参加しました.議事の内容は,岡山大会における「高校生による研究発表会」の開催報告,来年度の事業の検討,土壌教育委員会公式ウェブサイトの更新,等でした.
委員による活動を報告します.2020年9月に,埼玉県寄居町内と埼玉県深谷市内の小学校(各1校)において,森圭子委員(埼玉県立川の博物館)が出前授業「地面をつくる土の粒と雨水の行方」を行いました.校内のグラウンドの土,砂場の砂,砂利,畑や植え込みの土を用いて,水の浸み込み方を調べました.2020年 10月18日(日),埼玉県立川の博物館において森圭子委員(同)がワークショップイベント「土と砂のちがいとは」を開催しました.砂と土の観察や,モノリスを使って土がどのように出来るかを説明し,土の中の生き物の観察などを通して,土は生き物を育む力があることを解説しました.申し込み不要の随時参加型のイベントで参加者は31名でした. 2020年10月24日(土),同博物館で体験教室「土の中の生き物を探せ!」を開催しました.博物館敷地内の木立で土を採取し,ハンドソーティング法による大型土壌動物の観察と,ツルグレン抽出法による中型土壌動物の抽出と観察を行いました.参加者は9名でした.
本欄では会員の皆様の土壌教育活動も紹介します.情報をお持ちの方は支部選出の土壌教育委員までお知らせください.なお,土壌教育委員会の現在の構成は公式ウェブサイトhttp://jssspn.jp/edu/の「委員」をご確認ください.
(日本土壌肥料学雑誌 第91巻第6号 掲載)
土壌教育活動だより 91-5
日本土壌肥料学会岡山大会初日の9月8日(火)に「高校生による研究発表会」を岡山県教育委員会の後援で開催しました.全国の高校から12課題(8校)の発表がありました.一般発表と同様にLINC Bizシステムを用いた発表形式の中,活発な議論と質疑応答が行われました.学会長および大会運営委員長,土壌教育委員の厳正な審査の結果,最優秀賞1課題:「H-08 サトイモの苗生産から栽培,加工品開発に関する研究―サトイモを逆さに植えたら,収量がアップ?―(山形県立村山産業高等学校)」,優秀賞3課題:「H-05 ため池の「池干し」がリン循環に与える影響―播磨地方における2 つのため池の比較―(兵庫県立加古川東高校)」,「H-07 香川中央高校における緑のカーテン(ゴーヤ,パッションフルーツ等)栽培の取り組み―H29年からR2年にかけての実践報告―(香川県立香川中央高等学校)」,「H-10 腐植含量の異なる有機質肥料の施用がタマネギの収量に与える影響(北海道岩見沢農業高等学校)」が選ばれました.また,参加賞として全課題に発表証明書を授与しました.全体の発表に関する講評は,学会および土壌教育委員会の公式ウェブサイトで公表しています.
委員による活動を報告します.2020年7月19日,埼玉県立川の博物館において,森圭子委員(埼玉県立川の博物館)がワークショップイベント「土は生きている?!」を催しました.参加者は47名でした.ヤスデやミミズなどの大型土壌動物,ツルグレン装置で抽出したトビムシなどの小~中型土壌動物の観察と,指示薬による色の変化から土の中の微生物の呼吸についての解説を行いました.2020年8月22日,調布市エコクラブの活動として,調布市多摩川自然情報館において「泥染め体験」が行われました.講師は平山良治氏,森圭子委員が務めました.タマネギの煮出し汁を媒染液に,調布市内の田んぼの土と黒ボク土を媒染剤にして布を染め,仕上がりの風合いの違いを体験してもらいました.また同時に赤い土を直接すりこんで染める方法も実施しました.
本欄では会員の皆様の土壌教育活動も紹介します.情報をお持ちの方は支部選出の土壌教育委員までお知らせください.なお,土壌教育委員会の現在の構成は公式ウェブサイトhttp://jssspn.jp/edu/の「委員」をご確認ください.
(日本土壌肥料学雑誌 第91巻第5号 掲載)
土壌教育活動だより 91-4
「高校生による研究発表会(岡山)」は,オンライン開催となりました.一般発表と同様にLINC Bizシステムを用いた発表会を実施します.発表,質疑応答の日時は,大会初日の9月8日(火)16:30~18:00です.コアタイム,発表形式の詳細は,日本土壌肥料学会ウェブサイト(年次大会のお知らせ)http://jssspn.jp/info/annual/,土壌教育委員会のウェブサイトhttp://jssspn.jp/edu/に順次掲載しますので,ご確認ください.
中部支部が長年実施してきた「土壌観察会」等の取り組みについて,愛知県および名古屋市が募集する「あいち・なごや生物多様性ベストプラクティス(2020年4月16日〆切)」へ応募した結果,グッドプラクティスに選定されました.中部支部の取り組みは,受賞事例として愛知県の広報媒体に掲載され,広く紹介されます.
委員による活動を報告します.2020年6月13日,埼玉県立川の博物館において森圭子委員(埼玉県立川の博物館)が「光る泥だんごづくり」を催しました.参加者は42名でした.コロナウィルス感染防止のため,磨く前の泥だんごを準備し,仕上げの削り方と磨き方を伝えて,短い時間で体験してもらいました.土は赤黄色土の赤い土を用いました.参加者の中には,自由研究を検討している児童もいました.
本欄では会員の皆様の土壌教育活動も紹介します.情報をお持ちの方は支部選出の土壌教育委員までお知らせください.なお,土壌教育委員会の現在の構成は公式ウェブサイトhttp://jssspn.jp/edu/の「委員」をご確認ください.
(日本土壌肥料学雑誌 第91巻第4号 掲載)
土壌教育活動だより 91-3
2020年4月より,委員会の構成が変わりました.2020年度・2021年度土壌教育委員会委員,顧問,担当理事は以下のとおり.委員長:隅田裕明(日本大学),副委員長:森圭子(埼玉県立川の博物館),事務局長:藤間充(山口大学),教材開発担当:村野宏達(名城大学),以上会長委嘱,齋藤雅典(東北大学名誉教授),北海道支部:三枝俊哉(酪農学園大学),東北支部:早川敦(秋田県立大学),関東支部:浅野眞希(筑波大学),中部支部:浅川晋(名古屋大学),関西支部:豊田鮎(香川大学),九州支部:浅野陽樹(鹿児島大学),顧問:福田直(武蔵野学院大学),顧問:平井英明(宇都宮大学),担当理事:赤羽幾子(農研機構).日本土壌肥料学会2020年度岡山大会(2020年9月8日〜10日)の1日目午後に,岡山県教育委員会の後援で恒例の「高校生による研究発表会」を開催する.岡山大会に参加される会員の方は,是非とも会場(倉敷市芸文館,岡山県倉敷市)まで足をお運びください.
土壌教育委員会の活動を報告する.土壌教育委員会は,2020年度第1回土壌教育委員会をメール会議で行った.また,2020年4月25日(土)にWeb会議を実施した.Web会議には,委員9名,顧問1名および担当理事の計11名が参加した.議事の内容は,昨年度の事業報告および今年度の事業と予算の確認,岡山大会における「高校生による研究発表会」の準備状況の確認,新学習指導要領の内容(文言)の精査と要望内容の検討等であった.
本欄では会員の皆様の土壌教育活動も紹介します.情報をお持ちの方は支部選出の土壌教育委員までお知らせください.なお,土壌教育委員会の現在の構成は公式ウェブサイトhttp://jssspn.jp/edu/の「委員」をご確認ください.
(日本土壌肥料学雑誌 第91巻第3号 掲載)
土壌教育活動だより 91-2
日本土壌肥料学会2020年度岡山大会(9月8日〜10日,倉敷市芸文館等)において,昨年に引き続き「高校生による研究発表会」を開催する.実施要項は2月28日に公開し,参加申込の期日は4月24日としている.詳細は土壌教育委員会の公式ウェブサイトhttp://jssspn.jp/edu/をご覧いただきたい.
委員による活動を紹介する.豊田鮎委員(香川大学)は,2019年11月9日に香川県公渕森林公園において開催された森林の土壌動物の観察会「みどりの学校」(主催:香川県)に講師として参加し,森林学習展示館にて土壌動物の抽出装置や土壌動物の展示を行い,土壌動物の役割について解説した.小学生と保護者のほか,野外調査に携わる方など27名の参加者とともに森林公園内において採集した土壌動物を展示館に持ち帰り,ハンドソーティングと顕微鏡観察を行った.2019年12月15日,豊田委員(同)は情報通信交流館 e-とぴあ・かがわにおいてナチュラルヒストリーの基礎講座「ヤスデとミミズの生態は似ているのか」(主催:NPO法人みんなでつくる自然史博物館香川,共催:香川県)に講師として参加し,ミミズとヤスデの暮らし方,土を食べ,土の部屋を作るヤスデについて紹介した.講座には37名の参加があった.福田顧問(武蔵野学院大学)は,2020年1月4日~6日に黒姫高原で実施された「スノーキャンプ」に実施責任者として参加した.主催は,けやの森幼稚園・自然塾および小学校であり,参加者は,福田顧問,幼稚園園長,教諭7名,自然塾スタッフ5名,幼稚園児16名,小中学生17名,高校生・大学生3名の計50名であった.活動内容は,スキー講習,自然観察,イグルーづくり体験等であり,福田顧問は自然塾塾長として自然観察を担当した.活動テーマ(土壌班)は「気温,雪中温度,積雪下土壌深度別温度(0~50 cm)の測定」と「土壌凍結深の観察」であった.班員13名は,観察・測定の結果から考察したものをまとめてポスターを作成・発表し,参加者と質疑応答を行った.
次に,支部の活動を紹介する.北海道支部は,2019年12月3日の支部秋季大会(北海道立道民活動センター「かでる2・7」)において「高校生による研究発表会」を開催した.北海道支部圏の高等学校から1課題「未来を担うオガクズの力」(札幌日本大学高等学校)がエントリーされ,当日は一般ポスター発表と同会場に高校生のポスターが掲示された.
本欄では会員の皆様の土壌教育活動も紹介します.情報をお持ちの方は支部選出の土壌教育委員までお知らせください.なお,土壌教育委員会の現在の構成は公式ウェブサイトhttp://jssspn.jp/edu/の「委員」をご確認ください.
(日本土壌肥料学雑誌 第91巻第2号 掲載)
土壌教育活動だより 91-1
委員会による活動を紹介する.土壌教育委員会は,(公財)日本環境協会「こどもエコクラブ」が主催する全国一斉活動「大地を感じ・大地を知る ジオアクションJAPAN」(http://www.j-ecoclub.jp/topics/info/201910101000.html)で使用するテキスト作成への協力と監修を行った.ジオアクションは,全国共通で行われる「どろだんご作り」と各クラブで自由に取り組む「フリー・ジオアクション」の2つが用意されており,2019年10月10日から2020年1月9日までを実施期間とした.「フリー・ジオアクション」には,落ち葉めくり,土の中の鉱物探し,土の保水性,土の吸着能,土壌呼吸などを調べる内容が盛り込まれた.
委員による活動を紹介する.平井英明顧問(宇都宮大学)と森圭子委員(埼玉県立川の博物館)は,2019年4月に開催された欧州地球科学連合年次大会(EGU,ウィーン)に参加し,General Soil Science部門:Building Inter-and Transdisciplinary Bridges in Soil Science: Honoring Lily Pereg1964-2019において,それぞれ土壌教育に関するポスター発表(Setting the target of soil education based on questionnaire survey to elementary school children: A case study in Tokyo and Tochigi, Japan)と口頭発表(Suggestion to future soil education in Japan considering the current Guidelines for Primary School)を行った.森圭子委員(同)は,2019年11月16日に埼玉県立川の博物館において,トビムシ・ダニ・ワラジムシ・クマムシなどの土壌動物を実体顕微鏡で観察するワークショップ「土の中の生き物を探せ!」を開催した.ワークショップには,39名の参加者があった.さらに,2019年12月1日には,世界土壌デー記念イベントとして赤・黒・黄土色などの土を使って和紙に絵を描く「土で絵を描こう」のイベントを行った.イベントには,未就学児~小学校中学年の14名の参加があった.
支部の活動を紹介する.関東支部は,2019年11月30日の支部大会(長野市生涯学習センター)において「高校生による研究発表会」を開催した.関東支部圏の高等学校から2課題(栃木県立鹿沼南高等学会、山梨県立韮崎高等学校)がエントリーされた.当日は高校生のポスター発表と一般のポスター発表が並行して行われた.高校生と支部会員との間で熱のこもった議論が交わされ,2課題ともに優秀賞が授与された.
最後に,会員による活動を紹介する.2019年8月20日,静岡県内の農業高校・総合高校の生徒4名と教員1名を対象とした令和元年高校生アカデミックチャレンジ・チャレンジラボ「視覚でとらえる土壌の素顔-土壌と肥料と環境問題」が静岡大学農学部で開催された.南雲俊之氏(静岡大学)が講師を務め,混合色素の分離実験により土壌のイオン吸着能の特徴を学びながら,パックテストによる簡易測定も組み合わせて肥料の有効利用や環境問題と結び付けて議論した.生徒が普段あまり行わない化学系実験に主体的に取り組み,普段の授業で得られない土壌と農業・環境問題とのかかわりについての知識や新たな気づきを見いだす有意義な1日となった.
本欄では会員の皆様の土壌教育活動も紹介します.情報をお持ちの方は支部選出の土壌教育委員までお知らせください.なお,土壌教育委員会の現在の構成は公式ウェブサイトhttp://jssspn.jp/edu/の「委員」をご確認ください.
(日本土壌肥料学雑誌 第91巻第1号 掲載)
土壌教育活動だより 90-6
委員による活動を紹介する.平井英明顧問(宇都宮大学)は,2019年9月7日(土)に栃木県立博物館が主催した観察会「カレーに変身!米物語~土ってすごイネ~」(宇都宮大学農学部附属農場)に企画立案者として協力し,当日は講師として参加した.観察会には,4家族13名(大人6名と子ども7名)と大学生4名の参加があり,5 gの白米の粒の数から,カレーライス1杯(白米70 gで炊飯米150 g)に含まれる「お米の粒」の数を計算した.水田圃場では,70 gの「お米の粒」に相当するイネの株を計測し,その株数を生産するために必要な面積を実際の水田で観察した.2019年10月18日(金),埼玉県高等学校生物研究会主催の教員研修会が埼玉県立春日部高等学校で開催され,福田直顧問(武蔵野学院大学)が講師として参加した.研修では,「土壌保全と地球の未来-SDGsと土壌教育」の題目で講習を行い,講習後は土壌実験を行った.参加者は,高校教員,博物館職員,実習助手,等,53名であった.講習後のアンケート調査では,「授業に活かせる内容であった」が9割近くに達しており,講習内容や実験内容に対する反響の大きさが伺えた.
次に,支部の活動を紹介する.中部支部では2019年7月21日(日)に豊田市自然観察の森において「土壌観察会-土の不思議にせまる!-」を開催した.講師として,礒井俊行氏(名城大学),岡村穣氏(元名古屋市立大学),瀧勝俊氏(愛知県農業総合試験場),堂本晶子氏(三重県農業研究所),大門奈那子氏(同),山崎真嗣氏(岐阜県環境管理技術センター)が参加した.参加者は親子を中心に25名であった.観察会の内容は,森の中での植物と土の観察,室内実験(吸着・土壌動物),ミニモノリス作りであった.本事業は,今回で14回目の開催である.2019年8月23日(金),中部支部は同場所において,愛知県立岡崎北高等学校コスモサイエンスコース1年生(38名)を対象とした「総合的な学習の時間」を岡崎北高校と共催,名古屋大学大学院生命農学研究科協賛で開催した.内容は,フィールドでの植生・土壌断面観察と室内実験(緩衝能・呼吸・土壌動物)であった.講師は,浅川晋委員(名古屋大学),渡邉彰氏(同),村瀬潤氏(同),渡邉健史氏(同),柴原藤善氏(同),岡村穣氏(元名古屋市立大学),瀧勝俊氏(愛知県農業総合試験場)の7名が担当した.本事業の開催は,今回で10回目である.
本欄では会員の皆様の土壌教育活動も紹介します.情報をお持ちの方は支部選出の土壌教育委員までお知らせください.なお,土壌教育委員会の現在の構成は公式ウェブサイトhttp://jssspn.jp/edu/の「委員」をご確認ください.
(日本土壌肥料学雑誌 第90巻第6号 掲載)
土壌教育活動だより 90-5
本学会は,昨年度に引き続き,男女共同参画学協会連絡会のオブザーバー加入団体として,令和元年8月10日(土)に国立女性教育会館(埼玉県嵐山町)で開催された「女子中高生夏の学校2019」のポスター展示・キャリア相談に出展した.当日は,森圭子委員(埼玉県立川の博物館),相崎万裕美理事(JAくまがや),松浦里江理事(東京都農業振興事務所),沢田こずえ氏(東京農工大学)の4名が参加し,研究分野の紹介と土壌断面標本の展示を行うとともに,女子中高生のキャリア相談に対応した.
土壌教育委員会の活動を報告する.静岡大会1日目の9月3日(火)午後に「高校生による研究発表会」を静岡県教育委員会の後援で開催した.全国より18課題(14校)のポスター発表と多数の高校生の参加があった.学会長および大会運営委員,土壌教育委員の審査により,最優秀ポスター賞1課題(青森県立名久井農業高等学校)および優秀ポスター賞3課題(学校法人静岡理工科大学 静岡北高等学校,山形県立村山産業高等学校,大阪府立農芸高等学校)が選ばれ,当日16:30より講評ならびに表彰式が行われた.
静岡大会3日目の9月5日(木)に「土壌教育の世界標準を日本から発信する~国際土壌の10 年の取組~」と題したミニシンポジウムを開催し,9課題の発表があった.総合討論では,波多野隆介学会長(北海道大学)をはじめとする各演者から,人類共通で教えたい「土」の内容について提案いただき,土壌教育の世界標準化に向けた議論が交わされた.
次に,委員による活動を報告する。福田直顧問(武蔵野学院大学)は,7月30日(火)~31日(水)に荒川支流・入間川源流域のブナ林において,土体験・水源地観察会を開催した.簡易な土の実験を交えながら,水循環と土の保水,表土と下層土の水の浸透速度の相違,おいしい水の生成などの解説を行った.当日の参加者は,幼稚園児21名,小学生5名,高校生2名,保護者・教師9名であった.8月8日(月)~9日(火)に,狭山市学童38名,保護者3名,教師7名,看護師1名,登山ガイド2名が参加する富士山登山・自然観察会が行われた.福田顧問は,生物相の垂直分布,森林限界と気候・土との関わり,先駆植物と土壌生成などの講話を行った.
本欄では会員の皆様の土壌教育活動も紹介します.情報をお持ちの方は支部選出の土壌教育委員までお知らせください.なお,土壌教育委員会の現在の構成は公式ウェブサイトhttp://jssspn.jp/edu/の「委員」をご確認ください.
(日本土壌肥料学雑誌 第90巻第5号 掲載)
土壌教育活動だより 90-4
2019年5月11日の学会役員の交代に伴い,土壌教育委員会委員が木村武先生から齋藤雅典先生(東北大学名誉教授)に交代した.日本土壌肥料学会2019年度静岡大会(9月3日〜5日,静岡大学農学部)で大会1日目に,静岡県教育委員会の後援で恒例の「高校生による研究発表会」を行う.静岡大会に参加される会員の方は,会場にぜひ足をお運びください.
土壌教育委員会の活動を報告する.2019年5月18日(土)に日本大学生物資源科学部(神奈川県藤沢市)にて2019年度第1回土壌教育委員会を開催した.委員会には,委員8名,顧問1名および担当理事の計10名が出席した.議事の内容は,昨年度の事業報告および今年度の事業と予算の確認,静岡大会における「高校生による研究発表会」の準備状況の確認,野外解説板の寄贈事業について等であった.
次に,委員による活動を紹介する.福田直顧問(武蔵野学院大学)は,2019年6月1日(土)に狭山市市民会館で開催された自然体験活動普及フォーラム「自然体験活動のすすめ」(後援:狭山市教育委員会,入間市教育委員会)に参加し,「環境リテラシーの育成の視点」の講演を行った.当日の参加者は240名であった.講演では,自然体験活動の意義,効果を話す中で,幼児期の土との触れ合いや児童・生徒期の土の観察・実験を踏まえた土の教育の重要性を述べた.また,日本・世界の土の現状,国際土壌年にも触れた.参加した親,教師から,土の教育をどう進めたらよいか等の質問があった.
本欄では会員の皆様の土壌教育活動も紹介します.情報をお持ちの方は支部選出の土壌教育委員までお知らせください.なお,土壌教育委員会の現在の構成は公式ウェブサイトhttp://jssspn.jp/edu/の「委員」をご確認ください.
(日本土壌肥料学雑誌 第90巻第4号 掲載)
土壌教育活動だより 90-3
日本土壌肥料学会2019年度静岡大会(9月3日〜5日,静岡大学農学部)初日に,静岡県教育委員会の後援を受け,恒例の「高校生による研究発表会」を開催する.実施要項は4月16日に公開し,参加申込の期日は6月12日としている.詳細は土壌教育委員会の公式ウェブサイトhttp://jssspn.jp/edu/をご覧いただきたい.
次に,委員による活動を紹介する.福田直顧問(武蔵野学院大学)は,2019年3月19日(火)に埼玉県立久喜工業高等学校において全校講演「21世紀の地球環境問題と人間活動-自ら考動する地球市民として-」を行い,様々な地球環境問題の一つとして土壌問題(土壌劣化・侵食、汚染)を取り上げ,生徒一人ひとりが土壌に関心を持ち,土壌の保全に向けた考動をすることが重要であることを解説した.
本欄では会員の皆様の土壌教育活動も紹介します.情報をお持ちの方は支部選出の土壌教育委員までお知らせください.なお,土壌教育委員会の現在の構成は公式ウェブサイトhttp://jssspn.jp/edu/の「委員」をご確認ください.
(日本土壌肥料学雑誌 第90巻第3号 掲載)
土壌教育活動だより 90-2
2019年4月より,中部支部推薦の土壌教育委員会委員が小川直人先生(静岡大学)から浅川晋先生(名古屋大学)に交代した.
次に,委員による活動を紹介する.福田直顧問(武蔵野学院大学)は,2018年11月2(金)〜3日(土)に中沢の林(日高市大谷沢)において指導者養成講座を開催し,幼稚園及び小学校,中学校教諭32名を対象に,土の教材づくりおよび土の断面観察を指導し,土壌の生成と機能に関する講義を行った.同じく福田顧問は,2019年1月26日(土)に狭山市立入間川小学校の学童クラブの31名(小学校1年〜6年)を対象に,土の実験と土の話(土って何,土はどうやってできるの,土のはたらき)を行った.
本欄では会員の皆様の土壌教育活動も紹介します.情報をお持ちの方は支部選出の土壌教育委員までお知らせください.なお,委員会の構成については公式ウェブサイトhttp://jssspn.jp/edu/の「委員」をご確認ください.
(日本土壌肥料学雑誌 第90巻第2号 掲載)
土壌教育活動だより 90-1
委員による活動を紹介する.2018年度神奈川大会3日目の公開シンポジウム「いま改めて問う,土をどう教えるか-土壌教育の再設計と未来の学習指導要領-」を開催した成果の一つとして,森圭子委員(埼玉県立 川の博物館)が東京都小学校理科教育研究会における領域別研究発表会「地球委員会」および同「生命委員会」を参観する機会を得た.平成30年10月22日(月)に開催された地球委員会では単元名「雨水の行方と地面の様子」が,11月6日(火)の生命委員会では単元名「生物と環境」が扱われ,これらの単元で土を教える取り組み方法や分かりやすい実験の必要性等について意見交換を行なった.
次に支部の活動を紹介する.関東支部は,平成30年12月1日(土)の支部大会(朱鷺メッセ 新潟コンベンションセンター)において「高校生による研究発表会」を開催した.当日は,関東支部圏の高等学校から3課題(3校)およびオープン参加の新潟農業大学校から1課題のポスター発表が一般発表と並行して行われ,高校生と支部会員との間で熱心な議論が交わされたた.大会に参加した支部会員の投票により,最優秀賞1課題(新潟県立長岡高等学校)および優秀賞2課題(栃木県立宇都宮白楊高等学校,新潟県立加茂農林高等学校)が選ばれた.また,新潟県農業大学校にはポスター賞が贈られた.関東支部では,来年度も同発表会の開催を予定している.
本欄では会員の皆様の土壌教育活動も紹介します.情報をお持ちの方は支部選出の土壌教育委員までお知らせください.なお,委員会の構成については公式ウェブサイトhttp://jssspn.jp/edu/の「委員」をご確認ください.
(日本土壌肥料学雑誌 第90巻第1号 掲載)
土壌教育活動だより 89-6
委員による活動を紹介する.平井英明顧問(宇都宮大学)は,平成30年9月6日(土)に宇都宮大学農学部附属農場において恒例の観察会「土と肥料の微妙な関係」を開催した.本観察会は栃木県立博物館とのコラボ企画で,運営には博物館の職員2名,宇都宮大学農学部の学生3名および赤羽幾子氏(農研機構)があたった.当日は大人7名と子ども6名(計13名)の参加があり,水田脇でカレーライス1杯の白米生産に必要な水稲株数と面積を見積もった後に,隣接する雑木林に移動して土壌断面の観察および土壌の保水性や気相を調べる実験を行なった.
次に,支部の活動を紹介する.中部支部は平成30年7月21日(土)に豊田市自然観察の森において「土壌観察会-土の不思議にせまる!-」を開催した.講師は,礒井俊行氏・村野宏達氏(名城大学),岡村穣氏(元名古屋市立大学),瀧勝俊氏(愛知県農業総合試験場),堂本晶子氏(三重県農業研究所),山崎真嗣氏(岐阜県環境管理技術センター)の6名であった.参加者は親子を中心に19名で,森の中での植物と土の観察,室内実験(吸着・土壌動物),ミニモノリス作りを行った(本事業は今回で13回目).同じく中部支部は8月24日(金)に豊田市自然観察の森において愛知県立岡崎北高等学校コスモサイエンスコース1年生(39名)を対象とした「総合的な学習の時間」を岡崎北高校と共催,名古屋大学大学院生命農学研究科協賛で開催した.講師は,浅川晋氏,渡邉彰氏,村瀬潤氏,渡邉健史氏,柴原藤善氏(名古屋大学),岡村穣氏(元名古屋市立大学),瀧勝俊氏(愛知県農業総合試験場)の7名が担当し,フィールドでの植生・土壌断面観察と室内実験(緩衝能・呼吸・土壌動物)を行なった(本事業は今回が9回目).
本欄では会員の皆様の土壌教育活動も紹介します.情報をお持ちの方は支部選出の土壌教育委員までお知らせください.なお,委員会の構成については公式ウェブサイトhttp://jssspn.jp/edu/の「委員」をご確認ください.
(日本土壌肥料学雑誌 第89巻第6号 掲載)
土壌教育活動だより 89-5
本学会は,男女共同参画学協会連絡会のオブザーバー加入団体として,平成30年8月10(金)に国立女性教育会館(埼玉県嵐山町)で開催された「女子中高生夏の学校2018」のポスター展示・キャリア相談に初出展した.当日は,森圭子委員(埼玉県立川の博物館),相崎万裕美理事(JAくまがや),鎌田淳氏(埼玉県農業技術研究センター),沢田こずえ氏(東京農工大学)の4名が参加し,研究分野の紹介と土壌断面標本の展示を行うとともに,女子中高生のキャリア相談に対応した.
次に土壌教育委員会の活動を報告する.神奈川大会2日目の8月30日(木)午前に「高校生による研究発表会」を神奈川県教育委員会の後援で開催した.全国より25課題(18校)のポスター発表と高校生約50名の参加があった.学会長および土壌教育委員の審査により,最優秀ポスター賞1課題(福岡県立糸島農業高等学校)および優秀ポスター賞3課題(早稲田大学高等学院,山梨県立韮崎高等学校,青森県立名久井農業高等学校)が選ばれ,当日午後に大講堂で学会賞等授賞式に先立ち表彰された.
神奈川大会3日目の8月31日(金)午後に「いま改めて問う,土をどう教えるか-土壌教育の再設計と未来の学習指導要領-」と題した公開シンポジウムを開催した.当日は一般も含め80名以上の参加があった.文部科学省教科調査官の鳴川哲也氏をはじめとする各演者の話題提供の後,総合討論では新学習指導要領の理念を念頭に,物質循環の機能の強調や新たな視点の必要性等について様々な意見が交わされた.
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(日本土壌肥料学雑誌 第89巻第5号 掲載)
土壌教育活動だより 89-4
日本土壌肥料学会2018年度神奈川大会(8月29日〜31日,日本大学生物資源科学部)で開催予定の土壌教育活動を2件紹介する.神奈川大会に参加される会員の方は,各会場にぜひ足をお運びください.
1) 大会2日目の8月30日(木)に,神奈川県教育委員会の後援で「高校生による研究発表会」を行う.本プログラムは2009年度京都大会以来の恒例行事だが,今回から「高校生ポスター発表会」の名称を変更して例年同様に開催する.当日はポスター発表Dゾーンを会場に,高校生が9時半〜11時に自分たちのポスター前で研究の説明および質疑応答を行い,引き続き同会場で講評を受け,午後に大講堂での表彰式に臨む.昨年を上回る24課題の発表が予定されているので,発表校や課題名等の詳細は土壌教育委員会の公式ウェブサイトhttp://jssspn.jp/edu/をご覧いただきたい.
2) 大会3日目の8月31日(金)午後に,公開シンポジウム「いま改めて問う,土をどう教えるか-土壌教育の再設計と未来の学習指導要領-」が開催される.当日は文部科学省教科調査官の鳴川哲也氏を招き,新学習指導要領への「土の粒」導入の経緯と本学会の対応を紹介するとともに,将来の学習指導要領で「土」を取り扱うための新たな視点の可能性(土壌教育の再設計)について議論する.講演者等の詳細は土壌教育委員会の公式ウェブサイトhttp://jssspn.jp/edu/をご覧いただきたい.
本欄では会員の皆様の土壌教育活動も紹介します.情報をお持ちの方は支部選出の土壌教育委員までお知らせください.なお,委員会の構成については公式ウェブサイトhttp://jssspn.jp/edu/の「委員」をご確認ください.
(日本土壌肥料学雑誌 第89巻第4号 掲載)
土壌教育活動だより 89-3
土壌教育委員会の活動を報告する.平成30年4月21日(土)に日本大学生物資源科学部(神奈川県藤沢市)にて平成30年度第1回土壌教育委員会を開催した.委員会には,委員10名,顧問1名,前事務局長および担当理事の計13名が出席した.議事の内容は,昨年度の事業報告および今年度の事業と予算の確認,神奈川大会における「高校生による研究発表会」の準備状況の確認,同じく神奈川大会における土壌教育関連のシンポジウムおよび「土の粒」指導案の今後の取り扱い,野外解説板の寄贈事業について等であった.
土壌教育にかかわる活動をされた会員の方は,支部選出の土壌教育委員までお知らせ下さい.委員会の構成は,公式ウェブサイトhttp://jssspn.jp/edu/の「委員のページ」をご覧ください.
(日本土壌肥料学雑誌 第89巻第3号 掲載)
土壌教育活動だより 89-2
2018年4月より,委員会の構成が変わりました.2018年度・2019年度土壌教育委員会委員,顧問,担当理事は以下のとおり.委員長:隅田裕明(日本大学),副委員長:田村憲司(筑波大学),事務局長:藤間充(山口大学),教材開発担当:村野宏達(名城大学),以上会長委嘱,木村武(JA全農),北海道支部:三枝俊哉(酪農学園大学),東北支部:早川敦(秋田県立大学),関東支部:森圭子(埼玉県立川の博物館),中部支部:小川直人(静岡大学),関西支部:豊田鮎(香川大学),九州支部:浅野陽樹(鹿児島大学),顧問:福田直(武蔵野学院大学),顧問:平井英明(宇都宮大学),担当理事:菅野均志(東北大学).
委員による土壌教育活動を紹介する.2017年11月3,4日,学習センター(日高市大谷沢)において「指導者養成講座」が開催され,自然観察と講義「秋の林を知る~自然のしくみについて~」が行われた.福田直顧問(武蔵野学院大学)が講師を担当した.参加者は,全国の保育園保育士,幼稚園教諭及び小学校教諭の計27名であった.隣接した雑木林内にて,ダンゴムシ・ミミズ探し,ドングリ探し,落葉のしくみ,落ち葉・ドングリのゆくえ,土の分解機能に関する観察を行った.2018年1月7~9日,黒姫高原において「イグルーキャンプ」が行われた.幼稚園児19名および小学生21名の計40名が参加した.小学生の課題では,雪と土をシャベルで掘り,深さ別に雪と土の温度を調べた.その結果を講師の福田直顧問が解説した.2018年1月20日,埼玉県立川の博物館において森圭子委員(埼玉県立川の博物館)が草木染めの媒染剤として田んぼの土と畑の土を用いる泥染めを行った.参加者は10名であった.土の違いにより,仕上がりの風合いが変わることを参加者に体験してもらった. 2018年2月14日,那須烏山市立境小学校(栃木県那須烏山市上境)の総合的な学習の時間において,小学4年生8名,小学5年生14名を対象に里山体験学習を実施した.講師・スタッフは,平井英明委員長(宇都宮大学),宇都宮大学農学部の大学生4名が務めた.各家庭で年間食べているお米の重さを調べ,お米を栽培するために必要な田んぼの面積を算出し,校庭にカラーコーン等を用いてその面積を再現した.その中で鬼ごっこを行い,米作りに必要な土地の面積を実感した.最後に,児童に里山と都市の写真を見せて,里山と都市の違いについて自由に感じた事柄を発表した. 2018年2月18日,埼玉県立川の博物館にて「土のはたらきを知ろう!」を森圭子委員が開催した.参加者は39名であった.シャーレやペットボトルに土を入れて観察し,土には色々な大きさのつぶ(団粒)があること,そして,すきまが生き物の生育する空間であることを森委員が解説した.
土壌教育にかかわる活動をされた会員の方は,支部選出の土壌教育委員までお知らせ下さい.委員の連絡先は,土壌教育委員会のウェブサイトhttp://jssspn.jp/edu/の「委員のページ」をご覧ください.
(日本土壌肥料学雑誌 第89巻第2号 掲載)
土壌教育活動だより 89-1
土壌教育委員会の活動を報告する.2017年3月に公示された新しい学習指導要領第4学年理科において「(3) 雨水の行方と地面の様子」が新設され,「雨水の行方と地面の様子について,流れ方やしみ込み方に着目して,それらと地面の傾きや土の粒の大きさとを関係付けて調べる活動」が明記された.本委員会では,「土の粒」の指導内容に関する作業部会を2017年6月に設置し,ウェブサイト等を通じて寄せられたコメントも参考にしつつ検討を重ね,本年1月に指導案「地面をつくる土の粒と雨水の行方」を公表した.本指導案は,学会長名で都道府県等教育委員会,教科書出版社および関連学会宛に送付され,関連する動画およびワークシートとともにウェブサイトに掲載されている.
次に委員による土壌教育活動を紹介する.①8月1~2日,雑木林(狭山市)で「林を活用した自然活動や観察・実験を考える」をテーマとした教員研修会に講師として参加した.参加者4~5人で班をつくり,林の中で観察・実験に活用できそうな題材や教材探しを行った.土に関しては,「林と畑,田んぼ,グラウンドの土の違いを探ろう」,「土を掘って断面を見てみよう」の2つが取り上げられた.②8月3日,武州ガスの「子どもエコ教室」に講師として招かれ,飯能市の森で「森林の土」の調査及び講話を行った.参加者は小学生13名と大人3名であった.現地では,土が層に分かれている様子や土の団粒構造を観察した.その後,日本の国土と森林,森林の役割及び多面的機能,里山(人工林)の変化,輸入材の増加,熱帯林の喪失と土壌流出など,図版を使って解説し,森が土をつくり,土が森を育てることを説明した.③8月19日,大妻嵐山女子中学・高等学校で土壌講座が開催され,講師を担当した.参加者20人に対し,「土とは何か」,「土の生成」,「土の機能」,「日本の土・世界の土」などの概要を説明後,様々な土壌と砂の5感を使った観察,土壌粒子実験,土壌吸着実験を行った.①~③について,福田直顧問(武蔵野学院大学)が担当した.
最後に支部の活動を報告する.昨年11月25日に開催された2017年度日本土壌肥料学会関東支部神奈川大会(日本大学生物資源科学部)において,支部主催の高校生ポスター発表会が開催された.当日は,関東圏内より7課題(5校)の発表があった.コアタイムでは,支部会員の鋭い指摘に対し,懸命に受け答えする高校生の様子が見受けられた.関東支部幹事の審査により,最優秀賞1課題(東京都立科学技術高等学校)および優秀賞2課題(埼玉県立熊谷西高等学校,山梨県立日川高等学校)が選ばれた.
土壌教育にかかわる活動をされた会員の方は,支部選出の土壌教育委員までお知らせ下さい.委員の連絡先は,土壌教育委員会のウェブサイトhttp://jssspn.jp/edu/の「委員のページ」をご覧ください.
(日本土壌肥料学雑誌 第89巻第1号 掲載)
土壌教育活動だより 88-6
土壌教育委員会の活動を報告する.仙台大会1日目の9月5日,平成29年度第2回土壌教育委員会を東北大学青葉山新キャンパスH会場(青葉山コモンズ第7講義室)において,委員8名および顧問,計9名の出席を得て開催した.平成29年度事業の進行状況の報告,2018-2019年度の支部委員選出,等について議論した. 土壌教育委員会が取り組んでいる「自然観察の森への観察板設置」事業について,今年度は北農会が保管する砂丘ポドゾルとその分布を解説する観察板の設置を三枝俊哉委員(酪農大学)が企画・担当し,平成29年10月19日に北オホーツク道立自然公園内ベニヤ原生花園前への土壌観察板設置および北海道枝幸郡浜頓別町への寄贈手続きを行った.土壌観察板の作成においては,平成29年6月19~21日に観察板設置地点の検討を行い,平成29年8月22~24日に代表断面の土壌調査(道立自然公園内国有地)を実施した.土壌調査においては,上川農試天北支場岡田支場長,浜頓別町教育委員会佐藤教育長,小山内次長,乾学芸員,水鳥観察館千葉主事,インターン高校生3名が同行し,視察した.
次に,委員による活動を紹介する.平成29年8月12日,ミュージアムパーク茨城県自然博物館が主催するイベント「飛び出せ!子ども自然教室『ピカピカ!泥だんごをつくろう』」に,田村憲司副委員長(筑波大学)が講師として参加した.イベントでは,土壌のはたらきを解説する紙芝居や,光る泥だんごづくりを行った.参加者は,小学生30名であった.平成29年9月3日,兵庫県立人と自然の博物館において「ひとはくKidsサンデー『光る泥だんごをつくろう!』」が開催され(主催:同博物館,連携:筑波大学土壌環境化学研究室),田村憲司副委員長が講師として,羽生一予氏,および段 雨濛氏(同)がスタッフとして参加した.本イベントでは,光る泥だんごをつくりながら,土壌の持つはたらきや,土壌の重要性について解説した.午前と午後,一回ずつ計2回の開催で,計30名の参加者を得た.
最後に,支部の活動を紹介する.中部支部では,豊田市自然観察の森(愛知県豊田市)において,平成29年8月22日に岡崎北高等学校コスモサイエンスコース2年生(39名),23日に同1年生(38名)を対象とした「総合的な学習の時間」を岡崎北高校と共催,名古屋大学協賛で開催した.内容は,フィールドでの植生・土壌断面観察と室内実験(緩衝能・吸着・呼吸・土壌動物)であった.講師は,浅川晋氏,渡邉彰氏,村瀬潤氏,渡邉健史氏(名古屋大学),岡村穣氏(元名古屋市立大学),小川直人氏,南雲俊之氏(静岡大学),瀧勝俊氏(愛知県農業総合試験場),村野宏達氏(名城大学)の計9名であった.この事業は,今回が8回目である.
土壌教育にかかわる活動をされた会員の方は,支部選出の土壌教育委員までお知らせ下さい.委員の連絡先は,土壌教育委員会のウェブサイトhttp://jssspn.jp/edu/の「委員のページ」をご覧ください.
(日本土壌肥料学雑誌 第88巻第6号 掲載)
土壌教育活動だより 88-5
土壌教育委員会の活動を報告する.仙台大会期間中の9月5日,東北大学大学青葉山新キャンパスのポスター会場にて,高校生ポスター発表会を開催した.全国より21課題(15校),多種多様な内容の発表があった.コアタイムでは,学会員の質問に高校生が熱心に答えていた.学会長,大会実行委員長および土壌教育委員の審査により,最優秀ポスター賞1課題(青森県立名久井農業高等学校)および優秀ポスター賞3課題(兵庫県立篠山東雲高等学校,北海道北見北斗高等学校,宮城県仙台二華高等学校)が選ばれた.表彰式では,犬伏学会長(千葉大学)より賞状と副賞が授与された.
次に委員による土壌教育活動を紹介する.1)7月16日,埼玉県立川の博物館の週末ワークショップ「土と砂って何がちがうの?」が開催され,砂・林の土・畑の土を用いた,土の粒の大きさ,土壌呼吸,保水力を比較する実験を行った.参加者は延べ60名であった.2)7月30日,同所の「夏祭り」のイベントの一つとして,「土の足ざわりを楽しもう」を実施した.畑の土と田んぼの土を足で踏み,土の感触を楽しんでもらう内容に計58名の参加があった.3)8月3日,同所にて,岩倉高校(東京都台東区)理科部合宿の実習として,土壌断面観察(埼玉県大里郡寄居町露梨子の黒ぼく土の畑)および,砂と断面の土を用いた土壌緩衝能の実験が行われた(生徒7名と引率教諭2名).4)8月27日,宇都宮大学農学部附属農場(栃木県真岡市)において,「泥だんごをつくろう!~あそんで学ぼう!土のひみつ~」が開催された(栃木県立博物館と共催).参加者は,幼児、児童とその保護者含めた計17名であった.農場内の雑木林の土壌断面から採取したA層,B層,C層(鹿沼軽石層)の土を用いて泥だんごを作成し,その後,その土壌断面を観察した.それぞれの層位の土およびコアを用いて,土の保水性や土の空気を実感する土壌実験を行い,表面が乾いた泥だんごをスプーン等で磨く作業を行った.1)~3)について,森圭子委員(埼玉県立川の博物館)が企画,講師を務めた.4)は,平井英明委員長(宇都宮大学)が企画を担当し,赤羽幾子委員(農環研)が当日スタッフとして参加した.1),3)において,村野宏達委員(名城大学)が,土壌観察等の様子を,4)では,土の中の空気を実感する土壌実験の動画撮影を行った.
最後に支部での活動を紹介する.中部支部では,7月23日に豊田市自然観察の森において「土壌観察会-土の不思議にせまる!-」を開催した(参加者は親子を中心に24名).講師は,礒井俊行氏(名城大学),岡村穣氏(元名古屋市立大学),瀧勝俊氏(愛知県農業総合試験場),大橋祥範氏(同),堂本晶子氏(三重県農業研究所),山崎真嗣氏(岐阜県環境管理技術センター)の6名であった.内容は,森の中での植物と土の観察,室内実験(吸着・土壌動物),ミニモノリス作りであった.この事業は,今回が12回目である.
土壌教育にかかわる活動をされた会員の方は,支部選出の土壌教育委員までお知らせ下さい.委員の連絡先は,土壌教育委員会のウェブサイトhttp://jssspn.jp/edu/の「委員のページ」をご覧ください.
(日本土壌肥料学雑誌 第88巻第5号 掲載)
土壌教育活動だより 88-4
土壌教育委員会の教員研修・普及事業を紹介する.2017年6月2~3日,埼玉県日高市・狭山市で開催された自然体験活動指導者養成講座(主催:けやの森自然塾)にて,福田直顧問(武蔵野学院大学)が講師を務め,里山林内の生態観察と講演を行った.参加者は,幼稚園教諭・小学校教諭・大学教員,合わせて32名であった.参加者は林内の植生,昆虫などの生物相の観察,土壌観察などを行った後,林内で見出した教材の指導内容及びその活用法をグループに分かれて話し合った.教材として,「土中の生きもの」,「土の感性を育てる」,「落ち葉の土化」,「土中の水のゆくえと循環」を取り上げたグループは,土に興味を持たせること,土の大切さを子ども達に伝えること,などの指導方法が難しいことを発表した.その後,講師による事例研究や土壌指導の重要性などの講演が行われた.
次に,仙台大会における取り組みを紹介する.平成29年9月5~7日に開催される日本土壌肥料学会2017年度仙台大会の1日目(9月5日(火))午後(16時以降)に,恒例の高校生ポスター発表会を開催致します.本大会では,15校22課題のエントリーがありました.仙台大会に参加する会員の皆様におかれましては,高校生ポスター会場に足をお運びになり,未来の土壌肥料研究者とディスカッションいただきますようお願い致します.会場およびポスタープログラムは,土壌教育委員会のウェブサイト(http://jssspn.jp/edu/activity/info/posterinfo/)で順次公開致します.
土壌教育にかかわる活動をされた会員の方は,支部選出の土壌教育委員までお知らせ下さい.委員の連絡先は,土壌教育委員会のウェブサイトhttp://jssspn.jp/edu/の「委員のページ」をご覧ください.
(日本土壌肥料学雑誌 第88巻第4号 掲載)
土壌教育活動だより 88-3
土壌教育委員会の事業活動を紹介する.平成29年3月19日に桐生自然観察の森(群馬県桐生市)にて,土壌解説板の寄贈式と土壌の観察会を行った.寄贈式では,桐生市より(一社)日本土壌肥料学会宛に感謝状が送られた.観察会では,田村憲司副委員長(筑波大学)が講師を務め,羽生一予研究員(同),筑波大学の学生2人が当日スタッフとして参加した.観察会への参加者は48名(大人18名,子供30名)であった.平成29年4月15日,(一社)日本土壌肥料学会 学会事務所(東京都文京区)にて平成29年度第1回土壌教育委員会を開催した.委員会には,委員11名と担当理事の計12名が出席した.議事の内容は,本年度事業計画と予算について,仙台大会での高校生ポスター発表会の概要,等であった.
土壌教育にかかわる活動をされた会員の方は,支部選出の土壌教育委員までお知らせ下さい.委員の連絡先は,土壌教育委員会のウェブサイトhttp://jssspn.jp/edu/の「委員のページ」をご覧ください.なお,平成29年度より小川直人氏(静岡大学)が中部支部選出の委員となりましたのでご注意下さい.
(日本土壌肥料学雑誌 第88巻第3号 掲載)
土壌教育活動だより 88-2
土壌教育委員会の教員研修・普及事業を紹介する.平成28年11月4日,埼玉県日高市中沢の雑木林において,自然体験活動指導者養成講座を保育士,幼稚園・小学校教諭の計35名を対象に実施した.福田直委員(武蔵野学院大学)が講師として参加した.講座では,「自然における土壌の役割」を講演し,森林階層構造と土壌構造,土壌断面などの観察を行った.平成28年11月26日,武蔵野学院大学・武蔵野短期大学において,「土のふしぎを考えよう」という題目で「子ども大学」を開催した.「子ども大学」は,地域の子どもを育てる仕組みを創るため,埼玉県が推進している事業である.小学校4年生~6年生(計47名)を対象に,「地球は土のわく星」,「土って何」,「土のはたらき」,「土の生きもの」,「土のしん食」,「土と食りょう」の講義と, 「いろいろな土の観察」,「土の粒子」,「土の吸着」の観察・実験を行った.参加した子どもたちからは,「土のふしぎをたくさん知り,地球の大切なものであることを学べてよかった.これから土に関心を持っていきたい」,「吸着実験で土と砂の違いがよくわかった」,「土にはまだわからない生きものがたくさん住んでいることを聞いて,土がしん食でなくなってしまうことは絶対にさけたい」といった感想が寄せられた.
次に委員による土壌教育活動を紹介する.平成29年2月15日,那須烏山市立境小学校(栃木県那須烏山市上境)において小学4年生15名,小学5年生11名を対象に里山体験学習を実施した.講師・スタッフは,平井英明委員長(宇都宮大学),宇都宮大学農学部の大学生4名であった.人々の命を支えている土の面積を実感するために,各家庭で食べている年間のお米の重さを調べ,それを,お米の収量(精米で400 kg/10a/年)を基に面積に換算する演習を行った.その後,「なすひかり」,「こしひかり」,「ゆうだい21」について,お米の試食を行った.最後に,児童に里山と都市の写真を見せて,里山と都市の違いについて自由に感じた事柄を発表した.里山には自然が多いことがよく理解できたという声が寄せられた.
土壌教育にかかわる活動をされた会員の方は,支部選出の土壌教育委員までお知らせ下さい.委員の連絡先は,土壌教育委員会のウェブサイトhttp://jssspn.jp/edu/の「委員のページ」をご覧ください.
(日本土壌肥料学雑誌 第88巻第2号 掲載)
土壌教育活動だより 88-1
土壌教育委員会の活動を報告する.平成28年12月3日(土),2016年度日本土壌肥料学会関東支部栃木大会(宇都宮大学峰キャンパス)おいて,支部大会では初めてとなる高校生ポスター発表会および社会貢献交流会を開催した.高校生ポスター発表会は,関東支部の主催(共催:土壌教育委員会,後援:栃木県教育委員会)で行われ,土壌教育委員会の平井委員長(宇都宮大学),森委員(埼玉県立川の博物館),赤羽事務局長(農業環境変動研究センター)が対応した.関東支部圏より6課題(4校)のエントリーがあった.ポスターコアタイムにおいては,一般の発表者と同様,奇数と偶数に分かれて発表する方式をとった.高校生と支部会員との間で熱心な議論が交わされた.関東支部幹事の審査により,最優秀賞1課題(山梨県立韮崎高等学校)および優秀賞1課題(埼玉県立熊谷西高等学校)が選ばれた.表彰式では,関東支部長の長谷川功先生(日本大学)より最優秀賞と優秀賞が授与された.関東支部では,来年度も引き続き高校生ポスター発表会の開催を予定している.社会貢献交流会には,5件(4団体)の展示参加があり,ポスター発表を行った高校生や引率教員もそれらの展示やその説明に熱心に耳を傾けていた.
次に委員による土壌教育活動を紹介する.平成28年12月4日(日),「土のつぶでアクセサリーづくり」が埼玉県立川の博物館のイベントとして開催された.小笠原の赤黄色土,博物館周辺の黒,灰,褐色の土などを材料として,アクセサリーパーツに木工用ボンドで色の異なる土壌団粒をつけて持ち帰るという内容であった.本イベントは,森圭子委員が企画,担当した.開催時間(2時間)中随時参加で,参加者は親子を中心に37名であった.また,平成28年12月18日(日)に,「土のはたらきを知ろう!」を同所で行った.土の中のすきまを調べるという実験のデモンストレーションで,ラップをかけた100 ccのコアを水槽にいれて穴をあけ,漏斗とメスシリンダーを用いて出てくる空気の量を測るというものであった.最後に土壌表層の大型薄片を見せて,土のすきまのまとめの話を行った.参加者は親子を中心に27名であった.
土壌教育委員会では,平成29年3月19日(日)10:00より,桐生自然観察の森(群馬県桐生市)にて土壌の観察会および野外解説板の寄贈式を行います.
土壌教育にかかわる活動をされた会員の方は,支部選出の土壌教育委員までお知らせ下さい.委員の連絡先は,土壌教育委員会のウェブサイトhttp://jssspn.jp/edu/の「委員のページ」をご覧ください.
(日本土壌肥料学雑誌 第88巻第1号 掲載)
土壌教育活動だより 87-6
土壌教育委員会の活動を報告する.平成28年度第2回土壌教育委員会を佐賀大会2日目の9月21日,佐賀大学本庄キャンパス1号館3F 135番において,委員9名および顧問,担当理事の計11名の出席を得て開催した.平成28年度事業の進行状況の報告,次年度の事業計画等について議論した.佐賀大会3日目の9月22日(祝日),佐賀大学本庄キャンパス2号館1Fロビーにて高校生ポスター発表会を開催した.全国より13課題(12校)の発表があった.ポスターコアタイムにおいては,高校生と会員との活発な議論が交わされた.土壌教育委員の審査により,ポスター賞1課題(兵庫県立篠山東雲高等学校)および優秀賞2課題(北海道立岩見沢農業高等学校,福岡県立糸島農業高等学校)が選ばれた.表彰式は2号館1F 211番にて行われ,平井委員長(宇都宮大学)より全課題に対し参加賞の記念品が手渡された後,間藤学会長(京都大学)よりポスター賞と優秀賞が授与された.土壌教育委員会では,来年9月の仙台大会における高校生ポスター発表会の開催を予定しています.次に,平成28年9月25日にイオン直営農場「三重いなべ農場」(三重県いなべ市)において開催された,「イオン チアーズクラブ ファーマーズプログラム」に協力した.本件は,礒井俊行委員(名城大学)が担当し,山崎真嗣氏(岐阜県環境管理技術センター)にご尽力いただいた.イオンチアーズクラブに所属する子どもたち14名に対し,山崎氏がキャベツ畑の土壌を用いてツルグレン装置と顕微鏡を用いた土壌動物の観察を,礒井委員が土壌空気および土壌の保水性の実験を行った.
委員による活動を紹介する.平成28年 9月10日,平井英明委員長,赤羽幾子委員(農環研)は,宇都宮大学農学部附属農場(栃木県真岡市)において,「土と肥料の微妙な関係」を開催した(栃木県立博物館と共催).参加者は,無肥料,化成肥料連用,堆肥連用,有機栽培条件で栽培されたコシヒカリ,ゆうだい21の稲株を用いて,米1粒から何粒に増えたかを計算した.また,水稲の根や土を観察し,それらの臭いを嗅ぐなどして,土が肥料によってどのように変化するかを体感していた.観察後は,希望者を対象に森林の土、荒木田土、鹿沼土を用いた光る泥だんご作りを実施した.
土壌教育にかかわる活動をされた会員の方は,支部選出の土壌教育委員までお知らせ下さい.委員の連絡先は,土壌教育委員会のウェブサイトhttp://jssspn.jp/edu/の「委員のページ」をご覧ください.
(日本土壌肥料学雑誌 第87巻第6号 掲載)
土壌教育活動だより 87-5
委員による土壌教育活動を紹介する.平成27年8月3日,日大生物資源学部で開催された高校生のための実験教室「バイオサイエンス・スクール2016」へ平井英明委員長(宇都宮大学)が出席した.参加者は高校生84名,中学生3名の計87名であった.平成28年8月27日,宇都宮大学農学部附属農場(栃木県真岡市)において,「泥だんごをつくろう!~あそんで学ぼう!土のひみつ~」を開催した(栃木県立博物館と共催).農場内の雑木林の土壌断面を観察した後,A層,B層,C層(鹿沼軽石層)の土を用いて泥だんごを作成した.参加者は,幼児2名,小学生8名,中学生1名,大人12名の計23名であった.本件は,平井英明委員長が企画を担当し,赤羽幾子委員(農環研)が当日スタッフとして参加した.
委員による教員免許更新講座を紹介する.平成28年6月,田村憲司委員(筑波大学)が「生態系における土壌の役割を考える―地球温暖化から環境教育まで―」のテーマで講師を担当した.平成27年8月19日,藤間充委員(山口大学)が「土壌を教材として利用し,土壌の機能を理解する」の題目で講義および観察・実験を行った. 平成28年8月25日,福田直委員(武蔵野学院大学)が講座「環境教育の視点を探る」を担当し,講義で国際土壌年を紹介するとともに,人間活動と地球環境,環境保全に向けた国際的な取組と行動(土壌保全など)等を解説した後,土壌動物の観察,土壌呼吸,土壌吸着能,土壌粒子の実験を行った.
土壌教育にかかわる活動をされた会員の方は,支部選出の土壌教育委員までお知らせ下さい.委員の連絡先は,土壌教育委員会のウェブサイトhttp://jssspn.jp/edu/の「委員のページ」をご覧ください.
(日本土壌肥料学雑誌 第87巻第5号 掲載)
土壌教育活動だより 87-4
土壌教育委員会は,日本土壌肥料学会2016年度佐賀大会の3日目,平成28年9月22日(木・祝)に,恒例の高校生ポスター発表会を開催します(エントリーは12校13課題).ポスター発表は11:30~12:30,表彰式は12:40~13:00です.佐賀大会に参加の方は,是非とも高校生ポスター会場に足をお運びになり,未来の土壌肥料研究者にアドバイス等をいただきますようお願いいたします.ポスター会場およびポスタープログラムは,土壌教育委員会のウェブサイト(http://jssspn.jp/edu/activity/info/announce201607.html)で公開しています.
土壌教育にかかわる活動をされた会員の方は,支部選出の土壌教育委員までお知らせ下さい.委員の連絡先は,土壌教育委員会のウェブサイトhttp://jssspn.jp/edu/の「委員のページ」をご覧ください.
(日本土壌肥料学雑誌 第87巻第4号 掲載)
土壌教育活動だより 87-3
土壌教育委員会の事業活動を紹介する.平成28年4月16日,東京工業大学キャンパスイノベーションセンター(東京都港区)において平成28年度第1回土壌教育委員会を開催した.委員10名および担当理事の計11名が出席した.委員会では,佐賀大会での高校生ポスター発表会の概要や小・中・高・大学生を対象とした土に関するアンケート調査の公表方針等が議論された.
次に今後の予定を紹介する.土壌教育委員会は,平成28年9月22日(木・祝日)に日本土壌肥料学会2016年度佐賀大会において恒例の高校生ポスター発表会を開催します.佐賀大会に参加の方は,高校生ポスター発表会場にも足をお運びになり,未来の土壌肥料研究者にアドバイス等をいただきますようお願いいたします.詳細は土壌教育委員会のウェブサイトhttp://jssspn.jp/edu/の「高校生ポスター発表会(佐賀)のお知らせ」をご覧下さい.
2016年度・2017年度土壌教育委員会委員,顧問,担当理事は以下のとおり.平井英明(委員長),田村憲司(副委員長),赤羽幾子(事務局長),村野宏達(教材開発担当,以上会長委嘱),木村武(学会副会長),三枝俊哉(北海道支部),佐々木由佳(東北支部),森圭子(関東支部),礒井俊行(中部支部),藤間充(関西支部),森裕樹(九州支部),福田直(顧問),菅野均志(担当理事).土壌教育にかかわる活動をされた会員の方は,支部選出の土壌教育委員までお知らせ下さい.委員の連絡先は,土壌教育委員会のウェブサイトhttp://jssspn.jp/edu/の「委員のページ」をご覧ください.
(日本土壌肥料学雑誌 第87巻第3号 掲載)
土壌教育活動だより 87-2
土壌教育委員会の事業および委員による土壌教育活動を紹介する.土壌教育委員会が3年前から取組んでいる「自然観察の森への土壌の観察板設置」事業に関して,一昨年のおおの自然観察の森(広島県廿日市市),昨年の豊田市自然観察の森(愛知県豊田市)に引き続き,今年度は仙台市太白山自然観察の森(宮城県仙台市)に土壌断面の説明等が書かれた野外観察板を寄贈した(平成28年2月26日).平成27年10月10日,武蔵野学院大学(埼玉県狭山市)で開催された武蔵野学院大学・武蔵野短期大学公開講座に,福田直委員(武蔵野学院大学)が講師として参加し,「2015年の「国際土壌年」を考える―土壌危機が叫ばれる今日,国連が決議した「国際土壌年」の目的・意義を考える―」の題目で講義を行った.参加者は53名であった.平成27年11月6~7日,レイシュウホール(埼玉県狭山市),日高市の雑木林で開催された自然体験活動指導者養成講座に福田直委員(武蔵野学院大学)が講師として参加した.参加者は53名(埼玉県内教師,記者他)であった.
中部支部の土壌教育活動を報告する.2015年11月21日,静岡大学農学部附属地域フィールド科学教育研究センター藤枝フィールドにて,静岡北高等学校理数科1年生(29名)を対象に,同校SSHプログラムの一環として「土壌圏フィールド科学講座」を開催した.講師は南雲俊之氏(静岡大学),鮫島玲子氏(同),八幡昌紀氏(同)の3名とアシスタントの学生が担当し,1)陽イオン・陰イオン吸着,2)土壌呼吸,3)土壌微生物の観察と平板プレート作成, 4)果樹の接木体験の4つの実習を提供した.本講座は,土壌による養分保持,栽培管理による微生物数や活性の変化,土壌と作物の接点である根に注目した接木技術等,土壌と農業とのかかわりを重視した内容となっており,参加した生徒の関心は非常に高く,後日(12月14日)開催された同校での成果発表会でも活発な議論が交わされた.
土壌教育にかかわる活動をされた会員の方は,支部選出の土壌教育委員までお知らせ下さい.委員の連絡先は,土壌教育委員会のウェブサイトhttp://jssspn.jp/edu/の「委員のページ」をご覧ください.
(日本土壌肥料学雑誌 第87巻第2号 掲載)
土壌教育活動だより 87-1
委員による活動を紹介する.平成27年 6月 11日,7月11,16日,9月18日,つくば市立茎崎学園茎崎中学校(茨城県つくば市)の科学部の生徒を対象に,つくば科学出前レクチャーを開催した.赤羽幾子委員(農環研)が講師を担当した.レクチャーでは泥だんごを題材に土壌の土性の違いを感じられるような実験および土壌断面観察等を行った.レクチャーでの成果を「光る泥だんごをつくろう!」の題目で平成27年10月31日~11月1日につくばカピオ(茨城県つくば市)で開催されたつくば科学フェスティバルに茎崎学園・農環研の連名でブース出展し,サイエンスコラボ賞を受賞した.平成27年10月31日,弘前大学理工学部および農学生命科学部(青森県弘前市)で弘前南高校の1,2年次生徒(40名)を対象に開催された「南陵サイエンスセミナーⅢ」において,松山信彦委員(弘前大学)が,土壌が持つ機能の測定に関する実験(参加者4名)を担当した.実験の内容は,土壌呼吸の測定,土壌緩衝能の測定,土壌の吸着能の測定であった.セミナーではスライドを用いて日本の土壌を解説した.平成27年12月12日,メルパルク松山(愛媛県松山市)で開催された関西土壌肥料協議会シンポジウム兼国際土壌年記念市民シンポジウムにおいて,藤間充委員(山口大)が「土壌に興味がわいてくる観察と実験」の題目で講演した.講演の中で土壌教育委員会が取り組んでいる土壌教育活動が紹介された.
土壌教育にかかわる活動をされた会員の方は,支部選出の土壌教育委員までお知らせ下さい.委員の連絡先は,土壌教育委員会のウェブサイトhttp://jssspn.jp/edu/の「委員のページ」をご覧ください.
(日本土壌肥料学雑誌 第87巻第1号 掲載)
土壌教育活動だより 86-6
土壌教育委員会の活動を報告する.平成27年8月24日~26日,埼玉県飯能市で開催された自然体験活動指導者養成講座に,福田直委員(武蔵野学院大学)が講師として参加し,土に関する講演および土壌観察実験,参加者を対象としたアンケート調査を行った.参加者は,埼玉県内外教師,自然観察指導者を含む29名であった.次に,平成27年9月9日(2015年土肥学会京都大会1日目),京都大学吉田キャンパス吉田南総合館1Fベルラウンジにて,「高校生ポスター発表会」を開催した.全国より13課題(8校)の発表申込みがあった(当日,台風接近により1課題が発表を取止めた).発表コアタイムを2時間設け,高校生と会員との活発な議論が交わされた.土壌教育委員の審査により,北海道岩見沢農業高等学校の発表課題「北海道岩見沢農業高等学校でのタマネギ栽培におけるリン酸とカルシウムの施肥が収量に及ぼす影響に関する研究」がポスター賞に選ばれた.コアタイム終了後,間藤学会長よりポスター賞の授与と,すべての発表課題に対する記念品の贈呈が行われた.土壌教育委員会では,来年9月,佐賀大会における高校生ポスター発表会の開催を予定しています.
委員による活動を紹介する.平成27年 9月 5日,平井英明委員長(宇都宮大学)・赤羽幾子委員(農環研)は,宇都宮大学農学部附属農場(栃木県真岡市)において,「土と肥料の微妙な関係」を開催した(栃木県立博物館と共催).参加者は,無肥料,化成肥料連用,堆肥連用,有機栽培条件で栽培された稲株を用いて,穂の数をカウントし,米1粒が何粒に増えたかを計算した.また,圃場から掘り取った水稲の根や土を観察し,手で触れ,その臭いを嗅ぐなどして,土が肥料によってどのように変化するかを体感していた.
土壌教育にかかわる活動をされた会員の方は,支部選出の土壌教育委員までお知らせ下さい.委員の連絡先は,土壌教育委員会のウェブサイトhttp://jssspn.jp/edu/の「委員のページ」をご覧ください.
(日本土壌肥料学雑誌 第86巻第6号 掲載)
土壌教育活動だより 86-5
土壌教育委員会の活動を紹介する.平成27年7月12日,千葉市富田都市農業交流センターにおいて,イオン株式会社グループ環境・社会貢献部,イオンリテール株式会社南関東カンパニー,日本土壌肥料学会関東支部,千葉大学の協力を得て,「土のひみつを探ろう!~国際土壌年2015企画~」を開催した.平井英明委員長(宇都宮大学)が企画を担当し,畑の土掘りや土の保水能、浄化能に関する実験を行った。参加者は,イオンチア-ズクラブに所属する子どもたち45名,コーディネータースタッフ9名であった.平成27年8月5日,日大生物資源学部で開催された「バイオサイエンススクール2015」へ平井英明委員長が出席した.参加者は高校生であった.平成27年8月6日,日大生物資源学部で開催された教員を対象とする「理科実験セミナー(日大博物館主催)」に平井英明委員長を講師派遣した.火山灰土を用いて泥団子作りと泥染め実験を行った.参加者は小・中・高校の教員および講師3名であった.
支部による活動を紹介する.中部支部では,平成27年7月19日に豊田市自然観察の森において「土壌観察会-土の不思議にせまる!-」を開催した.参加者は14名であった.講師は,岡村穣氏(名古屋市立大学),礒井俊行委員(名城大学),村野宏達氏(同),山崎真嗣氏(岐阜県環境管理技術センター),瀧勝俊氏(愛知県農業総合試験場)の5名であった.平成27年8月20日,岡崎北高等学校コスモサイエンスコース2年生(36名)を対象とした「総合的な学習の時間」を岡崎北高校と共催,名古屋大学協賛で開催し,フィールドでの植生・土壌断面観察と室内実験を実施した.講師は,岡村穣氏,浅川晋氏(名古屋大学),渡邉彰氏(同),村瀬潤氏(同),渡邉健史氏(同),瀧勝俊氏の計6名であった.
土壌教育にかかわる活動をされた会員の方は,支部選出の土壌教育委員までお知らせ下さい.委員の連絡先は,土壌教育委員会のウェブサイトhttp://jssspn.jp/edu/の「委員のページ」をご覧ください.
(日本土壌肥料学雑誌 第86巻第5号 掲載)
土壌教育活動だより 86-4
土壌教育委員会の活動を紹介する.平成27年5月17日に栃木県立博物館が企画した県博デーにおいて,「実験でわかる土の秘密」を栃木県立博物館(栃木県宇都宮市)にて開催した.土のクイズ,土の保水能に関する実験等を通して土の性質を体験する内容であった.平成27年5月30日に宇都宮大学附属農場(栃木県真岡市)にて,「生きている土~その世界を探る」を開催した.土の性質について,土壌断面観察や土の保水能に関する実験,田植えを通じて学ぶ内容であった.いずれも栃木県立博物館との共催であり,国際土壌年2015企画として平井英明委員長(宇都宮大学)が担当した.平成27年5月23日に逆面エコアグリ(宇都宮市逆面)にて,「土のひみつをさぐろう!(2015年国際土壌年記念講座)」を宇都宮市立東図書館と共催した.平井英明委員長が企画を担当し,田植え体験と雑木林での落ち葉めくり等を実施した.
次に今後の予定を紹介する.土壌教育委員会は,平成27年9月9日(水)に日本土壌肥料学会2015年度京都大会において恒例の高校生ポスター発表会を開催する(エントリーは8校13課題).京都大会に参加の方は,高校生ポスター発表会場にも足をお運びになり,未来の土壌肥料研究者にアドバイス等をいただきますようお願いいたします.詳細は土壌教育委員会のウェブサイトにて随時更新いたします.
土壌教育にかかわる活動をされた会員の方は,支部選出の土壌教育委員までお知らせ下さい.委員の連絡先は,土壌教育委員会のウェブサイトhttp://jssspn.jp/edu/の「委員のページ」をご覧ください.
(日本土壌肥料学雑誌 第86巻第4号 掲載)
土壌教育活動だより 86-3
土壌教育委員会の事業活動を紹介する.平成27年3月に瀧勝俊委員(中部支部選出)が担当となり土壌観察板を豊田市自然観察の森(愛知県豊田市)に寄贈・設置した.平成27年4月11日につくばカピオ(茨城県つくば市)で平成27年度第1回土壌教育委員会を委員全員(11名)の出席を得て開催した.委員会での主な討議内容は(1)小・中・大学生を対象とした土に関するアンケート調査(国際土壌年企画)と(2)京都大会での高校生ポスター発表会の実施要領の検討であった.
次に今後の予定を紹介する.土壌教育委員会は,平成27年9月9日(水)に日本土壌肥料学会2015年度京都大会において恒例の高校生ポスター発表会を開催する.京都大会に参加の方は,高校生ポスター発表会場にも足をお運びになり,未来の土壌肥料研究者にアドバイス等をいただきますようお願いいたします.詳細は土壌教育委員会のウェブサイトの「高校生ポスター発表会(京都)のお知らせ」をご覧下さい.
土壌教育にかかわる活動をされた会員の方は,支部選出の土壌教育委員までお知らせ下さい.委員の連絡先は,土壌教育委員会のウェブサイトhttp://jssspn.jp/edu/の「委員のページ」をご覧ください.
(日本土壌肥料学雑誌 第86巻第3号 掲載)
土壌教育活動だより 86-2
土壌教育委員会の事業および委員による土壌教育活動を紹介する.
平成27年1月29日,小崎隆会長(首都大学東京),平井英明委員長(宇都宮大学)が文部科学省初等中等教育局を訪問し,学習指導要領の次期改訂に向けた「土壌教育に関する要望書」を提出した.要望内容は,学習指導要領の中に,土壌に関する指導項目を盛り込むこととした.指導項目の詳細は以下に示す.①小学校においては,第3学年の理科で1998年に削除された「石と土」の項目を学習指導要領に復活すること,②中学校においては,理科第2分野の中で土壌動物に触れる際に,「土壌呼吸」を関連する項目として取り上げること,③高等学校においては,「土壌断面」を生物基礎,あるいは生物において取り上げること.
平成27年2月18日,栃木県那須烏山市境小学校において,里山授業を平井英明委員長(宇都宮大学)が行った.参加者は小学校4年生10名,教員2名,宇都宮大農学部土壌学研究室の3年生2名がボランティア参加した.授業内容は,次のとおりであった.一年間に家族で食べているお米の重さと,そのお米を生産している水田の面積を計算した.次に体育館に移動して,水田の面積(4 a)を実感するために,一辺20 mの正方形を10 mの位置にカラーコーンを置きながら描いた.描いたカラーコーンを目印として,20メートル競走をしたり,鬼ごっこをしたりしてお米を生産している水田の面積を実感した.その後,里山で栽培した3種類のお米(コシヒカリ,なすひかり,ゆうだい21)の食味検査を行った.最後に,里山と都市の違いを自由に発言してもらい,里山には自然がいっぱいであるとともにエネルギーにあふれていることとそれらを支えている土の重要性を伝達した.
土壌教育にかかわる活動をされた会員の方は,支部選出の土壌教育委員までお知らせ下さい.委員の連絡先は,土壌教育委員会のウェブサイトhttp://jssspn.jp/edu/の「委員のページ」をご覧ください.
(日本土壌肥料学雑誌 第86巻第2号 掲載)
土壌教育活動だより 86-1
委員による活動を紹介する.8月25日~27日,2泊3日で「親子でチャレンジ富士登山」が開催され,福田直委員(武蔵野学院大学)は塾長兼環境アドバイザーとして参加した.参加者は子ども12名(小学生),親13名,スタッフ7名,看護師3名,山岳ガイド2名の合計37名であった.福田委員は登山,下山の途中あるいは宿泊先の夜の会議の中で富士山の動植物,地質・土壌,気象などについて,子ども達と親に解説した.参加者は「土と植生」や「火山灰と土」に関心が高かった.同委員は11月1日(9:30~16:00),埼玉県日高市大谷沢の平地林(午前)及び狭山市のレイシュウホール(午後)で教員研修会を開催した.当日の朝は雨模様であったが(午前中に曇りとなった),埼玉県をはじめ東京都,神奈川県,千葉県,静岡県など各地から35名の教員が参加した.午前は針広混交林の階層構造,林床,土壌断面,動植物生態などの観察,午後は班毎に「いろいろな土色」と「カナヘビの行動,体の観察調査,食物網の追跡」の課題に取り組み,まとめ,発表,アンケート調査などを実施した.同委員は12月22日(9:00~10:30),埼玉県立いずみ高等学校で開催された環境ISO講演会「埼玉の自然とその成り立ち」において,埼玉県の地形・地質・気象・動植物分布・土壌・産業など,パワーポイントを使って講演した.講演の中で,世界の土壌危機や「国際土壌年」についても触れた.講演会の対象者は,生徒・教職員・保護者であった.
土壌教育にかかわる活動をされた会員の方は,支部選出の土壌教育委員までお知らせ下さい.委員の連絡先は,土壌教育委員会のウェブサイトhttp://jssspn.jp/edu/の「委員のページ」をご覧ください.
(日本土壌肥料学雑誌 第86巻第1号 掲載)
土壌教育活動だより 85-6
支部による活動を紹介する.中部支部では,7月20日に豊田市自然観察の森において「土壌観察会-土の不思議にせまる!-」を開催した(参加者は大人11名,子供11名).講師は,岡村穣氏(名古屋市立大学),礒井俊行氏(名城大学),加藤雅彦氏(岐阜大学),山崎真嗣氏(岐阜県環境管理技術センター),中川威佐夫氏(三重県農業研究所),大橋祥範氏,瀧勝俊委員(愛知県農業総合試験場)の7名であった.豊田市自然観察の森における土壌観察会は,今回が9回目である.また,8月21日に岡崎北高等学校コスモサイエンスコース2年生(34名)を対象とした「総合的な学習の時間」を岡崎北高校と共催で開催し,フィールドでの植生・土壌断面観察と室内実験を実施した.講師は,岡村穣氏(名古屋市立大学),浅川晋氏,渡辺彰氏,村瀬潤氏,渡邉健史氏(名古屋大学),池田彰弘氏,瀧勝俊委員(愛知県農業総合試験場)の計7名であった.北海道支部では,10月11日(10:00~12:00),長沼町民会館(北海道夕張郡長沼町)で開催された「青少年のための科学の祭典第5回長沼大会」に参加した。日本土壌肥料学会土壌教育委員会もこれに協賛し,橋本均氏(道総研中央農試)・板垣氏(道総研中央農試)・筒木潔委員(帯広畜産大学)が「土の不思議を探る」と題して,3種類の土への青インクの吸着実験を実施した。「土の不思議を探る」のブースには,26名の小学生が参加した。実験の内容は,砂(砂場の土)と粘土(長沼の農業試験場の土)と火山灰(十勝の土)をろ紙+ロートに入れてから青インクを注ぎ,水が落ちてくる速さ,試験管に集まった水の量と青い色の濃さを比較し,土ごとの透水性,保水性,吸着性を比較するものであった。1回20分くらいの実験を4回繰り返し,用意した全ての試料を使い切ってしまったあとも,希望者が訪れるほどの大盛況であった。その様子は,日本土壌肥料学会北海道支部HPのお知らせ(http://hokkaidojsspn.web.fc2.com/pdf/14kagaku_saiten_report.pdf)にて報告されている。
土壌教育にかかわる活動をされた会員の方は,支部選出の土壌教育委員までお知らせ下さい.委員の連絡先は,土壌教育委員会のウェブサイトhttp://jssspn.jp/edu/の「委員のページ」をご覧ください.
(日本土壌肥料学雑誌 第85巻第6号 掲載)
土壌教育活動だより 85-5
土壌教育委員会では,2014年2月に発行した新版「土壌の観察・実験テキスト-土壌を調べよう!-」を8月に1000部,増刷した.増刷にあたり,表紙および裏表紙に「2015国際土壌年(International Year of Soils 2015)」の解説を記載した.9月9~11日に開催された日本土壌肥料学会2014年東京大会において,約450部が配布された.今後,各地の観察会やイベントで活用することを目的に,希望する会員への配布も行う.
日本土壌肥料学会2014年度東京大会開催期間中の9月9日(大会1日目)に,「高校生ポスター発表会」を東京農工大学小金井キャンパス科学博物館3Fで開催した,全国の高等学校から9課題(5校)が発表された.発表コアタイムを1時間設け,高校生と会員との活発な議論が交わされた.コアタイム終了後,小﨑隆会長(首都大学)より賞状および記念品の授与が行われた.最後に,平井英明委員長(宇都宮大学)より講評があった.土壌教育委員会では,来年9月に京都での高校生ポスター発表会開催を予定している.
委員による活動を紹介する.平井英明委員長(宇都宮大学)・赤羽幾子委員(農環研)は,9月6日に宇都宮大学農学部附属農場(栃木県真岡市)において,「土と肥料の微妙な関係」を開催した(栃木県立博物館と共催).参加者は4家族(大人6名,子ども6名)であった.また,栃木県教育委員会の指導主事の参加もいただいた.実施内容は,1)肥培管理の異なる試験田からコシヒカリとゆうだい21を掘り取り,1株あたりの籾数を数える,2)1株(3粒のお米)の籾数から,1粒のお米が何倍に増えるかを計算する,3)1年間に消費しているお米の量を計算する,4)1年間に食べているお米の面積を地面に描く,5)掘り出した稲株についている土のにおいを嗅いだり,色を観察する,6)掘り出した稲株の根元を洗い,根を観察する,であった.参加者は稲の穂数を実測することで,年間にどのくらいお米を消費するか,またお米を栽培するためにはどのくらいの面積が必要かを体感していた.また,異なる肥培管理で栽培された稲や土を観察することで,土作りと農作物の生育との関係について理解が深まったようだった.平井英明委員長(宇都宮大学)は,日本土壌肥料学会2014年東京大会におけるシンポジウム「『新たな土壌-社会関係を探して』-国際土壌年(IYS)2015に向けて-」において,「土を教える活動からわかったこと」を講演し,小学校低学年における土壌教育の重要性を小・中・高・大学生に実施した土に関するアンケート調査結果を用いて報告した.
土壌教育にかかわる活動をされた会員の方は,支部選出の土壌教育委員までお知らせ下さい.委員の連絡先は,土壌教育委員会のウェブサイトhttp://jssspn.jp/edu/の「委員のページ」をご覧ください.
(日本土壌肥料学雑誌 第85巻第5号 掲載)
土壌教育活動だより 85-4
委員による活動を紹介する.平井英明委員長(宇都宮大学)・赤羽幾子委員(農環研)は,5月31日に宇都宮大学農学部附属農場(栃木県真岡市)において,「生きている土~その世界を探る」を開催した(栃木県立博物館と共催).参加者は小学生3名,幼児1名,大人4名,大学生3名,博物館担当者4名であった.その内容は,森林土壌の断面や落ち葉下の小動物の観察,土の保水力を学ぶ実験,水田にて水稲苗の手植え,であった。その様子は,博物館ブログ(http://www.muse.pref.tochigi.lg.jp/news/2014/06/post_228.html)に掲載されている.6月7日(土)に教員研修会「林の腐植層と土壌動物」(日高市,狭山市)が開催され,午前中にスギ・ヒノキ林と雑木林の区分における落葉・腐植層,土壌層の観察,土壌動物の採集,午後から土壌動物の種別生息数を調べ,2区分の比較考察,ミミズの観察,土壌講義後,意見交換等を行った.講師は福田直委員(武蔵野学院大学)が担当し,参加者は38名であった.
次に会員による活動報告をする.森圭子氏(埼玉県立川の博物館)は,埼玉県立川の博物館にて3月21,23日および5月4~6日に開催された博物館春祭りおよびGWまつりにおいて,「砂の粒がわかるかな?」クイズを行った.その内容は,ブラインドボックスに入れた3種類の土(河原,草地,畑)に触れてもらい,砂粒の多いものからあてる,であった.クイズ後は,モノリスを見せながら,土の採取場所について解説した.参加者は,計271名であった.同氏(同)は同博物館おいて,4月20日に学芸員ワークショップ「土のはたらき」を開催し,実験のデモンストレーションを通して,土のはたらきを解説した.参加者は計19名であった.また,同氏(同)は,同博物館において5月10日に,かわはく体験教室「落ち葉をめくってみよう!土の不思議教室」を実施した.内容は,屋外にて林地の土壌断面および落ち葉下の観察,河原のモノリスと表層の砂の観察,室内において,土のすきまを調べる実験,ツルグレン装置を使った土壌動物の観察,であった.参加者は子供(4歳~小6)7名,保護者9名であった.
土壌教育委員会では,平成26年度の事業として,日本土壌肥料学会東京大会において,高校生ポスター発表を企画します.日時は,平成26年9月7日(火)16時00 分~17時30分です.遠方など事情により会場まで来られない場合は,掲示のみの発表でも結構です.会員の皆様方からのご案内を是非お願いいたします (「詳細は土壌教育委員会のウェブサイトhttp://jssspn.jp/edu/「高校生ポスター発表会のお知らせ」をご覧ください.).
土壌教育にかかわる活動をされた会員の方は,支部選出の土壌教育委員までお知らせ下さい.委員の連絡先は,土壌教育委員会のウェブサイトhttp://jssspn.jp/edu/の「委員のページ」をご覧ください.
(日本土壌肥料学雑誌 第85巻第4号 掲載)
土壌教育活動だより 85-3
土壌教育委員会の事業および委員による土壌教育活動を紹介する.田村憲司委員(筑波大学)は平成26年3月29日,おおの自然観察の森(広島県廿日市市)において,羽生一予氏(同),小熊宏一郎氏(同),佐々木規衣氏(同)と共に,土壌観察板の設置および土壌観察会を行った.観察会では,土壌観察の紙芝居,野外における土壌断面観察,土壌の浄化実験,土壌のミニモノリス作製を実施した.観察会の参加者は32名であった.田中治夫氏(東京農工大学院)・平井英明委員長(宇都宮大学)・赤羽幾子委員(農環研)は,第54回科学技術週間イベントとして,平成26年4月20日(日)に東京農工大学小金井キャンパス科学博物館本館において,子供科学教室「光る泥だんごをつくろう!」を開催した(東京農工大学科学博物館と共催).内容は,乾燥させた土(荒木田土、赤玉土、黒土)に水を添加して,泥団子を作る過程,あらかじめ準備しておいた泥団子を乾燥させた半乾燥の泥団子を金属製のスプーンで磨いて光らせる過程,さらに乾燥させた泥団子を活用した硬度計を用いた硬度の測定,ノギスを用いた乾燥した泥団子の体積を求める実験,そして泥団子を水に沈めてあふれ出る水の体積を測定する実験,どの高さから泥団子を落とすと割れるかを測定する実験を行った.参加者は,小学校1年生~4年生とその保護者の計65名であった.
土壌教育委員会では,平成26年度の事業として,日本土壌肥料学会東京大会(9月9日~11日)において,高校生ポスター発表を企画します.一つでも多くの発表を期待しておりますので,会員の皆様方からのご案内を是非お願いいたします.
土壌教育にかかわる活動をされた会員の方は,支部選出の土壌教育委員までお知らせ下さい.委員の連絡先は,土壌教育委員会のウェブサイトhttp://jssspn.jp/edu/の「委員のページ」をご覧ください.
(日本土壌肥料学雑誌 第85巻第3号 掲載)
土壌教育活動だより 85-2
土壌教育委員会では,3月,「土壌の観察・実験テキスト-自然観察の森の土壌断面集つき-」を1000部,作製,発行した.このテキストは,2006年に発行した「土壌の観察・実験テキスト-土壌を調べよう!-」の一部を修正し,付録として全国10か所の自然観察の森の断面集を収録して作製したものである.今後,各地の観察会で活用するとともに大会などで希望する会員への配布も行う.また,広島おおの自然観察の森に,土壌断面の説明等が書かれた野外観察板を設置し,それに併せ寄贈式および土壌の観察会を行った.
会員の活動を紹介する.宇都宮大学農学部土壌学研究室の学生5名(指導教員:平井英明氏)は,2月24日,栃木県那須烏山市立境小学校において里山授業を実施した.対象は,4年生と5年生の34名であった.内容は,①家族が食べているお米の面積の計算と体感,②異なる品種の米の食味試験,③身近な里山と都会の相違に関する意見交換,④里山の大切さをスライドを用いて小学生に伝えるという内容であった.特に①では,米を生産する土台となっている土の恩恵を実感できる内容とした.福田直氏(武蔵野学院大学)は,11月30日,埼玉県狭山市智光山公園で開催された「子ども大学さやま」において,「狭山の自然について5感を使って観察しよう!~見て・触れて・聞いて・嗅いで・味わって観察~」を実施した.参加者は小学生53名,保護者21名であった.内容は,①土壌断面作成・観察,②土の色や感触・匂い,落ち葉のゆくえ,土の生物探しなどの体感③実験室での土壌動物の観察④土に関する講話であった.また,同氏は,1月21日,埼玉県立岩槻高等学校において,「21世紀の地球課題-食糧問題と土壌-」と題した講演を行った.対象は,国際文化科の生徒であった.講演後,生徒たちは,飢餓人口10億人,地球耕作地の4割劣化,表土侵食,古代文明と土壌などの内容に強い関心を寄せていた.
平成26年度土壌教育委員会委員,学会担当理事は以下のとおり.平井英明(委員長),田村憲司(副委員長),菅野均志(HP担当),福田直(以上会長委嘱),安西徹郎(学会副会長),筒木潔(北海道支部),松山信彦(東北支部),赤羽幾子(関東支部:事務局長),瀧勝俊(中部支部),藤間充(関西支部),森裕樹(九州支部).田中治夫(担当理事).
土壌教育にかかわる活動をされた会員の方は,支部選出の土壌教育委員までお知らせ下さい.委員の連絡先は,土壌教育委員会のウェブサイトhttp://jssspn.jp/edu/の「委員のページ」をご覧ください.
(日本土壌肥料学雑誌 第85巻第2号 掲載)
土壌教育活動だより 85-1
会員の活動を紹介する.森裕樹氏(九州大学)は,10月17日に,熊本県において,九州大学SOWACプロジェクトの一環として開催された「Field Excursion to Aso region,Kumamoto,Japan」において,火山灰土壌の解説および阿蘇・九重エリアの露頭観察を行った.参加者は,外国からの訪問研究者,学生,教員合わせて15名であった.また,同氏は,10月26日に九州大学において,熊本県立第二高等学校の生徒に対して,「スーパーサイエンスハイスクール実験・実習体験講座」の講師を務めた.内容は,「セシウムで理解する土壌中元素の化学形態の重要性」と題し,土壌中にある元素の植物への吸収についての解説と実験を行った.実験では,様々な土壌や鉱物などに対するセシウムの吸着実験を行い,土壌の種類や含まれる鉱物によってセシウムの吸着能が異なり,それが植物に対する移行性に影響することを体験させた.福田直氏(武蔵野学院大学)は,10月26日に,埼玉県狭山市において,野外活動研修会を開催した.午前は,「雑木林における体験活動ー空気・水・土・生物を考えるー」を実践し,午後は,「自然体験活動の役割と実際」「幼児期の土の遊びとその意義」と題して講演を行った.参加者は,幼稚園,小学校教諭25名であった.
土壌教育にかかわる活動をされた会員の方は,支部選出の土壌教育委員までお知らせ下さい.委員の連絡先は,土壌教育委員会のウェブサイトhttp://jssspn.jp/edu/の「委員のページ」をご覧ください.
(日本土壌肥料学雑誌 第85巻第1号 掲載)
土壌教育活動だより 84-6
土壌教育委員会の活動を紹介する.日本土壌肥料学会2013年名古屋大会にてミニシンポジウム「海外の土壌教育の報告から日本の土壌教育を考える」を開催した.当日は山口大学の藤間充氏からご自身の留学経験をふまえた「ジョージア大学の土壌形態学・分類学の授業と実習」を,京都府立大学の矢内純太氏からは米国フィールド博物館と英国自然史博物館を例として「博物館における土壌教育の可能性」を,農環研の大倉利明氏からは「東南アジア等における土壌の社会的啓発への取り組み」を紹介いただいたうえで,福田直委員長がアンケート調査に基づく「諸外国の初等中等教育における土壌教育」についての報告を行った.討論時間には我が国に土壌教育を根付かせる工夫などについて活発な意見交換が行われ,会場からも多くの発言を得ながら盛会のうちに終了した.また,同大会で開催した高校生ポスター発表会では,稲沢高等学校,岡崎北高等学校,向陽高等学校,明和高等学校(愛知県),富岳館高等学校(静岡県),加茂高等学校(岐阜県)の計6校が発表し,全校優秀賞を受賞した.
次に会員の活動を紹介する.田中治夫氏(東京農工大学)は,9月8日に東京学芸大学で開催された「青少年ための科学の祭典 東京大会in小金井」に,「光る泥だんごをつくろう!」というテーマで出展した.参加者は子どもとその保護者約500名で,環境教育への導入として,荒木田土を用いて光る泥だんごづくりを行った.
次に支部の活動を紹介する.中部支部では,8月23日に岡崎北高等学校コスモサイエンスコース2年生(38名)を対象とした「やさしい科学セミナー(国際科学技術財団と共催)」に講師を派遣し,フィールドでの観察と室内実験を実施した.講師は,岡村穣氏(名古屋市立大学),渡辺彰氏,村瀬潤氏,渡邉健史氏(名古屋大学),村野宏達氏(名城大学),梅本英之氏(石川県農林総合研究センター),瀧勝俊氏(愛知県農業総合試験場)の計7名であった.
土壌教育にかかわる活動をされた会員の方は,支部選出の土壌教育委員までお知らせ下さい.委員の連絡先は,土壌教育委員会のウェブサイトhttp://jssspn.jp/edu/の「委員のページ」をご覧ください.
(日本土壌肥料学雑誌 第84巻第6号 掲載)
土壌教育活動だより 84-5
土壌教育委員会の活動を紹介する.福田直委員長(武蔵野学院大学)は,8月7日,8日の両日(両日とも参加者数は約60名.),日本大学生物資源学部において開催された高校生のための実験教室「バイオサイエンス・スクール2013」(主催:公益社団法人日本農芸化学会関東支部)に参加した.今年度から,日本土壌肥料学会が共催となった.内容は,午前が講義,午後が実験の1日のメニューであった.実験の内容は,「香りの神秘」,「君も植物の名医」,「働くタンパク質 酵素」,「微生物の顕微鏡観察」,「血液の役割を試験管内で見る」であった.
また,平成24年7月12日,埼玉県立川越高等学校のスーパーサイエンスハイスクールにおいて,福田委員(当校のSSH推進副委員長)が,「河川流域における植生分布と土壌形成」について講演した.
次に,支部による土壌教育活動を紹介する.中部支部では,7月21日に豊田市自然観察の森において「土壌観察会-土の不思議にせまる!-」を開催した(参加者は大人15名,子供16名).講師は,岡村穣氏(名古屋市立大学),浅川晋氏(名古屋大学),礒井俊行氏(名城大学),加藤雅彦氏(岐阜大学),山崎真嗣氏(岐阜県環境管理技術センター),中川威佐夫氏(三重県農業研究所),池田彰弘氏,瀧勝俊委員(愛知県農業総合試験場)の8名であった.豊田市自然観察の森における土壌観察会は,今回が8回目である.
土壌教育にかかわる活動をされた会員の方は,支部選出の土壌教育委員までお知らせ下さい.委員の連絡先は,土壌教育委員会のウェブサイトhttp://jssspn.jp/edu/の「委員のページ」をご覧ください.
(日本土壌肥料学雑誌 第84巻第5号 掲載)
土壌教育活動だより 84-4
土壌教育委員会の活動を紹介します.平成25年5月21日に埼玉県立川の博物館において土壌研修会を実施しました(参加者は小学校教諭6名,中学校教諭1名,高校実習助手3名,一般大人6名).講師は平山良治氏(埼玉県立川の博物館),福田直氏(土壌教育委員長)でした.内容は、野外の断面およびモノリスを使った土壌断面の解説,土壌の吸着能・保水能の実験,土壌動物の観察でした.
次に,会員による活動を紹介します.平成25年6月1日に宇都宮大学農学部附属農場において,栃木県立博物館と共同で実施している「生きている土~その世界を探る」(講師:宇都宮大学農学部 平井英明氏)が実施されました(参加者は小学生3名,幼児1名,大人3名,大学生3名,博物館担当者4名).その内容は,1)土壌の断面に直接触れて,の手触り・土色・硬さを観察し,鉛筆で土壌断面を模写する,2)落葉をめくりながら,分解程度の異なる落葉を白いバットに並べ、発見した小動物をポータブルの顕微鏡で観察する,3)森林表層土を100 mLの円筒管に採取し,ラップで包んで透明な水槽に入れた後,針でラップに小さな穴をあけ,その穴から出てくる泡を観察し,土壌中に含まれている空気を実感する,4)水田で水稲の苗を植え,素足で水田の土壌の感触を実感する,でした.その様子は,博物館ブログ(http://www.muse.pref.tochigi.lg.jp/news/2013/06/post_171.html)に掲載されています.また,平成24年6月15日に作新学院高等学校のスーパーサイエンスハイスクール(SSH)が実施され,その中の一つの講座として「土と肥料とイネの生育の微妙な関係を調べてみる」が宇都宮大学農学部附属農場において実施されました(講師:平井英明氏.参加者は,高校1年生16名,教諭2名).実施内容は以下のとおりでした.1)試験田において観察を希望する肥培管理が施されている水田を自ら選定し,その水田の土壌の観察や生育しているイネの茎数や草丈を測定する,2)日本人が1年間に消費している精米の平均値を基にして,1年間に日本人が食べているお米の面積を実測データから推測し,それを地面に描く.参加者が水田に素足で入り,稲の茎の数や草丈を実測することにより,土の感触や水稲生育に肥料がどのように貢献しているかを身体で実感し,数値データより推測することによって,実感を伴いながら理解が進み,土壌や肥料の果たす役割への関心が高まったようでした.
土壌教育委員会では,平成25年度の事業として,日本土壌肥料学会名古屋大会において「海外の土壌教育の報告から日本の土壌教育を考える。」と題したミニシンポを開催いたします.日時は9月11日10時30分から11時45分まで,発表者は,藤間充氏(山口大),矢内純太氏(京都府立大),大倉利明氏(農環研),福田委員を予定しています.会員の皆様方の多数の参加をお待ちしております.また、同大会において,高校生ポスター発表を企画いたします.日時は,9月11日16時30分~17時30分です.遠方など事情により会場まで来られない場合は,掲示のみの発表でも結構です.会員の皆様方からのご案内を是非お願いいたします(詳細は土壌教育委員会のウェブサイトhttp://jssspn.jp/edu/「高校生ポスター発表会のお知らせ」をご覧ください.).
土壌教育にかかわる活動をされた会員の方は,支部選出の土壌教育委員までお知らせ下さい.委員の連絡先は,土壌教育委員会のウェブサイトhttp://jssspn.jp/edu/の「委員のページ」をご覧ください.
(日本土壌肥料学雑誌 第84巻第4号 掲載)
土壌教育活動だより 84-3
土壌教育委員会の活動を紹介する.平成25年4月21日に埼玉県立川の博物館において第54回科学技術週間イベント「親と子の土の教室―土の不思議を発見しよう―」を開催した(参加者は小学生13名、幼稚園児1名、大人14名).講師は平山良治氏,森圭子氏,支援員4名(埼玉県立川の博物館),相崎万裕美氏(埼玉県農林総合研究センター),福田直,瀧勝俊(土壌教育委員)の計9名であった.内容は、モノリスを使った土壌断面の解説,土壌粒子の観察,土壌による色水の浄化,土壌動物の観察,泥ダンゴ作り,大型ミミズ・モグラの液浸標本,ミミズの糞塚標本(博物館収蔵)の観察であった.
土壌教育委員会では,平成25年度の事業として,日本土壌肥料学会名古屋大会において,高校生ポスター発表を企画します.日時は、9月11日16時30分~17時30分です。遠方など事情により会場まで来られない場合は、掲示のみの発表でも結構です。会員の皆様方からのご案内を是非お願いいたします(「詳細は土壌教育委員会のウェブサイトhttp://jssspn.jp/edu/「高校生ポスター発表会のお知らせ」をご覧ください.).
土壌教育にかかわる活動をされた会員の方は,支部選出の土壌教育委員までお知らせ下さい.委員の連絡先は,土壌教育委員会のウェブサイトhttp://jssspn.jp/edu/の「委員のページ」をご覧ください.
(日本土壌肥料学雑誌 第84巻第3号 掲載)
土壌教育活動だより 84-2
会員の活動を紹介する.平成25年2月27日栃木県那須烏山市の小学校において,宇都宮大学農学部の学生5名,同農学研究科の大学院生1名が講師となり,里山授業を実施した.対象は,4年生17名と5年生17名の計34名であった.内容は,1. 家族が食べているお米の面積の計算と体感,2. 異なる品種の米の食味試験,3. 身近な里山の資源とそれを活用する知恵の大切さのスライドであった.授業に先立ち調べさせた各家庭における年間の米の消費量を基にして,3つのグループ(0~200 kg(代表値100 kg),200~400 kg(代表値300 kg),400 kg~800 kg(代表値600 kg))に分け,それぞれのグループで,米の栽培面積を,代表値を基にして計算させた.その値を基にして,一辺を10mに固定した長方形のもう一辺の長さを計算し,校庭にカラーコーンと巻き尺を用いて長方形を描いた.そして,その面積の中をそれぞれのグループに分けて,大学生とともに走り,一年間に家族が消費しているお米の栽培面積を体感することから,土の恩恵を実感する授業とした.
土壌教育委員会では,平成25年度の事業として,日本土壌肥料学会名古屋大会(9月11日~13日)において,高校生ポスター発表を企画します(発表日時は未定).一つでも多くの発表を期待しておりますので,会員の皆様方からのご案内を是非お願いいたします.
土壌教育にかかわる活動をされた会員の方は,支部選出の土壌教育委員までお知らせ下さい.委員の連絡先は,土壌教育委員会のウェブサイトhttp://jssspn.jp/edu/の「委員のページ」をご覧ください.
(日本土壌肥料学雑誌 第84巻第2号 掲載)
土壌教育活動だより 84-1
土壌教育委員会の事業として24年10月16日に教師を対象とした「土壌研修会」を埼玉県立川の博物館県立博物館において実施した(参加者は中学校教師1名,高等学校教師3名).講師は平山良治氏(川の博物館),森圭子氏(同),相崎万裕美氏(埼玉県農業総合試験場),福田直委員(武蔵野学院大学)の4名であった.内容は,博物館周辺の土壌と植生および土壌断面観察,土壌粒子・土壌呼吸・土壌吸着・土壌保水能・土壌動物に関する観察・実験を行った.参加された先生方は皆,各種実験に非常に関心を持たれ,すぐに授業に取り込んで実施したいとの感想を述べた.
土壌教育委員会では,平成25年度の事業として,日本土壌肥料学会名古屋大会(9月11日~13日)において,高校生ポスター発表を企画します(発表日時は未定).一つでも多くの発表を期待しておりますので,会員の皆様方からのご案内を是非お願いいたします.
土壌教育にかかわる活動をされた会員の方は,支部選出の土壌教育委員までお知らせ下さい.委員の連絡先は,土壌教育委員会のウェブサイトhttp://jssspn.jp/edu/の「委員のページ」をご覧ください.
(日本土壌肥料学雑誌 第84巻第1号 掲載)
土壌教育活動だより 83-6
日本土壌肥料学会2012年度鳥取大会に関連した土壌教育委員会の活動として,大会2日目(9月5日)にシンポジウム「今後,土壌教育をどう進めるか」を鳥取大学で,9月25日に出前授業を鳥取大学附属中学校で開催した.
シンポジウムでは,支部の土壌教育活動の事例(瀧勝俊委員),出前授業における土壌教育の成果(橋本均委員),博物館と協力した土壌教育活動(宇都宮大学 平井英明氏),教員を対象とした土壌教育研修活動(福田直委員長),土壌教育における放射能教育(田村憲司委員)についてそれぞれ話題提供してもらったうえで,今後の土壌教育の進め方についての意見交換を行うことができた.
出前授業では,鳥取大学附属中学校3年生160名を対象に「土の不思議を探る」と題して実施した.授業は2クラスずつ2回実施し,内容は,土の話,モノリスによる土壌断面観察,実験(土壌粒子,土壌吸着,土壌呼吸)であった.講師は,井上弦委員,福田直委員長,瀧勝俊委員,田中治夫委員,橋本均委員,松山信彦委員,山本定博委員の7名で担当し,アシスタントとして鳥取大学農学部学生10名が協力した.授業後のアンケート結果から,75.7%の生徒が,土について「強い関心を持てた」及び「関心を持てた」と回答した.
土壌教育にかかわる活動をされた会員の方は,支部選出の土壌教育委員までお知らせ下さい.委員の連絡先は,土壌教育委員会のウェブサイトhttp://jssspn.jp/edu/の「委員のページ」をご覧ください.
(日本土壌肥料学雑誌 第83巻第6号 掲載)
土壌教育活動だより 83-5
支部による土壌教育活動を紹介する.中部支部では7月22日に豊田市自然観察の森において「土壌観察会」を開催した(参加者は大人13名、子供14名).講師は岡村穣氏(名古屋市立大学),浅川晋氏,渡邉健史氏(名古屋大学),礒井俊行氏(名城大学),橋本洋平氏(三重大学),山崎真嗣氏(岐阜県環境管理技術センター)瀧勝俊委員(愛知県農業総合試験場)の7名であった.また、同支部では8月22日に岡崎北高等学校コスモサイエンスコース2年生(35名)を対象とした環境科学講座(総合的な学習の時間)に講師を派遣し、フィールドでの観察と室内実験を実施した。講師は,岡村穣氏(名古屋市立大学),村瀬潤氏,李哲揆氏(名古屋大学),村野宏達氏(名城大学),池田彰弘氏,瀧勝俊委員(愛知県農業総合試験場),の計6名であった.
次に会員による土壌教育活動を紹介する.平井英明氏(宇都宮大学)は,6月2日に栃木県立博物館と共催の「土壌の観察会」を宇都宮大学農学部附属農場において実施した(参加者は大人3名,大学生3名,子供2名,博物館職員2名).内容は,土壌の断面観察,土壌の保水性実験,土壌中に含まれている空気を水上置換法によって実感する実験を行った.最後に,農場内の水田圃場において宇都宮大学農学部附属農場育成品種である'ゆうだい21'の苗を植え,素足で水田の土壌の感触を実感する田植え実習を行った.その様子は、博物館ブログ(http://www.muse.pref.tochigi.lg.jp/news/2012/06/post_141.html)に掲載されている.また、田中治夫氏(東京農工大学)は,9月9日に東京学芸大学で開催された「青少年ための科学の祭典 東京大会in小金井」に,幼児から小学校高学年を対象として「光る泥だんごをつくろう!」というテーマで出展をした.参加者は子ども約250名,保護者100名程度であった.荒木田土を用いた泥だんごをスプーンや瓶で擦って,光る泥だんごづくりを行った.同時にクイズを行い,荒木田土・黒土・赤土など様々な土があること,それぞれ性質が違うことを理解してもらった.
土壌教育にかかわる活動をされた会員の方は,支部選出の土壌教育委員までお知らせ下さい.委員の連絡先は,土壌教育委員会のウェブサイトhttp://jssspn.jp/edu/の「委員のページ」をご覧ください.
(日本土壌肥料学雑誌 第83巻第5号 掲載)
土壌教育活動だより 83-4
2012年度土壌教育委員会の事業の一つとして,鳥取大会においてシンポジウムを以下のように開催します.①日時:平成24年9月5日,9:00~12:00(予定)②場所:鳥取大学C51教室 ③テーマ:「土壌教育をどう進めるか」④内容:(1)土壌教育委員会活動の現状と今後(報告)1)「支部の土壌教育活動の事例(中部支部)」2)「出前授業における土壌教育の成果」3)「博物館と協力した土壌教育活動の事例」4)「教員対象の土壌教育研修活動」5)「土壌教育における放射能教育」(2)パネルディスカッション:「土壌教育をどう進めるか」について,1)~5)のテーマに対する質疑応答後,意見交換.会員の皆様方の多数の参加をお待ちしております.
埼玉県立川の博物館では企画展として「土壌モノリス展~日本の土・世界の土」を平成24年5月26日(土)から6月24日(日)まで開催した.地元の段丘の断面を剝ぎとった5mのモノリスを含む65本のモノリスを展示し,土のさまざまな顔つき,土のできかた,土の種類,海外の土壌などについて紹介した.また土壌剥片の展示や土壌動物を顕微鏡でのぞくコーナーも設けた.期間中の来場者は3,500人余りであった.企画展関連イベントとして「あなたの足下大発見!① 親子で土の観察」(5月27日:参加者10名),「あなたの足下大発見!② 土の世界」(6月17日:参加者20名)を行った.
土壌教育にかかわる活動をされた会員の方は,支部選出の土壌教育委員までお知らせ下さい.委員の連絡先は,土壌教育委員会のウェブサイト http://jssspn.jp/edu/ の「委員のページ」をご覧ください.
(日本土壌肥料学雑誌 第83巻第4号 掲載)
土壌教育活動だより 83-3
委員による土壌教育活動を紹介する.福田直委員長(武蔵野学院大学)・森圭子氏(埼玉県立川の博物館)・平山良治氏(同)・相崎万裕美氏(埼玉県農業総合研究センター)は,第53回科学技術週間イベントとして24年4月22日(日)に埼玉県立川の博物館で「親と子の土の教室―土のふしぎを発見しようー」を実施した.内容は,土壌断面観察,土壌の浄化実験,土の粒子・生き物の観察であり,参加者は小学生9名・中学生1名・保護者8名の計18名であった.
次に会員による土壌教育活動を紹介する.平井英明氏(宇都宮大学)は,24年2月24日,栃木県那須烏山市立境小学校において里山体験教室を実施した.内容は,米の食味検査,一年間に食べる米を栽培するために必要な栽培面積を体感する実習を実施した.参加者は,4,5年生33名と教諭2名であった.また,同氏は,平成23年9月3日,17日に宇都宮大学農学部附属農場において作新学院高等学校のスーパーサイエンスハイスクール(SSH)の講座として「土に触れて、観察して土の秘密を探ろう!」と題した授業を実施した.内容は,林地土壌と水田土壌の特徴を実感させる実習,肥培管理や品種によってイネの生育が異なることを理解するために稈長や穂長を実測する実験,一年間に日本人が食べているお米の面積を水田に描く実習を実施した.参加者は高校一年生24名であった.九州支部の和田信一郎氏・森裕樹氏・井上弦氏(九州大学)は,24年3月,九州大学農学部土壌学研究室の協力を受け,全長約2 mの土壌モノリスを作製し,阿蘇くじゅう国立公園の環境省長者原ビジターセンター(大分県玖珠郡九重町)に寄贈,展示した.また,平井英明氏(宇都宮大学)が撮影し,日本ペドロジー学会のホームページに掲載されている褐色森林土の土壌断面写真が,高校生理科の副読本であるニューステージ新生物図表(浜島書店)の99ページに説明文とともに掲載された.
土壌教育にかかわる活動をされた会員の方は,支部選出の土壌教育委員までお知らせ下さい.委員の連絡先は,土壌教育委員会のウェブサイトhttp://jssspn.jp/edu/の「委員のページ」をご覧ください.
土壌教育委員:福田 直(委員長:武蔵野学院大学),田村憲司(筑波大学),菅野均志(東北大学),田中治夫(東京農工大学),安西徹郎(副会長:JA全農),橋本 均(北海道支部:道立中央農試),松山信彦(東北支部:弘前大学),前島勇治(関東支部:農環研),瀧 勝俊(中部支部:愛知農総試),山本定博(関西支部:鳥取大学),井上 弦(九州支部:九州大学)
(日本土壌肥料学雑誌 第83巻第3号 掲載)
土壌教育活動だより 83-2
2012年度土壌教育委員会の事業の一つとして「新・土壌観察ハンドブック」の発行を計画している.原本「土壌の観察・実験テキスト―土壌を調べよう!―(2006,日本土壌肥料学会土壌教育委員会編,96p)」を再編集し,全国10 か所の自然観察の森の土壌断面写真・データ解析・解説を加えたものとなる予定である.
次に会員の土壌教育活動を紹介する.小杉徹氏と渥美和彦氏(静岡県農林技術研究所)は、3月10日に浜松市浜北区のなゆた浜北で,浜北少年科学クラブ会員を対象に,講演・実験を行った.浜北少年科学クラブは,育成部(保護者),会員(小中学生),指導部(教師・公務員・会社員・自営業)が,科学に対して共に学び活動する集まりである.「土のひみつをさぐる!―望遠鏡では見えないミクロの世界を体感しよう―」というテーマで,学校の土と森の土の違い,土壌呼吸量,微生物の数えあげ,色水の土での浄化等の実験を行った.参加者は,小学生15名,中学生6名,保護者22名,教師7名,公務員2名,自営業2名,会社員2名であった.
土壌教育にかかわる活動をされた会員の方は支部選出の土壌教育委員までお知らせ下さい.
(日本土壌肥料学雑誌 第83巻第2号 掲載)
土壌教育活動だより 83-1
平成23年11月13日に群馬県桐生市青少年野外活動センター(群馬県桐生市)において「土壌の観察会」を土壌肥料学会関東支部と共催で実施した(参加者は23名).講師は田村憲司委員(筑波大学).光る泥だんご作りの他「土壌中のセシウムの挙動と植物への影響」と題した講演を行った.
平成23年12月21日に東京都府中市のあおい第一幼稚園において教諭を対象に「光る泥だんご作りを通した土壌環境教育活動」を行った(参加者は10名).講師は田中治夫氏(東京農工大学).
土壌教育にかかわる活動をされた会員の方は支部選出の土壌教育委員までお知らせ下さい.
(日本土壌肥料学雑誌 第83巻第1号 掲載)
土壌教育活動だより 82-6
10月25日に埼玉県立川の博物館(埼玉県大里郡)で土壌教育活動の担い手養成のための「土壌研修会」を埼玉県教育委員会の後援で実施した.講師は福田直(武蔵野学院大学)・平山良治(埼玉県立川の博物館館長)・森圭子(埼玉県立川の博物館)の各氏.参加者は小・中・高等学校教諭17名で,館外での土壌断面観察,館内での土壌断面モノリス観察,土壌呼吸・土壌粒子・土壌吸着能の観察実験を行った.
11月6日に土壌教育委員会の第1回会議を東京農工大学府中キャンパスにて開催した(出席者:福田,瀧,田中,井上,菅野).事業の進捗状況と次年度の事業計画を議論し,今年度中に「土壌観察ハンドブック」の新編集委員会を立ち上げること,土壌教育に関するシンポジウムを鳥取大会で開催する準備をすすめること等を決定した.
次に会員の土壌教育活動を紹介する.平井英明氏(宇都宮大学)は栃木県立博物館との共催で6月25日に「土壌の観察会」,9月10日に「土と作物の観察会」を宇都宮大学農学部附属農場を会場に実施した(参加者はそれぞれ8名および3名).同氏はまた9月3日および17日に「(作新学院高校SSH)土に触れて・観察して,土の秘密を知ろう!」を開催し,高校一年生を対象にイネの品種間差や肥培管理が土壌に与える影響を実感させる取り組み等を行った(参加者はそれぞれ生徒17名+教員1名および生徒5名+教員1名).福田直氏(武蔵野学院大学)は7月17日にSSH校課題研究「土壌を探る」を入間市立西部公民館にて開催した(参加者は埼玉県立川越高等学校生徒15名).同氏はまた9月17日に保育士・幼稚園教諭を対象とした「土壌研修会」を日高市大谷沢にて実施した(参加者は31名).
土壌教育にかかわる活動をされた会員の方は支部選出の土壌教育委員までお知らせ下さい.
(日本土壌肥料学雑誌 第82巻第6号 掲載)
土壌教育活動だより 82-5
日本土壌肥料学会2011年度つくば大会に関連した土壌教育委員会の活動として,大会2日目(8月9日)に「高校生ポスター発表会」をつくば国際会議場エポカル1階多目的ホールで実施した.今回から全国の高等学校を対象とし,4校から計9点のポスター出展があった.午前10時から2時間の発表コアタイムには高校生と本会会員との活発な議論が交わされた.コアタイム終了後には福田委員長から全体の講評が行われ,南條会長からポスター9点すべてに優秀賞の賞状と記念品が授与された.なお,参加校と題目は土壌教育委員会のウェブサイト http://jssspn.jp/edu/ に掲載した.
次に会員の土壌教育活動を紹介する.中部支部では7月23日に豊田市自然観察の森において「土壌観察会」を主催した(参加者は大人7名,子供10名),講師は岡村穣氏(名古屋市立大学),渡邉彰氏,渡邉健史氏(名古屋大学),礒井俊行氏,村野宏達氏(名城大学),瀧勝俊委員,大橋祥範氏,菅野淳夫氏(愛知県農業総合試験場)の8名であった.また,同支部では8月24日に岡崎北高等学校コスモサイエンスコース2年生環境科学講座(SPP事業)に講師を派遣し,フィールドでの観察と室内実験を実施した(対象は32名).講師は,岡村穣氏(名古屋市立大学),浅川晋氏,村瀬潤氏(名古屋大学),橋本洋平氏(三重大学),加藤雅彦氏(岐阜大学),梅本英之氏(石川県農業総合研究センター),池田彰弘氏,瀧勝俊委員(愛知県農業総合試験場),山崎真嗣氏の計9名であった.
土壌教育にかかわる活動をされた会員の方は支部選出の土壌教育委員までお知らせ下さい.
(日本土壌肥料学雑誌 第82巻第5号 掲載)
土壌教育活動だより 82-4
土壌教育委員会のウェブサイトは2007年5月30日以来更新されていませんでしたが,2011年3月より情報掲載を再開し,4月にはサイトデザインを刷新しました(アドレス http://jssspn.jp/edu/).サイトには土壌の観察・実験テキスト-土壌を調べよう!-のPDFファイルも公開されておりますので,土壌教育活動にご活用下さい.
今後は支部や会員の土壌教育活動や委員会の過去の活動も含めて内容を順次更新していく予定です.土壌教育にかかわる活動をされた会員の方は支部選出の土壌教育委員までお知らせ下さい.
(日本土壌肥料学雑誌 第82巻第4号 掲載)
土壌教育活動だより 82-3
平成21年度「土壌の観察会」(広島県廿日市市,平成21年8月21日実施)にて剥ぎ取りを実演した土壌断面標本の仕上げ作業が完了し,田村憲司委員(筑波大学)が完成した土壌モノリスを4月22日に,藤間充元委員(山口大学)がリーフレットを「おおの自然観察の森」に寄贈した.
4月24日に東京農工大学農学部(東京都府中市)で第52回科学技術週間のイベントとして「親と子の土の教室」を日本ペドロジー学会および東京農工大学の共催,農林水産省の後援で実施した.講師は福田直(武蔵野学院大学)・田中治夫(東京農工大学)・森圭子(埼玉県立川の博物館)・浅野眞希(筑波大学)の各氏.参加者は19組で,子ども25名(10~8歳4名,7~5歳7名,4歳以下14名),保護者24名であった.福田委員長の挨拶で始まり,野外の林と畑で浅野講師による「林の土と畑の土」,「土の上でピョンピョンしよう!落ち葉をめくってみよう!」を,室内に戻り森講師による「土のなかみを調べよう」,田中委員による「光る泥ダンゴつくり」,福田委員長による「土壌動物の観察」を行った.アンケートの結果はおおむね好評で,継続の希望も出された.
次に会員の土壌教育活動を紹介する.平井英明氏(宇都宮大学)は2月24日に那須烏山市境小学校で総合学習の時間を活用した授業を開催し, 大学生3名とともに「お米の味,お米ができる広さ,お米を作る山」を実感させる取り組みを行った(参加児童は4年生15名,5年生17名).
土壌教育にかかわる活動をされた会員の方は支部選出の土壌教育委員までお知らせ下さい.
(日本土壌肥料学雑誌 第82巻第3号 掲載)
土壌教育活動だより 82-2
第52回科学技術週間のイベントとして2011年4月24日(日)13:00~15:30に東京農工大学農学部(東京都府中市)で「親と子の土の教室」を開催する.対象は3歳児から小学校低学年の子どもとその保護者とし,光る泥ダンゴつくり,土のつぶの観察,林の土と畑の土の比較を行う予定.詳細な実施内容および申込方法は土壌教育委員会のウェブサイト http://jssspn.jp/edu/ をご覧下さい.
土壌教育にかかわる活動をされた会員の方は支部選出の土壌教育委員までお知らせ下さい.
(日本土壌肥料学雑誌 第82巻第2号 掲載)
土壌教育活動だより 82-1
2010年11月7日に入間市立西武公民館で高校生15名を対象にSSH校土壌観察会「加治丘陵の植生と土壌」を実施した(講師:福田委員長).11月27日には智光山公園で保育士および幼稚園・小学校・中学校・高等学校教諭等27名を対象に教員等土壌研修会を開催した(講師:福田委員長).
土壌教育委員会の第2回会議を12月23日に筑波大学にて開催した(出席者:福田,東,田村,田中,瀧,渡辺,井上,菅野).報告事項は土壌モノリス及びリーフレットの寄贈状況等と副委員長(東)及び事務局長(菅野)の委嘱,検討事項は支部の土壌教育活動状況,2012年度鳥取大会におけるシンポジウム開催,土壌教育委員会の課題,次年度事業計画及び予算,新ウェブサイトの管理等.委員会の課題については学習指導要領改訂に向けた働きかけ,土壌観察ハンドブック及び自然観察の森の断面集出版,農林水産省から申し入れのあった事業共催への当面の対応を決定した.
次に会員の土壌教育活動を紹介する.森圭子氏(埼玉県立川の博物館)は11月20日に同博物館でかわサタ自然教室「土の不思議!いろいろ実験」を開催し,土壌断面観察を含む簡単な実験を行った(参加者は子供を含む7名).土壌教育にかかわる活動をされた会員の方は支部選出の土壌教育委員までお知らせ下さい.
(日本土壌肥料学雑誌 第82巻第1号 掲載)
土壌教育活動だより 81-6
日本土壌肥料学会2010年度北海道大会に関連した土壌教育委員会の活動として「出前授業」と「高校生ポスター発表会」を実施した.出前授業は7月24日に長沼町こども理科教室「土をしらべよう!」として長沼町教育委員会との共催で開催した(参加者は小学校高学年12名).講師は福田直委員長(武蔵野学院大学),田中治夫委員(東京農工大学),橋本均委員(道総研中央農業試験場)の3名.中央農業試験場の日笠裕治,濱村美由紀両氏の協力を得て,昨年の京都大会に準じた①土を当ててみよう,②土壌動物の観察と土壌呼吸,③土の粒子の違い,④土の吸着・保水性の実験の4課題を行った.
高校生ポスター発表会は北海道大会運営委員会の協力を得て大会1日目の9月7日に開催した.橋本均委員を中心とした全道約320校への呼びかけにより,道内5校から計6点のポスター出展があった.発表会のあと別室で表彰式を行い,各発表に表彰状と記念品を贈呈した.参加校と課題名は次の通り(発表番号順):遺愛女子中学・高等学校「大森浜の黒砂のなぞをさぐる4−ガーネットの故郷を求めて−」,北海道有朋高等学校「稲による土壌浄化の研究(Cd, Srの吸収について)」,北海道札幌藻岩高等学校「エコトレイから香水へ〜学校廃棄物の堆肥化と利用」,北海道厚真高等学校「最終氷期ローム層の帯磁率による分帯と対比」,北海道帯広農業高等学校「積雪寒冷地における葉菜類の周年栽培を実現する省力的な管理技術,同「土壌管理法『省耕起』の導入による農地の物理的構造の変化」.
土壌教育活動だより 81-5
会員の土壌教育活動についてお知らせします。
平井英明氏(宇都宮大学):①6月27日に栃木県立博物館主催の土壌の観察会(場所:宇都宮大学農学部附属農場)に講師として参加した。参加者は親子20名。②7月8日にSSH講演会で土壌と環境というテーマで講義を行った。対象は埼玉県立川越高校の1年生と2年生で、教員を含めて約700名が参加した。③9月18日栃木県立博物館主催の土と作物の観察会に講師として参加した。
田中治夫委員(東京農工大学):9月12日に「『青少年のための科学の祭典』東京大会in小金井」に出展し、約300名の幼児~小学生とその保護者とともに光る泥だんごづくりを行った。
土壌教育活動をされている会員の方は、活動内容を各支部選出の委員までお知らせ下さい。
(日本土壌肥料学雑誌 第81巻第5号 掲載)
土壌教育活動だより 81-4
土壌教育委員会の内規が定められ,2010年度は下記のメンバーが委員となりました.7月24日には北海道長沼町の子供理科教室への出前授業を行いました.9月7日には北海道大会において高校生ポスター発表会をおこないます.本委員会では,各種土壌教育に対するサポートをおこないます.各支部で,出前授業や土壌観察会などを計画されている方は,各支部選出の委員までお問い合わせ下さい.
また,第一回委員会会議を7月13日,東京農工大学にて開催しました(出席者:福田,菅野,安西,橋本,田中).報告事項は平成21年度活動,協議事項は今年度の方針,予算,開催事業,出版,学会誌への土壌教育活動だより投稿,HPの掲載,各支部土壌教育委員会との関係,学習指導要領改訂に向けた検討,農水省との共催のあり方等でした.なお,開催事業は教員対象土壌研修会,出前授業,高校生ポスター発表会とし,支部における土壌観察会などの支援,和歌山県自然観察の森に土壌モノリス及びリーフレットを寄贈,土壌観察ハンドブックの出版,科学技術週間におけるイベントを平成23年4月24日に東京農工大学で開催予定,などを決定しました.
土壌教育委員:福田 直(委員長:武蔵野学院大学),東 照雄(筑波大学院),田村憲司(筑波大学院),菅野均志(東北大学院),田中治夫(東京農工大学院),安西徹郎(副会長:JA全農),橋本 均(北海道支部:道立中央農試),角田憲一(東北支部:山形大学),前島勇治(関東支部:農環研),瀧 勝俊(中部支部:愛知県農総試)渡辺和彦(関西支部:兵庫県農水技総セ)井上 弦(九州支部:九州大学)
(日本土壌肥料学雑誌 第81巻第4号 掲載)